公開日2024.08.30
【新築戸建て】有線LANの配線は必要?空配管を準備した方がいい理由
新築戸建てを購入し着々と準備が進む中、忘れがちなインターネットの配線計画。建てた後に後悔することの一つに「有線LANでも接続できる部屋にしておけばよかった…」と新居の部屋に有線LANの配線がないことがあります。その後悔を回避するために、なぜ有線LANが必要なのか?そのための配管がなぜ必要なのか?について説明していきます。
この記事はこんな方におすすめです。
- ・戸建てを建築予定
- ・有線LANについて知りたい
- ・有線LANを配線するか迷っている
有線LANの配線は必要?
有線LANとは
▲ LANケーブル
有線LANとは、Wi-Fiの電波を使わず、LANケーブル(イーサネットケーブル)と呼ばれるケーブルを使ってパソコンなどの機器をインターネットに繋げることを言います。
戸建ての場合、屋外から引き込んだ光回線をONU(回線終端装置)に繋ぐことでインターネットに接続しています。ONUとルーターをLANケーブルで繋ぐことで、Wi-FiでもLANケーブルでもインターネットに接続できるようになっています。
有線LANとWi-Fi、どちらでもインターネットに接続はできますが、以下のような違いがあります。
有線LANとWi-Fiの違い
有線LANは図のように、LANケーブルを使って物理的にインターネットに接続しているため、通信のロスが少なく、高速通信でやりとりができるというメリットがあります。また、障害物や電波干渉もないため、通信が安定しやすくなります。
Wi-Fiは、ルーターを使うことでLANケーブルを使わなくてもインターネットにアクセスできるようになりますが、電波を使用して通信を行うため、障害物や電波干渉の影響を受けやすく、電波が弱くなったり、速度が遅いというデメリットがあります。
Wi-Fiの障害物や電波干渉については以下の記事を参考に。
新築なのに、Wi-Fiが遅い原因は?戸建てのよくあるネットトラブル
有線LANが向いているシーン
Wi-Fiよりも速度が速いことから、有線LANは、画像や映像、ゲームなど大容量のデータをダウンロードしたい方は向いています。
普段のインターネットの用途が添付データのないメール受信やWebサイトやSNSの閲覧程度など、容量が少ない場合はWi-Fiでもストレスなく行えますが、画像や映像、ゲームなどで大容量のデータをダウンロードしたい場合は、速度が重要になるため、有線LANのほうが快適に行えます。
※接続する機器の性能によって速度に差があります。
また、速度が速く通信も安定しやすいので、リアルタイム性が必要なオンライン学習やリモートワーク、またオンラインゲームや動画視聴にも向いているといえます。
パソコンだけでなく、テレビをインターネットに接続して動画を視聴する場合もWi-Fiより有線LANのほうが快適に視聴することができます。
このような用途でよく利用するという方は、新居の部屋を有線LANでも接続できる環境にしておくことがおすすめです。大容量のデータ通信が必要なら有線LAN、ネットサーフィンならWi-Fi、といった具合に用途によって使い分けができる環境がインターネットを快適に利用するためには必要です。
有線LANが使える環境にするために
新居で有線LANを使用したい場合は、各部屋にLANケーブルを配線しておきましょう。
新築の配線について
新築戸建ての配線では、屋外から光ファイバーを宅内に引き込み、情報ボックス(情報分電盤)などから壁の中や天井を通してLANケーブルを配線します。情報ボックスは、情報を扱うインターネットやテレビ、電話などの複数のケーブルやコンセントを集約して管理するために使用されるボックスです。
情報ボックス 機器収納タイプ イメージ
情報ボックスには上のようなONUやルーターなどのネットワーク機器が格納できるタイプがありますが、高速の光回線(10ギガなど)を利用する場合はルーターの表面温度が上昇した際に熱を放出しにくくなるため、オープンタイプや機器を前置きにできるタイプがおすすめです。
▲ LANポートとコンセント
部屋の壁にはLANポートを設置しておけば、使いたい時にLANケーブルを差し込むと利用できるようになります。パソコンなどの機器はコンセントも必要になりますのであわせて壁につけて置くと便利です。
配線しておかないとケーブルがむき出しに…
