らしさのある家

2021.7.21

リノベーションの始め方。女性の視点からつくりあげるリノベーションのいろは

​​​​団地リノベーションの新発想。間取りを2倍に広げる「ニコイチ」の住まいづくり

今、人気のリノベーション。戸建・マンションのリノベーションの場合、間取りや素材など、進める上で決めていくことが多くあります。では、リノベーションを検討する際に、どんな点に気をつけたらいいのでしょうか?女性目線での家づくりを提案されている、女子建築設計株式会社さんにお伺いしました。

リノベーションの始め方。女性の視点からつくりあげるリノベーションのいろは

お話を伺ったのは

女子建築設計株式会社
大津美奈子さん

代表取締役 一級建築士

女子建築設計株式会社
井上真帆さん

設計チーフデザイナー 一級建築士

女性の一級建築士とインテリアコーディネーターで構成された設計事務所。自身が家事もする立場で依頼者との丁寧なヒアリングを重ね、実際に暮らす人の立場に立った提案に力を入れている。依頼者と建築家の間に信頼関係があることが、いい家づくりの第一歩なのだそう。

リノベーションのメリットとは?

写真:女子建築設計株式会社 戸建てリノベーション施工事例

思い思いの暮らしが低予算で作りやすい

リノベーションのメリットは、既存の建物が持つ魅力を活かせること。
暮らし方をイメージしながら、間取りを組み立てられるのは、リノベーションならではの醍醐味でもあります。

例えば、戸建ての場合、築50年の趣のある柱や梁を残して当時の風合いを活かすことができたり、“思い出”など形にならないものを残すこともできます。2階建ての場合は、水回りを1階にするか、2階にするかなど、立体的に間取りを考えることも可能。新築よりも予算が抑えられるケースも多くあります。

リノベーションを進める際のポイント

では、実際にリノベーションを進める際にあらかじめ知っておいた方がいいことや、気をつける点は何でしょうか?お二人にアドバイスいただきました。

  • 最初に予算額を決めること。
    予算額を決めることで、ここはこだわって、ここは妥協してもいい、という優先順位がつけやすくなります。
  • 現在のライフスタイルに合わせた間取りをイメージすること。
    理想だけではなく、実用性を踏まえた現実的な間取りを考えましょう。
  • 梁や柱など、構造のために省くできない所がある。
  • マンションの場合は、構造上、水回りや配線などの制約が多い。
  • 木造戸建ての場合は、耐震補強が必要となる(予算の確保)。

また、建築という家のうつわだけではなく、居心地良さや使い勝手、掃除のしやすさなど、「暮らしやすいかどうか」の視点に立ち戻りながら間取りを考えることも大切です。

リノベーションでの家づくりの事例

マンション

女子建築設計株式会社
築23年中古マンション施工事例
こちらのマンションでは、家具や観葉植物が活きるよう床材壁材などセレクトし、一つ一つの色味の相性や素材感を配慮したリノベーションを提案。トータルでバランスの取れた空間にしています。
マンションの場合は、間取りを平面のみで考えられるので、比較的イメージがしやすいことがメリットのひとつ。中古物件は新築物件よりも低価格で、選べる数も豊富です。

キッチンには、サニタリー空間へと繋がるスライド扉を新設。キッチンから洗濯・お風呂への家事動線がよりスムーズになり、家全体に風が通り抜ける心地よい間取りになっています。

一つ一つの色味の相性や素材感にこまかく配慮されています。

洗面とトイレを一つの広々としたサニタリーにすることで動きやすさを確保。

スライドドアを開放すると、リビングと一体化する和室。

戸建て(木造)

女子建築設計株式会社
築43年戸建て施工事例
昭和の古き良き趣を残し、中古の木造住宅を全面リノベーション。構造上省くことができない柱や梁なども多いですが、それ自体を生かした間取りづくりを提案。古い風合いを間取りに取り入れることは、新築の戸建てでは難しく、中古の木造住宅ならではのメリットです。

和の風情を住まいに取り込みたいと、施主自身が探してきた「時代建具」の扉が生かされた、こだわりの洗面台。表と裏とで木目柄が異なる扉の、見せたい側をインテリアに反映できるような設計を施している。こだわりやアイデアを自由に取り込めるので、求める暮らしのイメージも広がりそうです。

2階のキッチンスペースは、梁を見せた吹き抜けにすることで、広々とした空間に。

開け放てば、フレキシブルに使える二間続きの和室。

自然光が降り注ぐ明るい縁側。

外観はあまり変更せず、当時のままの装いを踏襲しています。

すぐにできる、今のおうちを変化させる方法は?

お気に入りの場所を、家の中につくってみる リノベーションとまではいかなくても、まず今のおうちを変化させる方法があるかをお聞きしました。おすすめは「お気に入りの場所を家の中につくること」。トイレを好きなアートで飾ったり、部屋の一角に趣味の棚を設けたりなどです。キッチンの引き出しが片付いている状態が好き、などでももちろんOK。家にお気に入りの場所があると家への愛着に繋がり、暮らしへの意識も少しずつ変わってきますよ。

お二人が考える「これからの住まい」とは

必要なときに、必要な暮らしを 「終の棲家」という言葉がありますが、これからの住まいづくりにおいては、遠い先まで計画しすぎない方がいいと考えています。住まいの定義は年々変化しており、家づくりのハードルも下がっています。見通すのは10年先程度で十分で、必要なものはその都度追加や変更すればいい。一生のうちにいくつ家をつくってもいいのです。家族構成や働き方の変化があったときに、その都度必要な住まいをつくるというフットワークの軽さも大切かもしれません。

最後に

リノベーションのいろはについてご紹介しましたが、大切なことは、「予算」と「実用性」。日々の生活を具体的にイメージしながら、暮らしやすさを実現できる間取りを、予算内で整えていくことが必要です。これからは暮らしは選ぶのではなく、自分の手でつくっていける時代。それぞれに最適な暮らしを描いてつくってみませんか?

取材協力

女子建築設計株式会社
イメージする暮らしを、丁寧に実現する

設計、インテリア、間取りなど、細部に渡って女性の視点を生かすことで、年月を重ねるごとに、愛着がわき、住み心地の良さを実感できる「錆びない住まい」を提案しています。事務所ビルは1階は共有キッチン、2階は事務所という個性的なつくり。オープンキッチンを囲みながら、打ち解けた雰囲気で家づくりの相談ができます。

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