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2021.08.31

​​自宅を安全な避難所にする!日常の延長で考える防災対策とは?

​​​​自宅を安全な避難所にする!日常の延長で考える防災対策とは?

防災対策への意識も年々高まり、防災グッズの準備や、災害時の自宅避難の需要も高まっています。住まう地域、建物、世帯によって、対策の方法も千差万別。その準備対策で本当に万全なのでしょうか?

防災の観点からみた家づくりのポイントや防災グッズ情報など、防災の専門家に話を伺います。さあ改めて、我が家の防災対策を見直してみませんか?

自宅を安全な避難所にする!日常の延長で考える防災対策とは?

アドバイスいただいたのは

一般社団法人プラスワン防災
代表理事 坂本 真理さん

「ふだんの生活に防災をプラスする。」をテーマに、女性の視点をいかした新しい防災の提案を行う。防災訓練の監修や防災グッズの企画販売、地域防災などにも力を入れている。

これからは「共災」の時代!災害と共に生きていく意識を

地震、津波、火事など、日々、災害が起こる可能性の中、私たちは生活しています。近年、自宅避難の重要性も見直されており、これからは、避難所に逃げ込まなくても、自宅で安全に避難ができる環境をつくる視点が必要です。

「災害は起こらないものではなく、起こるもの。起こった時にどう被害を最小限にできるかという視点が大切です。住まいを考える際にも、防災の観点から家探しを考える必要があります。例えば、地震の揺れで倒壊しやすい家のつくりかどうか、津波の危険性があるエリアかどうか、などです。」

住まう地域によって、自治体の防災対策への意識もさまざまです。災害時にどんな公助が受けられるのか、自治体が出しているマップや冊子などをチェックしておくことも大切です。

防災の観点から考える、家づくり

近年のコロナ禍で、自宅避難防災の重要性が見直されています。今、住んでいる自宅避難を考える時に、何を考えておけばいいのでしょうか?気をつけたいことを、具体的に見ていきましょう。

1. マンションと戸建てで気をつけること

エリアや建物の状態に加えて、住まいがマンションなどの集合住宅なのか、戸建てなのかによっても、気をつける視点が異なります。

マンションの場合

意識しておくべきことは、電気です。停電すると、エレベーターが止まり、マンション玄関がオートロックの場合やカード式キーの場合も、出入りができなくなります。立体駐車場に置いてある車や自転車なども取り出せないので注意です。高層マンションなど、汲み上げ式の水ポンプの場合は水道も止まってしまいます。

戸建ての場合

マンションよりも停電による問題は減ります。ただ、別に注意すべきなのが、泥棒などの防犯です。あまりメディアでは報道されていませんが、被災地では避難所へ移動している隙を狙った犯罪問題が、多々起きています。災害について知ること、日ごろから災害時にどうするか、を意識することが大切です。


2. 家具の配置

背が高い家具には注意

背が高い家具には、突っ張り棒などで家具の転倒を遅らせることで、被害を遅らせることができます。寝室など、ベッドの側には背の低い家具にするなども大切です。地震の際に、倒れてくる、上からものが落ちてくるという状況は避けましょう。

出入口には家具やものを置かない

家具やものが倒れることで動線が遮られてしまい、逃げられなくなる場合もあります。風呂場やトイレなど個室の扉の前でものが倒れてくると、閉じ込められてしまいます。扉の前には家具やものを置かないようにしましょう。出入口が玄関しかない場合、玄関まわりもよく注意する必要があります。

必要なのは、想像力!「もし災害が起きたらこの場所はどうなるか?」を想像することで、おのずと、必要な準備が見えてきそうですね。


日々、これだけは備蓄・準備しておきたいもの

災害が起こると、確保しにくくなる食料と水。自宅で待機しながら復興を待つために、なにを準備しておけばいいのでしょうか?

