インテリア

公開日2024.03.15

リラックスしたい?元気になりたい?色の心理効果と上手な取り入れ方

ネガティブなニュースも多い昨今、不安な気持ちでいっぱいになってしまう時もありますよね。そんな時、「色」のパワーを借りてみませんか?
光であり電磁波でもある色は、心や体、無意識にも働きかける不思議なパワーがあります。お部屋のインテリアに上手に色を取り入れて、心も体もハッピーな毎日を過ごしましょう!

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

色が与える効果や影響

色が心や体に与える影響は想像以上に大きく、病院や企業の販売戦略などでも活用されています。主にどんな影響があるのか、みてみましょう。

1.心(感情)に影響を与える
色と感情は結びつきやすいため、色には感情を変える効果があります。
分かりやすい例をあげると、赤・オレンジ・黄色などの暖色と言われる色は、行動的で外向きの感情をもちやすくなり、逆に、青・青緑・青紫などの寒色といわれる色は、冷静で内向きの感情をもちやすくなります。また、色は潜在意識の深いところに働きかけるため、落ち込んだ心を取り戻したり、元気を出すための癒しのツールとして使うこともできます。

2.体に影響を与える
私たちは、皮膚でも色を感知しています。体が色に対して引き起こされる筋肉の緊張度を数値化した、「ライト・トーナス値」というものがあります。両目を隠した状態で体に色の光を当て、筋肉の緊張度を測ったものですが、ライト・トーナスが一番低い(リラックス効果のある)色が、ベージュやパステルカラー、次に青、そして緑です。逆にライト・トーナス値が一番高い(緊張が大きい)色が、赤、次にオレンジ、そして黄色となります。

3.感覚に影響を与える
色には、以下の感覚などにも影響します。

温度感覚:暖色系の色を見ると暖かさを、寒色系は涼しさを感じる。
重量感覚:色と重さの実験では、白の重さを1とすると、黄色は約1.1倍、黄緑は1.3倍、水色は1.5倍、黒は1.8倍も重く感じた。
時間感覚:暖色系の内装では時間を長く感じる傾向があり、寒色系の内装では、時間を短く感じる傾向がある。
味覚:暖色系には食べ物を美味しそうに見せ、食欲を増進させる効果があり、寒色系は食欲を減退させる。

なりたい気分で色を選ぼう

色は人の感情に影響を与えます。ファッションや食べ物でも色を取り入れることはできますが、毎日目にするインテリアで取り入れると、効果も高くなります。
日常で使いやすい色の例を紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。

1.リラックスしたい!

ベージュ、グリーンのような自然で落ち着いた色。グリーンには、脳に蓄積された疲労や細胞を修復する効果があります。
アメリカの病院では傷の回復に緑の照明が使われ、緑の電磁波を投射すると通常の約3倍早く傷口がふさがるといわれています。また、パステルカラーもリラックスできるといわれています。

2.元気になりたい!

元気になりたい時に力を与えてくれるのが、ビタミンカラーと呼ばれるイエローやオレンジ系の色です。イエローは、幸福ホルモンのエンドルフィンを活性化し、悲しみや辛さを和らげてくれます。またオレンジは、食欲を増進させてくれます。さらに行動力をプラスしたい時は、赤系の色をプラスしても〇。

3.若返りたい!

女性ホルモンであるエストロゲンは加齢と共に減少しますが、このホルモンを活性化してくれるのが、ピンク系の色。幸福感を与え、ストレスや不安をやわらげる効果もあります。やさしい気持ちになりたい時にもおすすめです。


*画像の色は、絶対これ!という訳ではなく、「こんな感じの色」というざっくりとしたイメージでとらえてください。

インテリアに上手に取り入れる方法

ご紹介したような色を取り入れるおすすめの方法は、「インテリア小物」で取り入れることです。費用をかけず、その時の気分によって手軽に変えることができますよ。

以下のような小物に取り上げるとよいでしょう。

1:クッションカバーで色を取り入れる

インテリアのイメージチェンジの効果が大きいのは、やはりクッションカバーです。
好きな色、今見たい色、欲しいエネルギーの色を取り入れてみてはいかが?
組み合わせを考えるのが難しい時は、ベーシックカラー1個+好きな色1個をアクセントカラーとして組み合わせるといいですよ。

2:鉢カバーで色を取り入れる

観葉植物を入れる鉢カバーで色を取り入れるのもおすすめです。
私が個人的に気に入っているのは、キッチンカウンター上に小さめの観葉植物を並べること。慌ただしい時間も癒されますし、水やりもすぐにできます。マグカップや料理の器を鉢カバー代わりにしてもいいですね。

初めての観葉植物。おしゃれに見せるなら、高さのある植物と鉢カバーがポイント!

3:ポスターで色を取り入れる

壁面に色を取り入れるのもおすすめです。
「アート」というと敷居が高くなるかもしれませんが、ポスターであればお値段的にも比較的取り入れやすくなります。フレームとの組み合わせでイメージも変わりますので、フレームにもこだわってみましょう。ポスターは勇気がいるな…という方は、ポストカードで取り入れてみてもいいですね。

ちなみに私が使っている写真のMOEBE(ムーべ)のフレームは、背面が透明になっているタイプでポスターを大きく見せることができます。

最後に

色を扱う画家は長生きする人が多いということから、色は人を長寿にする薬になるかもしれない、と色彩心理の世界で言われています。
基本的には、自分が好きだと感じる色が一番癒されたり気分も上がりますが、今回の内容をちょっと意識して、サプリ感覚で色を取り入れることも楽しんでみてくださいね。

アドバイザー

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

個人邸やモデルルームのコーディネート、店舗の装飾&ディスプレイなど空間づくりに関わるあらゆる分野で活動中。

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