インテリア

2024.04.19

【縦長・横長LDK別】おしゃれで快適に過ごせる、ダイニングのレイアウト

ダイニングテーブルやソファなど、新しく家具を買おうと思った時、いきなり家具を探しはじめていませんか? ダイニングリビングに置く家具を買ってから、「しまった…」とならないためには、「どこに、どのように置くか」家具レイアウトを事前に考えることがとても大切になります。
1日の大半の時間を過ごすリビングとダイニング。最適なレイアウトの決め方について、2回に分けてお伝えしたいと思います。今回は、ダイニングです。

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

おしゃれなLDKを叶えるためには、レイアウトを考えよう

レイアウトを考えるメリット

家具を購入する際や、今のレイアウトを変更したい際は、レイアウトを考えましょう。事前に考えておくことでは以下のようなメリットがあります。

レイアウトを考えるメリット
  • ・必要な家具とそのサイズがわかるので家具での失敗が少ない
  • ・生活する上でのストレスがなく、快適に過ごせる
  • ・スッキリした、おしゃれな空間に見せることができる

特に新築の場合は、リビングダイニングに置く家具のレイアウトが決まることで、照明やコンセントの位置を決めることができるのでメリットは大きくなります。ダイニングにペンダントを吊り下げる場合、デスクを設置する場合、ソファやセンターテーブルの位置や収納の位置によって、欲しい照明やコンセントの位置が変わります。

LDKのレイアウトは、ダイニングテーブルをどう置くかから

間取りにもよりますが、リビングダイニングのレイアウトはまず、ダイニングから考えると決めやすくなります。ダイニングのレイアウトは「ダイニングテーブルをどう置くか」がすべてと言っても過言ではありません。ダイニングテーブルは単身であってもファミリーであっても必要なもの。その配置を考えることで、ソファをどうするかなど、リビングに置くものや他の家具のレイアウトが決めやすくなります。

快適なダイニングにするために確認すべき3つのこと

1:ダイニングテーブルの大きさ

基本は家族の人数です。これから購入される方はまず、何人座れるテーブルが欲しいのか、今の現状と同時に、将来のことや希望も合わせて考えてみてください。来客にも対応したい場合は、エクステンションテーブルなどを検討しても〇。
また、資料やモノを広げて作業をしたい場合は、大きめのダイニングテーブルにするという選択肢もあります。これからダイニングテーブルを買う方は、下記の記事を参考に。

インテリアのプロが教える、長く使えるダイニングテーブルの選び方


2:動線を確保できているか

動線が確保されていないと、生活する上で日々ストレスを感じたり、部屋が狭く見えてしまうこともあります。以下の寸法を参考に、動線を確保しましょう。

ダイニングに必要な寸法
  • ・人ひとりが通るのに必要な寸法は、幅60cm前後。
  • ・横向きですり抜けるのに必要な寸法は、幅40cm前後。
  • ・椅子を引いて腰掛けるのに必要な寸法は、80cm以上。
    (座った状態で後ろに人が通る場合は、100cm以上)

動線については下記の記事を参考に。

リビングダイニングでの家具の配置に悩んだら。知っておきたいレイアウトの基本


3:必要な収納家具やその他の家具

ダイニングに置く家具は、ダイニングテーブル&チェアだけではなく、他の家具も必要になることがあります。後々、家の書類や細々としたものの収納が必要になり家具を買い足すケースが多いですが、リビングダイニングは雑然となりがちなので、スッキリ暮らすために収納もあわせて検討することをおすすめします。
カラーボックス的なもので間に合わせるのではなく、インテリアに合わせたものをセレクトすることがおしゃれに見せるためのポイントです。

●キッチンカウンター下収納についての注意点

収納を少しでも補うため、キッチンカウンター下収納の要望をよく聞きますが、収納を作るとその分のスペースが必要になります。開き扉がついている場合、さらに扉分のスペースが必要です。扉のないオープンタイプは雑然としやすく、庶民的な印象になりがちです。飾ることが苦手な方は、インテリアに合ったキャビネットを置くことをおすすめします。

