失敗しないマイホーム

更新日2025.02.12 公開日2025.02.04

共働き時代の新しい家づくり。家事を楽しむ『ともかじ』のキッチン

ひとりに家事が集中してしまうのではなく、家族が家事を“自分ごと”ととらえ、家事の時間をコミュニケーションの時間に変えてしまう家をご紹介します!
今回はキッチン編。
夫婦で、親子で一緒に家事を楽しむ家の設計のポイントを、専門家へのインタビューを交えてわかりやすくレクチャーします。

共働きの家事負担率、妻はなんと7割超!

内閣府の調査により、こんな結果が発表されています。

「令和3(2021)年時点で、6歳未満の子どもを持つ妻・夫について、妻が無業(専業主婦)の場合は家事関連時間の84.0%、有業(共働き)であっても77.4%を妻が担っている」
(令和5年版 男女共同参画白書より抜粋)

家事は妻が担うもので夫はゴミ出し程度のお手伝いのみ…という時代は過ぎたかに思いましたが、まだまだ、妻の家事負担率が高いのです。

毎日の暮らしの中で「家事・育児」は家族の健康や豊かな生活を続けるためにも大切な仕事。ですが、負担に感じてしまうのは家族のひとりに集中してしまうから。家族みんなで家事を担えば、負担は減り、時間にも心にもゆとりが生まれるでしょう。

しかし、家族の意識改革を促すべく、話し合いをしなければ…と頭では理解できても、食事の用意をしなければいけないし、日々の家事に追われて夫や子どもとのコミュニケーションをとる時間さえもない…とお悩みの方、無理をしなくても自然に「家族で家事を一緒に楽しむ家」なら、その悩みを解決できるかもしれません。

まずは、キッチンの工夫をご紹介しましょう。

人気の「対面キッチン」は家事シェアには不向き!?

「子育て世代にはとても人気が高い対面キッチンですが、ワンオペならとても便利で使いやすいけれど、家族みんなで食事の準備をするには不向きなんです。」
と教えてくれたのは、「ともかじの家」を推奨している株式会社ビーバーハウスの一級建築士・福田さん。

▲ 株式会社ビーバーハウス 一級建築士 福田美由紀さん(「ともかじの家」モデルハウスにて)

「ともかじの家」とは、共働きや子育てに忙しいご家族が、毎日の家事を楽しみながら行う「ともかじ(共家事)」スタイルを実現しやすい空間設計の家です。

ご自身も共働きでふたりの子育て中ということもあり、経験をふまえて家族みんなで家事を楽しむ家のポイントをわかりやすく教えてくれました。

福田さん:「私の自宅は対面キッチンの家なのですが、1人だったらとても動きやすく、便利です。けれど、夫とふたりで料理をしようと思うとお互い動線が交わってしまい、じゃまになる。なかなか上手くいかないんです。」

対面キッチンは一方通行なので、どうしても動線が交わってしまいます。幅が狭いとすれ違う時にぶつかってしまいますし、複数人で食事の準備をするには不向きなんですね。

福田さん:「また、子どもに何かを手伝ってもらおうと思うと、手伝ってもらうための準備をしなきゃならない。例えば、ドレッシングをテーブルに置いてと頼むと、冷蔵庫からドレッシングをピックアップして、それを渡す。お手伝いしてもらうために、お手伝いをしているワケです。そして、対面キッチンのカウンターは子どもからすると高すぎるのです。」

確かに、対面キッチンのカウンター越しに子どもと話そうとすると、調理中の音が障害になり、大きな声で話すかいったん手を止めて話さなければいけない場合が多くなります。特に調理中は会話しづらい状況になります。コミュニケーションが取りづらいので、他の家族がリビングで団らん中でも料理をしている人の疎外感が気になります。

家族と一緒に家事を楽しめる【キッチン例】

では、具体的に家族みんなで楽しみながら食事の準備ができるキッチンを紹介します。

回遊動線を描くアイランドタイプのキッチン

▲ 一枚板でつながるアイランドカウンターとダイニングテーブル。ぐるっと回れる回遊動線でぶつからず、配膳や後片付けがとってもラク!(「ともかじの家」モデルハウス)

アイランドカウンタータイプのキッチンなら夫婦で同時にキッチンに立っても、動線が交わらないのでストレスがかかりません。シンクを壁側だけでなくカウンターに内蔵したことで、料理と同時に鍋やボウルなどを洗うことができます。料理ができた頃には後片付けもほぼ終わっているなんて、夢みたいですね!

