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公開日2025.07.10

ぐっすり眠れる寝室とは?質の高い睡眠は寝室づくりから

「質の高い睡眠」を意識したことはありますか?
ぐっすり寝た翌日は、朝から気力にあふれて仕事もはかどります。しかし、寝つきが悪く、夜中に何度も目を覚ました翌日は、朝からなんだか疲れていて、気持ちもどんより、なかなか動けない…。睡眠の質によって次の日のパフォーマンスに差が出てしまいます。

睡眠は生活習慣や寝具などによっても影響されますが、実は、寝室の環境によっても大きく影響されるのです。では、どんな寝室なら「質の高い睡眠」を得られるのでしょうか?
寝室づくりのポイントを紹介します!

日本人の平均睡眠時間は短すぎる!?

日本人は世界に比べてそもそも睡眠時間が短い、という調査報告がありました。

厚生労働省は令和元年の調査結果において、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性 37.5%、女性 40.6%であり、男性の 30~50 歳代、女性の 40~50 歳代では4割以上を占めていたと発表しました。また、令和3年のOECD(経済協力開発機構)の調査報告によると、日本人の平均睡眠時間は調査対象 33 カ国の中で最も短く、全体平均と比べると約1時間もの差がありました。
出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
(https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf)

しかし、睡眠時間をもっと確保したいと思っていても、仕事や子育てなど、さまざまな理由で十分な睡眠時間を取ることが難しい方も多いのではないでしょうか。「もっと寝たいけれど、やることがあるので起きなければならない」というのが本音かもしれません。
そこで、限られた睡眠時間の中でもしっかり回復できるような、「質の高い睡眠」が重要となってきます。

  • ・一日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は男性37.5%、女性40.6% 現役世代に集中
  • ・日本人の平均睡眠時間は世界に比べて1時間ほど短い

睡眠の質に影響する「光」と「温度」について

質の高い睡眠のために寝具にこだわる方が多いと思いますが、睡眠は浴びている「光」と就寝時の「温度」からも影響を受けています。

1.体内時計をリセットする「光」

人は体内にサーカディアンリズムという体内時計があり、睡眠のサイクルや体温・血圧などの調節を担っています。このリズムを正しくリセットするのが「光」です。

まずは朝の光を浴びる

朝、目覚めたら寝室に朝日を呼び込み、たっぷり朝の光を浴びましょう。起床時に朝日の強い光を浴びることで体内時計がリセットされ、睡眠と覚醒のリズムが整います。

夜は強い光を浴びると寝つきが悪くなる

逆に夜は強い光を浴びてはいけません。就寝の2時間ほど前から睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌が始まります。しかし、それ以降に明るい照明の光やパソコンやスマホなどのブルーライトを含む強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制されるため、入眠が妨げられると言われています。つまり、寝つきが悪くなるという事です。また、睡眠中は低い照度の光でも覚醒してしまうことがあり、睡眠の効率が下がると言われています。

2.睡眠時間に影響する「温度」

夏に暑くて寝苦しい…これは誰もが経験しているはず。夏は寝室の室温が上昇していると睡眠時間が短縮し、睡眠効果が低下すると言われています。また冬は、就寝前に過ごす部屋の室温が低いと入眠までの時間が長くなる、つまり寝つきが悪くなると言われています。

夏は涼しい室温をキープ

なかなか寝付けない、汗をかいて何度も起きてしまうという状態を防ぐために、夏の寝室はエアコンなどで涼しい室温をキープすることが重要です。

冬の寒すぎる寝室は危険が潜む

夏に比べて冬は布団に包み込まれ、気持ちよく眠れる方も多いでしょう。しかし、冬の寝室の室温にも注意が必要です。夜中にトイレに行く時や早朝の起床時など、室温が低すぎると布団の中の温かな環境との温度差で血圧が急激に変化し、脳卒中・心筋梗塞の発症につながるおそれがあります。WHOの住環境ガイドラインでは、冬の室温は18度以上をキープすることが望ましい、と推奨しています。

ぐっすり眠れる寝室づくりのポイント

睡眠の質を高めるために、寝室の環境を整えることは非常に重要です。ではどんな寝室なら睡眠の質を高められるのでしょうか? ここからはぐっすり眠れる寝室づくりのポイントをご紹介します!

ポイント1.東向きに窓をつくる

これから家を建てるなら、東向き(太陽の光が入る方角)に窓をつくりましょう。東向きに窓があれば、起床時に朝日をたっぷり浴びることができます。寝起きが悪い方でも気持ちよく目覚めることができるでしょう。
また、まだ起きる時間ではないのに目覚めてしまわないように、遮光カーテンなどで早い時間の朝日は遮るよう調整しましょう。

ポイント2.間接照明や足元に人感センサーライトを採用

照明はオフにして就寝することが望ましいですが、夜中にトイレに行く時に不便という方や、真っ暗が不安な方もいるでしょう。そのためにも、寝室の照明は間接照明や足元に人感センサーライトを採用し、目に入る光の量をできるだけ抑えましょう。これから家を建てるなら、ナイトテーブル付近や足元にコンセントを設置しておくとよいでしょう。

【新築を建てる人必見!】空間別・おすすめコンセント位置8選

ポイント3.断熱性を高める

夏と冬はエアコンを使用して常に快適な温度をキープすることが望ましいですが、電気代が心配という方や、エアコンの風が苦手という方も多いと思います。そのためにも、一度冷えた(温めた)室温をキープしやすくなるように寝室の断熱性能を高めておくとよいでしょう。新築戸建ての断熱性を高めるポイントは、以下の記事で詳しく説明しています。

新築でこだわるなら断熱性!冷暖房効率が高い家の5つのメリットとポイント

アルミサッシの窓の場合は、二重窓にリフォームすることで断熱性を高めることができます。

アルミサッシの断熱は、1窓約1時間でできる『内窓リフォーム』が効果的!

ポイント4.50%程度の「木材」を取り入れる

ぐっすり眠れる秘密は「木」!

寝室の床や壁の素材が睡眠に深く関わっていることがわかりました。このような興味深い調査結果があります。

  • ・働く男女を対象にした睡眠健康調査から、寝室に木材・木質の内装や家具、建具が多いと回答した人は不眠症の疑いが少なく、やすらぎを感じている割合が高いことが明らかになりました。
  • ・寝室の木材・木質材料が、睡眠に有用である可能性が示されました。

出典:(国研)森林研究・整備機構 森林総合研究所

さらに、木質化率約50%の部屋が、最も睡眠効果が良いという調査結果を国土交通省が発表しています。
出典:国土交通省ウェブサイト「第1回安心居住政策研究会(2014年)」配布資料
(https://www.mlit.go.jp/common/001057598.pdf

つまり、木材・木質の内装や家具、建具が多い寝室では不眠症の疑いが少なく、寝室全体の50%の素材を木材にすると睡眠効果が高くなるということです。

これから家を建てる方なら、床や天井などに寝室全体の50%を目標として木材を取り入れましょう。なかなか天井や床を変えられないという方は、ベッドフレームやチェストなどの家具に木材を取り入れるとよいかもしれません。

まとめ

「寝室は寝るだけだから、こだわらなかった。」というのは家を建てた方から良く聞く言葉です。しかし、質の高い睡眠のために、寝室の光や温度、素材などにも注目してみてはいかがでしょうか。特にどうしても睡眠時間が十分に取れないという方は、睡眠の質を高くすることで疲れを残さず、朝から家事も仕事も元気いっぱいでこなせるかもしれません。

筆者

住宅ライター / プロインタビュアー
大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。

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