LANケーブルを配線していない場合、有線LANを使いたい時にルーターと機器とをLANケーブルを繋ぐことになります。ルーターからの距離が遠いとLANケーブルがむき出しになり、せっかくの新居の見栄えが悪くなってしまいます。配線カバーなどで覆って隠すこともできますが、これから家を建てるならLANケーブルを配線しておくほうがよいでしょう。
今、有線LANが必要でなくても空配管は敷設しておこう
今はWi-Fiだけで有線LANを使っていないという場合でも建築時にあわせてLANケーブル用の空の配管を敷設しておくと、必要になった時にLANケーブルを通すだけの工事で済みます。このような配管は、光ファイバーやTV回線、電話線にも建築時に必要です。
空配管があれば部屋の見栄えも損なわず、未来の子供の成長やライフスタイルの変化などにも柔軟に対応することができます。「有線LANでも接続できる部屋にしておけばよかった…」と後悔しないためにも、準備しておくことがおすすめです。
また、ゲームなど速度を重視する場合は、将来のLANケーブルの性能向上の配線の張替えの際にも容易なので対応がしやすくなります。
※天井内や壁内などで配管を用いず、転がし配線を実施する施工法もあります。
配線時のLANケーブルの規格について
最後に、LANケーブルのカテゴリとその性能についてお伝えします。LANケーブルは通信速度・周波数などの違いにより、「カテゴリ」という規格で分類されています。ケーブルにカテゴリ名が印字されているものと、ケーブルの配線規格名が印字されているものがあり、見分けることができます。カテゴリは数字が大きくなればなるほど通信速度が速く、伝送帯域が広くなります。
カテゴリによる性能の違いは以下のとおりです。
通信規格 | 最大通信速度 | 伝送帯域 |
---|---|---|
CAT5 カテゴリー5 |
100Mbps | 100MHz |
CAT5e カテゴリー5e |
1Gbps | 100MHz |
CAT6 カテゴリー6 |
1Gbps | 250MHz |
CAT6A カテゴリー6A |
10Gbps | 500MHz |
CAT7 カテゴリー7 |
10Gbps | 600MHz |
CAT8 カテゴリー8 |
40Gbps | 2000MHz |
新居で高速のインターネット回線を契約しても古いカテゴリを使っている場合、速度が発揮できない場合があるのでLANケーブルは、インターネット回線の速度にあったものを選びましょう。
また、お使いの機器(ゲーミングPCやゲーム機器)によって発揮できる能力も決まってくるので、機器に合ったカテゴリのケーブルを選ぶことも必要です。例えば、10GB対応のLANポートを搭載したゲーミングPCであればCAT6A以上のケーブルがおすすめです。
LANケーブルのカテゴリについても配線計画時にあわせて確認しておくとよいでしょう。
有線LANの配線は、建築前に施工会社への相談が必要
これから建築予定なら、建築工事とあわせて有線LANの配線工事をすることができます。そのためには建築前に施工会社に有線LANの配線について相談する必要があります。新居のインターネットの環境については施工会社から注意喚を起してくれないこともあります。建築が進んでしまってからでは手遅れになり、追加工事になってしまう場合もありますので、余計な出費を抑えるためにも、建築前に施工会社に相談して新居の配線計画を立てておきましょう。
同時に新居のONUやルーターの置き場所も計画しておくことで、より快適なインターネット環境にすることができます。
【新築戸建て】光回線のルーターはどこに置く?2階でもネットを快適に使うには
入居後、すぐにインターネットが使えるようにするためには
はじめての家づくりはわからないことだらけ。入居後「しまった…!」になりがちなのが、インターネット回線の契約漏れです。新築戸建ての場合、光回線の開通工事は申し込みから宅外の調査と工事、宅内の調査と開通工事のステップが必要です。マンションとは違い、開通まで3~4カ月かかってしまう場合もあります。
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有限会社GoLive
企業や担当者の業務負担軽減を目的とした、ITやネットワーク環境の構築、インターネットサービス・クラウド活用の導入提案と運用を支援。さらに、ビジネスとWEBの専門知識を生かして自社のホームページを運用できる環境の構築と必要なスキル習得も支援している。