また、収納の位置にも注目。子どもが取り出しやすいようにアイランドカウンターの前面の低い位置に収納スペースがあるのがポイント。ランチョンマットを取り出しセッティングするなど、親の手を借りなくても自らできるお手伝いの幅が増えます。

子どもがお手伝いしやすい高さのカウンター

▲ 子どもが作業しやすいカウンターなら、子どもができることも増えます!(「ともかじの家」モデルハウス)

カウンターの高さを子どもが手伝いやすい高さにすることもポイント。ダイニングテーブルくらいの作業しやすい高さにすることで子どもができる事が増えます。一緒に並んで作業ができるので、玉ねぎの皮をむいたり、プチトマトのヘタをとったりなど、料理に参加しやすくなります。また、親がやっている作業が見やすいので「何をやっているのだろう?」など子どもの好奇心がそそられます。そんな興味から会話も弾みやすくなります。

コミュニケーションがとりやすいキッチン中心のLDK

▲ LDKの主役はキッチン。料理をしている時間も家族と会話がしやすく、料理や食事を通して家族の一体感が生まれます(「ともかじの家」モデルハウス)

夫婦で、親子で料理がしやすく、効率よく料理がすすむだけでなく、会話がしやすいようにすることも重要です。LDKがキッチン中心ならリビングのどこからでも料理をする人と目が合わせやすく、家族の一体感が生まれます。話しかけやすい、話しやすい。これはコミュニケーションをとる上で非常に大切なこと。料理をしている人の疎外感もありません。

専門家に聞く、キッチン設計ポイント

福田さんに、家族で家事を楽しむ家にするために大切なポイントは何か?をお聞きました。

福田さん:「ズバリ、子どもも大人も“自分でできることは自分でする”ことができるキッチンです。お箸やカトラリー、普段使いのコップなどを並べるのは子どもの仕事。ならば、子どもの手が届く位置に収納スペースを用意すること。そうすれば、子どものお手伝いのためにお箸やコップを用意しなくても、自らが出して並べることができます」

料理している手を止めて、お手伝いしてもらうための準備をしなくてもよいというワケですね!

福田さん:「また、キッチンの幅も重要です。やはり、大人ふたりのすれ違いができる余裕が欲しいですね。また、シンクがふたつあると、調理中に片付けも同時にできます。」

妻が料理をしている時に、夫がボウルや鍋を洗ってくれたらその後の後片付けがグンとラクになりますね。

福田さん:「そうなんです。30分かかる家事を家族みんなでこなすと、10分でおさまります。それに、料理している人の疎外感がなくなり、一緒に食事する時間が長くなります。私は料理が終わり、配膳をすませ、片付けを済ませて着座すると、家族が食事を終えていることがよくありましたから(笑)。」

▲ 家族で家事を楽しむ工夫が詰まった「ともかじの家」モデルハウス (設計施工・株式会社ビーバーハウス)

まとめ

今、妻または夫に家事を任してしまっているのは、手伝いづらいキッチンにも問題があるのかもしれません。家族と一緒に家事を楽しみたいのであれば以下のポイントはおさえておきましょう。

夫婦でキッチンに立っても、交わらない(じゃまにならない)動線
すれ違う時にぶつからない広さの幅
子どもが手伝いやすく、会話しやすいカウンターの高さ
子どもの手が届く収納の位置

キッチンにこんな工夫があれば、「手伝って!」と声を荒げなくても自発的にやれることはやるようになるのかもしれませんね。食事の準備から料理、後片付けまで家族みんなでこなすことで、効率が良くなり、時にはメンドクサイと感じる時間が家族と会話が弾む楽しい時間になるなんて、夢のような話も実現できそうです。

次回は、子育てと家族のコミュニケーションを中心に、家族で家事が楽しめる家の例を紹介します。

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取材協力

株式会社ビーバーハウス

豊中市・八尾市・藤井寺市を中心に地元密着スタイルで住まいを提案する株式会社ビーバーハウス。建築工事中の仮設トイレまで可愛く装飾するなど、どの施工現場も美しく「魅せる現場コンテスト」において3年連続最優秀賞を受賞している。家族で家事を楽しむ工夫が詰まった「ともかじの家」モデルハウスも公開中。見学希望の方は同社HPからご連絡を。

ビーバーハウス藤井寺営業所

「ともかじの家」モデルハウス外観

筆者

著者

住宅ライター/プロインタビュアー 大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。

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