新築のコンセント計画に必須!「フロアコンセント」徹底ガイド
新築住宅のコンセント計画は、家づくりで後悔しやすいポイントの一つです。家を建てた後に「ここにコンセントをつけておけばよかった」と感じたことがある人は少なくありません。
そこで今回おすすめしたいのは、床面に設置する 「フロアコンセント(床コンセント)」。フロアコンセントがあれば暮らしの快適性を大きく向上させることができます。
本記事では、フロアコンセントを設置するメリット・デメリットから種類、おすすめの設置場所まで、初めての方にもわかりやすく解説していきます。
フロアコンセントとは? ―メリットとデメリットを解説
フロアコンセントとは、床に埋め込んで設置するコンセントのことです。使わない時はフタを閉じてコンセントを収納できます。新築のコンセント計画では、主に壁へ設置する位置や高さを検討しますが、床に設置するコンセントもあれば生活の利便性が高まるため、あわせて検討したいコンセントです。
新築での壁コンセントの場所については、以下の記事を参考に。
【新築を建てる人必見!】空間別・おすすめコンセント位置8選
フロアコンセントをつけるメリット
・壁のコンセントを気にせず、好きな場所で電源がとれる
- フロアコンセントを設置する最大のメリットは、壁のコンセントに縛られず、部屋の中央や窓側、デスク周辺など「使いたい場所」で電源を取れることです。
スマホやタブレットなど使用する場所が壁の近くだけではない機器や家電には、フロアコンセントがあれば便利になります。
・延長コードが不要、コード類が邪魔にならない
-
フロアコンセントがあれば、延長コードが不要になります。床を横切る邪魔なコードもなくなるため、
・見た目がスッキリ
・掃除がしやすい
・ロボット掃除機がコードに引っかからない
・コードによるつまずき事故がない
といったメリットが得られます。
・部屋のレイアウトの幅が広がる
-
壁のコンセントを使用していると、家具のレイアウトが制限されてしまいますが、フロアコンセントを設置すれば、家具を中央に配置したり、背面を通路にしたりとレイアウトの幅が一気に広がります。
フロアコンセントのデメリット
・後付けが難しい
- フロアコンセントは床下配線が必要なため、壁内配線と比べると後付けのハードルが高くなります。新築やリノベーションなど、家の電気配線を一から計画する際や見直す際が、導入の最適なタイミングです。
・床暖房には設置できないことも
- 床暖房を設置する床には、フロアコンセントが設置できないケースがあります。施工会社への確認が必要になります。
・フローリングに少し段差ができる
- 製品によってはフローリングと完全にフラットにならず、数ミリ程度の段差が出ることがあります。
・漏電など安全面に配慮は必要
- フロアコンセントは水が入りにくい設計ですが、水回りに設置する場合は場所や使い方には注意が必要です。
フロアコンセントの種類と形状
住宅用のフロアコンセントには、ポップアップコンセントと収納型フロアコンセントの2種類があります。
1.ポップアップコンセント
ボタンを押すとコンセントが飛び出すタイプ。アップコンセントも呼ばれ、使わないときは閉じることでコンセントを収納できます。
2.収納型フロアコンセント
フタ付きで中にコンセントを収納するタイプです。フタにコード用の隙間があるため、閉じたまま使用できます。収納型にはコンセントだけでなく、LANケーブルやテレビ用端子、オーディオ端子などが通せる「マルチフロアコンセント」もあります。あらかじめ使い道を考えて設置することでリモートワークなどパソコン作業にも役立ち、部屋の配線もスッキリできます。設置場所の用途のあわせて選ぶとよいでしょう。
フロアコンセントのカラー
カラーは一般的なフローリングに近い、以下で展開されています。
・ブラウン系(明るめ~暗めのブラウン)
・ホワイト・アイボリー系
・ブラック系
・メタリック系(金属製)
フロアコンセントの形状と違い

▲ パナソニック製【F型アップコン】の丸型(DU1100F)と角形(DU1300F)
形状には、ポップアップと収納型のどちらも「丸型」「角型」があります。
上の写真のパナソニック製ポップアップコンセント【F型アップコン】は、
丸型 → プラスチック製
角型 → プラスチック製、フレームは金属製
という特徴があります。
金属のフレームは、強度が高いイメージがあります。また、丸型のほうが床面との段差が生じています(写真下)。

▲ パナソニック製【F型アップコン】の丸型(DU1100F)と角形(DU1300F)
フロアコンセントの種類は、設置する場所と使う用途に応じて最適なものを選びましょう。カラーについては、新居のフローリングの色やインテリアに合わせて選ぶことで、見た目の統一感も出すことができます。
【ここにあると便利!】フロアコンセントのおすすめ設置場所4選
実際に設置してよかった場所、またこの場所にフロアコンセントがあれば使い勝手がよくなると思った場所を4つご紹介します。
1.ソファの近く
一番おすすめしたい設置場所は、リビングのソファ近くです。リビングではソファに座り、充電しながらスマホやタブレットを見ている人も多いのではないでしょうか?そんな時、ソファのすぐそばにフロアコンセントがあればコード類が邪魔になりません。
特に、リクライニングソファ付近にはおすすめ
ソファの中でも、電動で背もたれや脚を乗せるフットレストの角度を変えられるリクライニングソファには、電源が必要です。壁コンセントの場合、コードが気になるときは壁側にソファを配置するしかありませんが、フロアコンセントがあれば、テレビ近くや部屋の中央にリクライニングソファが配置できるようになります。
あらかじめ間取りの段階でソファを配置する場所を決め、その付近にフロアコンセントを設置するとよいでしょう。
2.ダイニングテーブルの下
食事の際のホットプレートや卓上IH、また作業用のノートパソコン、スマホの充電など、電源を使うシーンが多いダイニングではフロアコンセントが活躍します。
ダイニングテーブル付近に設置する場合は、テーブル下や脚付近に設置するとフロアコンセントが目立ちにくく見た目もスッキリします。
3.季節家電を置く場所
扇風機や暖房器具、加湿器などの季節家電を置く場所近くにフロアコンセントがあれば、壁のコンセント位置を気にせず、好きな場所に置くことができます。
4.仕事部屋・書斎
仕事部屋や書斎では、パソコンやモニターの電源を取るためにデスクを壁につけて配置するパターンが多いですが、フロアコンセントを設置しておけば、デスクを部屋の中央にも配置することができるため、レイアウトの自由度がアップします。また、LANケーブルも壁からだけではなく、「マルチフロアコンセント」に通しておくことで配線が邪魔にならず、安定した通信環境が構築できるのでリモートワークにはおすすめです!
新築戸建ての有線LANの必要性と配線については、以下の記事を参考に。
【新築戸建て】有線LANの配線は必要?空配管を準備した方がいい理由
(まとめ)新築住宅のコンセントで後悔しないために
電源・充電が必要な機器が増えた現在の住宅では、フロアコンセントは生活の利便性を大きく高めてくれる設備です。後付けは難しいため、「ほしい場所を最初に決めておく」ことが何より重要です。
・普段どの場所で電源を取っているか
・家のどこでコードが邪魔になっているか
・どの家具をどこに置く予定か
これらを事前に洗い出し、建築を依頼する施工会社に明確に希望を伝えることで、後悔のないコンセント計画を実現できます。
これからは “壁コンセント+フロアコンセント” を組み合わせることが、より快適な暮らしへとつながるでしょう。
筆者
自然体で心地いい時間が過ごせるおうちにしたい、そんな想いを込めて、「こんなのあったらいいな」「これは便利!」と思う暮らしのアイデアをお届けします。