公開日2024.09.26
DIYでのワックス・オイルの取り扱いには注意!正しい保管方法
ワックスやオイルで塗装して自分好みに仕上げるのはDIYでの楽しい工程の一つです。ですが、その塗料の取り扱いや保管には注意点もあるのをご存じですか?
今回は、「ミルクペイント」や「オールドウッドワックス」などを製造販売しているターナー色彩株式会社さんにDIY塗料の取り扱いや保管方法をお聞きしてきました。
ワックス・オイルの取り扱いでの注意点
DIYといえばワックスやオイルは必需品!
ですが、その取り扱いには注意することがあるのです。知らずにDIYをしていると危害を及ぼすなんてことにもなりかねません。
ワックスとオイルの“自然発火”について
ワックスやオイルを使用する際は、ウエス(布)を使って木材に塗布します。その後、油類が付いたウエスを長時間放置していると、乾燥していく過程で酸化が進んで熱を発生し、条件が揃うと自然発火を起こすおそれがあることをご存じですか?
<自然発火が起こる条件>
- 1.空気と接触する面積が大きい状態(布などに染み込んでいる)
- 2.温度が高い状態
- 3.放熱性が低い状態
特に、大量のワックスやオイルが付いたウエスを積み重ねてビニール袋に入れて放置することは、上記の条件が揃いやすく、自然発火を起こす可能性が高くなります。最悪の場合、火事になるなんてことも…。
自然発火を防ぐには
自然発火が起こらないようにするためには、使い終わったらワックスやオイルが硬化する前に、ウエスを水に湿らせてから捨てるようにしましょう。
ゴミの日までに期間があるときは、バケツなどに浸しておくこと。水を含んでいる状態だとすぐに自然発火することはなく、リスクを下げることにつながります。
DIY塗料の正しい保管方法
ワックス・オイル・水性ペンキなど、DIYで使用する塗料全般は使い終わった後、以下のように保管することがおすすめです。
● 容器の淵についた塗料を取り除き、蓋をしっかり閉める
塗料は空気に触れると乾燥や固化が進むことがあり、場合によっては酸化して品質が低下することもあるため、容器の蓋はしっかり閉めるようにしましょう。
● 高温多湿・直射日光を避ける
高温多湿は、塗料自体の品質に影響を与えることがあり、過剰な熱や寒さは劣化の原因にもなります。水性ペンキの場合は、分離と蒸発が進んだり、カビが発生し腐敗したり、塗布したものに直射日光に当てると色飛び(発色が悪くなる)が起こり退色したりすることもあります。
屋内の押し入れやクローゼットなどの冷暗所(50度以下)に、ボックスに入れて保管するなど、直射日光を避けた場所に保管することがおすすめです。漏れや分離のリスクを最小限に抑えるためにも、水平(垂直)に保管しましょう。
● 高所を避け、子供やペットの手の届かない安全な場所に保管する
安全面においては、転落防止のため高所に置くのは避けましょう。特に重たいものは低い場所に置くことをおすすめします。
塗料をより長持ちさせるために
容器の淵についた塗料を取り除く
DIYをするときに塗料を必要な分量だけ別の容器に移し、その別の容器に刷毛をつけて木材に塗布しますが、その容器に移す際に塗料が淵に付いてしまうことがよくあります。そのまま蓋を閉めてしまうと、空気が入り酸化したり、塗料が固まることで蓋が開けることができずに使えなくなってしまった、ということもよくあります。
容器を汚さないためのアイデア
上の写真のようにマスキングテープや養生テープを容器の淵に貼り、塗料が流れる道を作ります。塗料を別の容器に移した後、すぐにマスキングテープをはがします。すると垂れ流れるのが回避できます。
写真右は、別の容器に移してからマスキングテープや養生テープを剥がした後。汚れていないのがわかります。容器の蓋を閉めても固まることがなく、簡単に蓋を開けることができます。
もう使わなくなった塗料はどうする?
塗料、塗料の空き缶などの処分方法は、お住まいの自治体によって異なるため確認が必要です。ここでは、もう使わなくなった塗料を安全に、処分しやすくする方法をご紹介します。
ワックス・オイルなどの油性
ワックスやオイルは、ウエス(布)や新聞紙に含ませたうえ、硬化する前に水に湿らせてから捨てるようにしましょう。
水性ペンキ
容器からできるだけかき出し、新聞紙などに塗り広げ乾燥させてから処分します。
また、市販されている塗料用固化(凝固)剤で固めるのもよいでしょう。
塗料は「使い切る」ことも大切!
初めて塗料を購入する際は、「足りないかも…」と大きめのサイズ(容量)を買ってしまいがちですが、必要な量を考えて塗料の容量(サイズ)を選び、できる限り早く使い切るという意識を持つことも必要です。メーカーが容器に記載している「塗り面積」などを確認して目安にしてみましょう。
最後に
DIYでは必ず必要な塗料。DIYを楽しむ者として、その取り扱いの知識を持っておくこと、注意を払って使うことをお忘れなく!
また、今後も使い続けられそうなお気に入りの塗料を見つけ、長くリピートしていくことも塗料を無駄にせず、長持ちさせることにもつながっていくと思います。できるだけ安全に、長くDIYを楽しみたいですね。
協力
ターナー色彩株式会社
大阪府大阪市淀川区三津屋北2丁目15-7
1946年創業、水彩絵具やアクリル絵の具に加えてDIYに欠かせないリフォーム用インテリアペイントなどを製造販売。ターナーのDIY商品を通して、ペイントの魅力も発信しています。詳しい商品情報やHowTo、ワークショップ情報など最新情報はこちらをチェック。