インテリア

公開日2025.09.04

インダストリアルインテリアとは?家具・配色の特徴と部屋の作り方

コンクリートの質感やアイアンの無骨さ、使い込まれた木の風合い。そんな工業的な雰囲気を楽しむインダストリアルインテリアは、まるでブルックリンのカフェにいるような心地よさを、自宅に再現できる人気のスタイルです。今回は、インダストリアルインテリアの特徴や取り入れる際のポイントについてご紹介します。

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

インダストリアルインテリアとは?

インダストリアル(industrial)とは、「工業的な」という意味で、工場や倉庫のような雰囲気を取り入れたインテリアをインダストリアルインテリアといいます。
素材そのものの質感や構造美、機能美を楽しむスタイルで、ラフで飾らないカッコよさが魅力のインテリアです。

インダストリアルインテリアのはじまり

インダストリアルインテリアの源流は、19世紀の産業革命期の工場建築や倉庫にあります。インテリアスタイルとして広がるきっかけになったのは、1960年〜70年代、ニューヨークのソーホー地区を中心に、家賃の安い工場跡地や倉庫をアーティストが住居兼アトリエに利用するようになったことからです。

1980年〜90年代にはヨーロッパを中心に、古い建築をリノベーションして住居やオフィスに活用する流れが強まり、『廃墟的な美しさ』『使い込まれた素材の味』を重視するインテリアスタイルとして雑誌やデザイン界で取り上げられ、インダストリアルインテリアがひとつのジャンルとして確立しました。

日本でも2000年代以降、リノベーション住宅の流行やブルックリンスタイル(ブルックリンの古い倉庫やカフェを思わせる、おしゃれで温かみのあるインダストリアル)のカフェの台頭によって人気が高まり、現在では定番スタイルの一つとなっています。

インダストリアルインテリアの特徴

インダストリアルインテリアは、「無骨」「実用的」「素材感を活かす」がキーワード。工業的なデザインを彷彿とさせる家具や素材が多く、見た目のかっこよさと実用性を兼ね備えているのが特徴です。

家具や色づかい、使われる素材には、以下のような特徴があります。

家具

  • ・アイアン(鉄)やスチールなどの金属素材を取り入れた家具
  • ・無垢材や古材など、木の質感を活かした天板や棚板
  • ・あえてキズやサビ加工を施した仕上げ
  • ・パイプや配管デザイン
  • ・ヴィンテージ、レトロ風デザイン

色づかい

  • ・ブラック、チャコールグレー、ダークブラウンなど、重みのある色合いがベース
  • ・カーキ、オリーブグリーン、レンガ色、錆色など、自然素材や金属の経年変化を思わせる色

素材

  • ・金属(アイアン・スチール・真鍮など)
  • ・木材(古材・無垢材)
  • ・コンクリート
  • ・レンガ(ブリック)
  • ・革

お部屋をインダストリアルインテリアにするポイント

▲ 久保コーディネート事例

見た目のかっこよさと実用性を兼ね備えたインダストリアルインテリア。ここでは、家具や照明、カーテン選びのポイントを解説します。

家具を選ぶ時のポイント

木部はダークブラウン(ウォールナットなど)などの濃い色がおすすめです。古材や無垢材で、傷がついたものもGOOD。アイアンの脚やフレームの家具は定番です。スチールのラックやチェストもインダストリアル要素がプラスされますし、皮のソファ(ダークブラウンやキャメル、ダークグリーンなど)も雰囲気がよくなります。

照明を選ぶ時のポイント

照明のシェードは、アイアン、スチール、アルミなど、金属素材のもの(マット加工、使い込まれたような加工)がおすすめです。エジソンランプ、裸電球、ワイヤーガードなどもよく似合います。その他、ダクトレール、スポットライトも雰囲気が合います。

カーテンを選ぶ時のポイント

両開きカーテンよりも、メカものがよく合い、中でもよこ型ブラインド(ウッド、アルミ、ファブリック素材のもの)がおすすめです。
両開きカーテンにしたい場合は、ラフな質感のもの(コットン、リネン、デニム)がいいでしょう。

家具を買い替えずに、インダストリアルインテリアを作るには?

できるだけ家具を買い換えず、コストをおさえながらインダストリアルインテリアを作りたい場合は、以下の3つのポイントを押さえましょう。

1.照明をインダストリアルテイストのものに

家具はそのままでも、照明をインダストリアルテイストのものに変えると効果的です。おすすめは、ペンダントライト。黒のスチールのセードで、インパクトのあるものに変え、インダストリアルテイストをプラスしましょう。

2.金属素材の家具をプラス

空間に余裕がある場合は、アイアンやスチールなど金属素材が使われたシェルフなどを追加するのがおすすめです。色は黒がインパクトがあり、空間の引き締めにもなるのでおすすめです。

3.小物(雑貨、クッション、アート)

ミリタリーボックス、スチールバスケット、ヴィンテージ風時計などの小物をプラスすることによってインダストリアルテイストをプラスすることもできます。アートは、黒のフレームにタイポグラフィなどがおすすめ。
クッションはインダストリアルテイストに似合う、デニム、レザー、モノトーンなど、カッコいい系のものに。

インダストリアルインテリアが購入できる、 おすすめショップ

オンラインでも購入できる、おすすめのインダストリアルインテリアのショップをご紹介します。インダストリアルインテリアが好きな方、興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。

TRUCK Furniture(トラックファニチャー)

1996年、古いビルを自分達で改造して住まいと工場と店を作ったのが始まり。インダストリアルインテリアブームの先駆けともいえるお店。

CRASH GATE(クラッシュゲート)

比較的リーズナブルで、センスのいいインダストリアルテイストの家具が揃うお店。特に、ダイニングチェアの種類が豊富。

a depeche(ア デペシュ)

ベーシックなアイテムと、こだわりを感じるアイテム両方がセレクトされたお店。
インテリア雑貨も豊富。

ARTWORKSTUDIO(アートワークスタジオ)

▲ (掲載記事)プロがおすすめする、リビングダイニングの照明とその選び方

洗練されたインダストリアルテイストの照明を買うならここ!おしゃれなシーリングライトもありますよ。

プロがおすすめする、リビングダイニングの照明とその選び方

最後に

お気に入りのカフェにいるような居心地を、自分の部屋でも楽しめたら素敵ですよね。インダストリアルインテリアは、そんな“おしゃれで落ち着ける空間”を叶えてくれるスタイル。
無骨さと温もりのバランスを大切にしながら、あなただけのカフェのようなお部屋をつくってみてくださいね。

アドバイザー

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

個人邸やモデルルームのコーディネート、店舗の装飾&ディスプレイなど空間づくりに関わるあらゆる分野で活動中。

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