おしゃれな家づくり

公開日2025.06.03

フローリングは無垢?それとも複合?床材の違いと後悔しない選び方

家づくりに欠かせないのが床材選び。特にリビングにはフローリングを選ぶ方が圧倒的に多いでしょう。さらにフローリングの中にも無垢と複合フローリングなど種類があり、色や柄などの見た目だけでなく、足に伝わる質感や掃除のしやすさなど気になることはたくさんあります。

今回は、無垢と複合フローリングの違いやそれぞれのメリット・デメリットなど詳しく解説しますので、フローリング選びでお悩みの方はぜひチェックを!

無垢フローリング、複合フローリングとは?

そもそもフローリングとは床材に使われる木質系建材のことです。フローリングは「無垢フローリング」と「複合フローリング」に分けられます。

無垢フローリング

無垢フローリングとは、何も混ぜていない、本物の無垢材を100%使った床材です。木が持つ独特の香りや質感が強く、自然素材そのままなので吸湿性や放湿性があります。つまり、湿気の多い時は湿気を吸って膨張し、乾燥している時は湿気を放出して収縮します。また反りやゆがみなどの動きもあります。

年月を重ねるごとに色が変化したり、今までなかった年輪が浮き出てきたりすることもあり、まさに「生きている素材」です。梅雨時期でもさらっとする足触りで、ほんのり温かみを感じます。また、キズは付きやすいですが樹種によっては固くキズが付きづらいものもあります。

複合フローリング

複合フローリングは、単板を重ねて接着した合板を加工した床材です。合板の上に天然木を貼った「挽き板」「突き板」と、合板に木目のシートを貼った「シート」の3つに分けられます。それぞれの違いと特徴を見ていきましょう。

・「挽き板」と「突き板」

「挽き板」は、合板の上に2mm~4mm程度の天然木を貼ったフローリングです。無垢フローリングほどではありませんが、木の質感が味わえます。見た目も無垢フローリングが挽き板か区別がつかないほどですが、無垢フローリングのように伸縮や反り・ゆがみはあまりありません。

「突き板」は合板の上に0.2mm~1mm程度の薄い天然木を貼ったフローリングです。挽き板ほど天然木の風合いは感じられませんが、それでも本物の木の質感は味わえます。天然木の割合が少ないので、反りやゆがみはなく、安定しています。しかし、表面の木が薄いので、深い傷が付くと合板部分があらわになり、劣化が目立ちます。

・「シート」

合板の上に木目をプリントしたシートを貼ったフローリングです。賃貸住宅や集合住宅などでよく見られ、安価で扱いやすいことが特徴です。以前は少々安っぽい見た目になってしまうことは否めませんでしたが、最近はデザイン性が高くなり、色や柄など選択肢が多くなりました。キズがつくと劣化が目立ちます。

フローリングの色の選び方については、以下の記事で詳しく説明しています。

悩みがちな床の色。後悔しないフローリング選びとドアとの合わせ方

無垢?それとも複合フローリング?メリットやコストを比較

無垢と複合フローリングのメリット・デメリット

フローリングを選ぶために、無垢と複合フローリングのメリットとデメリットを知っておきましょう。

床材

メリット

デメリット

無垢

・天然の木そのものの質感が味わえる
・足触りがいい
・経年変化を楽しめる
・吸湿性・放湿性がある
・耐久性が高い

・キズが付きやすい(
・反りやゆがみがあり、ホコリやゴミが隙間に入る可能性アリ
・水シミができる
・定期的にオイルを塗り直すなどメンテナンスが必要
・床暖房が使えない

挽き板
(複合)

・無垢に近い木の質感が味わえる
・足触りがいい
・水拭きやクリーナーでのお手入れが可能
・床暖房に対応できる

・キズがつきやすい(
・無垢ほどではないが、反りやゆがみがある
・吸湿性・放湿性はあまりない

突き板
(複合)

・挽き板ほどではないが、木の質感が味わえる
・水拭きやクリーナーでのお手入れが可能
・床暖房に対応できる

・キズが付きやすい
・木の風合いは落ちる ・劣化が目立つ

シート
(複合)

・水拭きで済むなどお手入れがラク
・色やデザインなど種類が豊富
・水や汚れが浸透しづらい

・木の風合いは味わえない
・劣化が目立つ
・梅雨時期や夏場はベタベタする

※樹種によってはキズが付きにくいものもあります。

無垢は、木の質感が味わえて足触りが良く、耐久性も高いことがメリットですが、床暖房が使えないというデメリットがあります。

一番コストがかかるフローリングは?