坂本さんがおすすめする準備物と予備知識をご紹介します。

備蓄しておきたいもの

水は人間が生きる上で必要不可欠なもの。必ず準備しておきましょう。トイレのタンクの中には、一般的に約13リットルの水が蓄えられているのをご存知ですか?2リットルペットボトルに置き換えると、6.5本分。生き延びるために、必要な水源となり得ます。そのためにもタンク内は定期的に掃除してキレイにしておきましょう。

食料

実は冷蔵庫は防災用の備蓄をするのにも都合がいい場所。冷蔵庫の中にあるものは、停電するとどんどん腐っていくので、冷蔵庫→冷凍庫の順番で食していきましょう。腐敗臭を避けることもできます。そのほか防災用の保存食としては、缶詰や乾物などが一般的ですね。最近では、マルチビタミンのグミや野菜ジュースなど、美味しく栄養素を補給できるものもあります。


準備しておきたい防災グッズ

ポータブル電源
電気は今や、水の次に重要なもの。停電の際、スマートフォンが活用できます。難しければ、携帯用のモバイルバッテリーでもいいでしょう。
カセットコンロ
停電の際に重宝します。腐敗しそうな食物を調理して食べられます。キャンプ用の小型のものだと、より持ち運びしやすいですよ。
トイレ
人は一日に平均8回トイレに行くといわれているため、避難が数日に渡るとトイレは切実な問題となります。ビニールの上に猫の砂を敷くだけで、簡易トイレになります。猫の砂は、吸水・防臭効果が高く、場所もとりません。
光る棒、蓄光テープ
暗闇の中でものを見つけやすくなります。光る棒は子どもでも安全に使えておすすめ。蓄光テープは、懐中電灯などの備品に目印として貼っておくと暗闇でも見つけやすくなります。
色付きのレインポンチョ
防寒防水に使えます。レインコートよりレインポンチョのほうが、手が自由に使えるのでおすすめです。色付きだと、トイレなどの時に見せたくない場所を隠せるので使いやすいです。
被災時に声を出し続けるということは体力が奪われ、大変です。棚などに挟まれて動けない、声が出せないなどの状況で、助けを求めることができます。
衣類
防寒に役立ちます。女性は生理用品、小さい子どもにはおむつの用意も忘れずに。旅行用の収納袋や圧縮袋に入れておくと、かさばらずに保管できます。
アナログデータ等
(電話帳、家族写真、現金)
スマホが使えなくなった時の対策として、アナログデータは実は大切!スマホが使えない場合は、電子マネーも使えないので、現金もある程度必要です。被災した時に、家族写真があったことで本人特定ができて助かったという実例もあります。

普段乗っている車にも、備蓄や防災グッズを

車は重要な避難場所にもなります。車の中にも、備蓄や防災グッズを用意しておきましょう。ガソリンを満タンにしておくことも、いざという時の備えになります。災害時には巨大なモバイルバッテリーと化す電気自動車に、防災対策として、変えてしまうのも一つの手かもしれません。


日常の生活に防災を取り入れる

防災を考える時に、坂本さんが大切にしているのは、どれだけ「日常の延長上で考えるか」ということです。

「私が考える防災アイテムの基準は、便利なもの・おしゃれなもの・美味しいものです。いらないものや食べたくない食品を防災用に回すのではなく、自分の好きな食べ物、普段着ている服、おしゃれなキャンプグッズなど、気分が少しでも上がるもので、アイテムの準備をすることをおすすめしています。

災害というワードにネガティブなイメージを持ったまま、防災アイテムを特別に準備するのではなく、普段の生活の一部として定期的に、気軽に見直せるしくみを作っていくことが大切です。

また、家の整理整頓や掃除は、防災の観点からみても重要なこと。災害と共に生きる『with災害』の視点を日常にプラスするだけで、無理なく、無駄なく準備が整えられます。

春と秋などの衣替えとあわせて防災グッズの中身も入れ替えたり、普段食べている缶詰がなくなったら防災用に一つ追加したり、家の中でも一番取り出しやすい場所を防災グッズ用のスペースとして使うのもいいですよね。」

▲ 靴箱の一角に、100円均一のシューズケースを防災グッズ入れとして活用

自宅を避難所にするというのは、自宅を安全に保つということ。それがひいては、暮らしやすさにも繋がっていくのではないでしょうか。自分たちの安全は、自分たちで作っていく時代!災害は特別なものではなく、自分ごととして、リアルな防災の準備をしておきたいですね。


取材協力

一般社団法人プラスワン防災
ふだんの生活に防災をプラスする。

普段の生活から「もしもに備えた対策」をしておくこと、そして「災害時に自ら考えて柔軟に対応出来る力を身につけること」の重要さを伝え、そのためのアイデアや予防方法をセミナーやグッズ販売を通して伝えている。

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