公開日2024.01.24
【新築戸建て】光回線のルーターはどこに置く?2階でもネットを快適に使うには
賃貸マンションと違い、新築の戸建ては光回線のネット接続に必要な機器の置き場所を決めることができるのをご存じですか?
決めることができると言われても、どこに置くとネットが快適に使えるの?と疑問に思う方は多いと思います。今回は、新築住宅のよくあるお悩み「ルーターのおすすめの置き場所」とどこでも快適にネットを利用する方法について解説いたします。
光回線のWi-Fi接続に必要な機器
必要な機器
戸建てで光回線をWi-Fiで接続したい場合は、Wi-FiルーターとONUと呼ばれる機器が必要になります。
・Wi-Fiルーター
無線LANルーターとも呼ばれ、本体からネット接続に必要な電波を発信しているため、この機器があることでWi-Fi接続でネットを利用することができます。
※一般的なWi-Fiルーターには有線で接続できるポートもありますので、LANケーブルを差して有線接続することも可能です。
・ONU
光回線終端装置とも呼ばれ、屋外から家の中に引き込んだ光ファイバーケーブルの信号をデジタルに変換する機能を持ちます。ONUは回線事業者が用意し、Wi-FiルーターとONUは基本的につなげて使います。※今では一体型のものも出ています。
Wi-Fiルーターを置く場所に必要なもの
Wi-Fiルーターを置く場所には、ONUとWi-Fiルーターの機器以外にも、屋外から引き込む光ファイバーケーブルの取り込み口、機器のコンセントも必要になります。
LAN配線を他の部屋にもつなげる場合は差し込み口も必要になります。
できたらこれらの機器は目につかない場所に置きたいもの。ではどこに置くのがよいのか、その場所の決め方についてご説明します。
Wi-Fiルーター置き場所の決め方
- 1|ネットをよく利用する場所に置く
- 2|Wi-Fi電波を阻害する場所は避ける
- 3|棚板がある、棚板が設置できる場所に置く
1|ネットをよく利用する場所に置く
Wi-Fiルーターのおすすめの置き場所は、ネットをよく利用する部屋です。例えば、パソコンをよく使う書斎やワークスペース、パソコンでオンラインゲームをよくする家族の部屋に置くのがベストです。ネットをよく利用する部屋と同じ場所にあるとWi-Fiも繋がりやすく安定します。また、有線接続はWi-Fiよりも回線速度が速く安定しているため、動画や画像などの容量の大きいデータ通信をおこなう場合にLANケーブルをつないで有線接続にすることもできます。
有線接続にしたいがルーターからパソコンに直接つなげるとLANケーブルが邪魔になる場合は、壁の中に配線してパソコンを置く場所近くの壁に下の写真のようなLANケーブルに直接つなげられるLANポートとコンセントが一体になった情報コンセントを設置しておくとよいでしょう。
情報コンセント
新築戸建ての有線LANの配線については以下の記事を参考に。【新築戸建て】有線LANの配線は必要?空配管を準備した方がいい理由
2|Wi-Fi電波を阻害する場所は避ける
Wi-Fiは2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯を用いて無線で通信をおこないます。
家のWi-Fiを2.4GHz帯で利用している場合、同じ周波数の電化製品を使用すると電波干渉を起こしますのでそれらの場所は避けるようにしましょう。
5GHz帯は、屋内ではほぼWi-Fi専用の電波になっているので同じ周波数を発生しても影響は受けません。
2.4GHz帯と5GHz帯の違い
2.4GHz帯 | 5GHz帯 |
周波数が低く、遠方まで電波が届きやすいが同じ周波数の家電の影響を受ける。壁や床などの障害物には強く、2階にも電波が届きやすい。 |
屋内ではほぼWi-Fi専用の電波のため、他の家電が出す電波との干渉がない。壁や床などの障害物には弱い。 |
※一般的な家庭用Wi-Fiルーターは、屋内の壁や扉の素材、枚数が障害となり、電波が吸収されたり、反射されたりしてしまうことで通信が不安定になります。
Wi-Fi電波を阻害するNGな場所
電子レンジ近く
電子レンジはWi-Fiと同じ2.4GHz帯で強力な電磁波を照射して温めます。電子レンジ付近にWi-Fiルーターを置いて2.4GHz帯を利用すると影響を受けてネット接続が途切れたり、不安定になってしまいます。
水槽の近く
Wi-Fiの電波は水分を通過しにくいという特徴があります。水槽や洗面所など水気の多い場所に置くと電波が減衰しやすくなります。
床暖房にも注意
床暖房で利用されることもあるアルミパネル。熱を伝達させるため床材の下に敷き詰められますが、このパネルがWi-Fi電波を干渉することがあります。特に2階を床暖房にする場合には後述する「メッシュWi-Fi」などの対策が必要です。
3|棚板がある、棚板が設置できる場所に置く
Wi-Fi電波はルーターを中心に球体状に飛ぶので床に直接置くと電波が床に吸収され届きにくくなります。元々棚板がある場所や収納棚に置くようにしましょう。新築の設計時に希望する場所の壁に棚板を施工会社に設置してもらうのもおすすめです。
情報ボックスの注意点
情報ボックス 機器収納タイプ イメージ
最近では、Wi-Fiルーターなどの通信機器を一つにまとめられる箱「情報ボックス」があります。機器類とコンセントをまとめて収納でき、壁に固定できるので新築時に設置されている方も多いのですが、イラストのようにカバーがあり、閉じることで目隠しできる機器収納タイプは高速の光回線(10ギガなど)を利用する場合はおすすめできません。高速の光回線は通信時の消費電力が高いため、機器の表面温度が上昇します。その際に熱を放出しにくくなるため、高熱になり過ぎて速度減退や通信の遮断、また機器の故障の原因になってしまいます。高速の光回線で情報ボックスを設置したい場合は、光回線事業者に相談するようにしましょう。
1階でも2階でも快適にネットを利用したいなら「メッシュWi-Fi」
メッシュWi-Fiとは
メッシュWi-Fiとは、2台の機器で網目状(メッシュ)のWi-Fiネットワークを張り巡らせて家のなかのネットワークの死角をなくすための通信機器のことです。2階建ての住宅はWi-Fiルーターだけではどうしても電波が届きにくい部屋が出てきます。その電波が届きにくい場所にこのメッシュWi-Fiを置くことで快適に利用できるエリアを広げることができます。メッシュWi-Fiは2台以上必要で、1台を親機とし、この親機の電波が届きにくい場所に子機を置きます。子機は親機から発せられる電波を受け取り、増幅して電波を発信します。子機が足りない場合は追加することが可能です。
メッシュWi-FiとWi-Fi中継機との違いは以下の記事を参考に。戸建てで使うなら、Wi-Fi中継機?それともメッシュWi-Fi?
メッシュWi-Fiを置くメリット
Wi-Fi電波が届くエリアを広げる以外にも、移動中でも通信が途切れにくい、移動後に設定を変更する必要がないというメリットもあります。メッシュWi-Fiは、機器同士が接続することで利用している端末(パソコン、スマートフォン、タブレット)に一番近い電波を自動で検知して接続してくれる機能があるので、つねに最適な電波につながるようになっています。また、使用している端末にメッシュWi-FiのネットワークID(SSID)を一度設定しておくと移動する度に変更する必要がありません。同時に複数の機器を接続して利用しても安定した通信ができるのも大きなメリットです。
メッシュWi-Fiにもコンセントが必要ですので、新築戸建てで検討される場合は、電気配線計画時にメッシュWi-Fiを置く場所付近の壁にコンセントを用意しておくとよいでしょう。
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筆者
sumica編集部
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