次は気になるコスト面ですが、比較すると圧倒的に無垢フローリングが高価になります。続いて高価なのは挽き板。次いで突き板となり、天然木が使われている量によって価格に差が出ます。一番安価なのはシートです。

  • 無垢フローリング>挽き板>突き板>シート

しかし、無垢材でもスギやヒノキなど樹種によっては安価なものもあります。逆に、チークやウォルナットなどの樹種を選ぶとかなり高額になります。

コストは、初期費用とメンテナンス費用のどちらを抑えるか?

しかし長い目で見た場合、突き板やシートは初期費用は安価ですが、劣化が目立つので張り替えなければいけない時期が来ます。無垢や挽き板の場合は、木の厚みがあるので汚れやキズが付いても削れば元通りに。適切にお手入れをしていると劣化が目立ちません。
コスト面だけを考えると、初期費用を抑えてメンテナンス費用をかけるか、初期費用はかかるけど将来的なメンテナンス費用を抑えるか、という選択になるでしょう。

無垢と複合フローリング、どちらがおすすめ?

暮らす人の性格や年代によって無垢がおすすめか、複合フローリングがおすすめかは変わります。

無垢フローリングがおすすめの方

・自然素材が好きな方
できるだけ自然素材がいいという志向の方は無垢フローリングがおすすめです。木の香りや温もり、そして天然の木から感じるリラックス効果など思う存分味わえます。また、経年変化も楽しめるので、将来まで愛着が続く家になるでしょう。

・シニア世代
シニア世代の方には足腰の負担が少ない、柔らかい樹種の無垢フローリングがおすすめです。スギやヒノキなどの樹種は柔らかく、歩きやすいです。赤ちゃんや小さいお子様にも無垢フローリングは優しいですが、キズや汚れを考えると悩ましいところです。

複合フローリングがおすすめの方

・床のキズや汚れが気になる性格の方
キズや汚れが気になる方は、突き板かシートがおすすめです。複合の中からメンテナンス性がいいものを選びましょう。無垢フローリング、挽き板は水をこぼしただけでシミができますので、汚れが気になってしょうがないタイプの方には向いていません。

・掃除のしやすさを重視する方
掃除のしやすさを重要視する方も無垢フローリングはやめたほうがよいでしょう。夏場はいいですが、冬の乾燥した時期は木材が収縮するため、木材の間に隙間ができます。その隙間は思っている以上で、ホコリがたまってしまいます。ペットを飼っている方ならペットの毛が詰まってしまいます。そのお掃除を苦痛に感じてしまうので、掃除のしやすさ重視の方は複合フローリングを選んだ方がストレスのない暮らしができるでしょう。
掃除がしやすい方がいいけど、天然木の風合いも捨てがたいという方は突き板を選びましょう。

フローリング選びで悩んだら?後悔しない選び方

一度、無垢フローリングを体験してみる

これまで無垢フローリングで生活したことのない方は「キズが付きやすくて、掃除が大変で、コストもかかる無垢をなぜ選ぶの?」と思うかもしれません。そのような方は一度、自然素材にこだわった工務店のモデルハウスなどで無垢フローリングの家を体験してみてください。

筆者は無垢フローリングの家を取材するたびに、感動します。床暖房を入れていないのにほんのり温かみを感じ、優しい足触り、見た目の爽やかさなど、天然の木にしか出せないナチュラル感に包まれてなんとなく心がリラックスします(本当です!)。

この無垢の感覚を知った上で、それでも初期コストを抑えたい、掃除がしやすい方がいい、と判断していくことが、後悔しないフローリング選びにつながると思います。

無垢フローリングを選んだ際の注意点

最後に、無垢フローリングを選んだ方への注意点についてお伝えします。
建築を依頼する際は、無垢フローリングを施工した経験のある工務店にしましょう。無垢フローリングは施工にコツがいるので、経験がない方が施工すると反りやゆがみがひどくなる可能性があります。

また、通常シートフローリングを施工している工務店に無垢フローリングを依頼すると、コストがより高くつく可能性があります。工務店選びにも注意しましょう。

筆者

住宅ライター / プロインタビュアー
大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。

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