●子供の宿題スペース、大人用のワークスペースの家具

低学年のお子様はリビングダイニングで宿題することが多く、ダイニングテーブルで宿題をすると片付かなくて困る…というお悩みもよく聞きます。「置けないだろうし…」と最初から諦めるのではなく、希望を叶えられるものや配置をまず考えましょう。

収納やその他必要な家具は長い目で見て、変化にも対応できるものを選ぶのがおすすめです。

【縦長・横長LDK別】ダイニングのレイアウトパターン

縦長LDKと横長LDKの違い

縦長LDKとは、キッチンの前がダイニング、その奥にリビングが続いている間取り。 横長LDKとは、キッチンの前がダイニング、その横にリビングが続いている間取り です。



レイアウトは、お部屋の形状、キッチン・窓・隣接する部屋の位置などの間取りによって変わりますが、一般的な縦長と横長LDKの間取り(対面キッチン)のダイニングのレイアウトパターンとそのポイントをご紹介します。

【縦長LDK】ダイニングのレイアウト

1:テーブルをキッチンと垂直に置く

キッチンに対してダイニングテーブルを垂直に置くレイアウトは、定番のパターンと言えるかもしれません。料理をキッチンから座っている人に渡しやすい、配膳がしやすいレイアウトです。

このレイアウトは、テーブルとリビングに置く家具との間に動線が確保できているかをチェックしましょう。
テーブルの幅が大きすぎて動線が確保できない場合は、キッチンカウンター下にテーブルを潜り込ませてレイアウトする方法もあります。

2:テーブルをキッチンと平行に置く

平行にダイニングテーブルを置く場合は、キッチンカウンターと椅子を引いた時の動線を確保できる位置にレイアウトします。動線が確保できる場合は、カウンター下に収納もつけることもできます。

このレイアウトにして壁側に余裕がある場合は、キャビネットなどの収納を置くことができます。

3:壁付けにする、壁側にベンチを置く

2の「キッチンと平行」のレイアウトのままテーブルを壁付けにするパターンもありますが、チェアをベンチタイプにして壁付けすることもできます。 ベンチにすると椅子を引く分のスペースが節約できますので、狭いお部屋の場合も有効です。ダイニングスペースに余裕が生まれ、LDKを広く使うことができるというメリットがあります。


【横長LDK】ダイニングのレイアウト

1:テーブルをキッチンと垂直に置く

横長LDKで垂直に置く場合は、テーブルの短手側と窓や壁の間の動線が確保できているかがポイントです。これからダイニングテーブルを購入する方は、その動線を確保した上でテーブルの「幅」を決めましょう。
横長LDKの場合、ダイニング側の壁面にスペースがあることが多いです。ここに何かしら置くことにより、殺風景なお部屋になることを避けられます。

壁の端から端まで、キャビネットやデスク、またはその組み合わせを置いてもいいですね。
何も家具を置かない場合は、背が高めのグリーンを置いたり、壁面にアートなどを飾ってインテリアのポイントにすることもできます。

2:テーブルをキッチンと並行に置く

このレイアウトは、縦長LDKと同じく椅子を引くことができる動線が必要ですので、その動線が確保できるダイニングテーブルの「奥行き」を見極めましょう。

椅子を引いて座ることができる寸法は80㎝以上。椅子の大きさにもよりますので、実際にスケールで測って必要な寸法を確認すれば間違いありません。

3:壁付け、壁にキャビネットを置いてつける

テーブルをキッチンと平行にして壁付けにするレイアウトもいいですが、空間に余裕がある場合は、テーブルと同じ高さのキャビネットを作って壁側に置き、テーブルをくっつけることもできます。物の出し入れがしやすいよう、オープンタイプにするのも一つの方法。

キャビネットをダイニングテーブルと同じ高さにすることでスッキリした空間に見せることができます。

LDKが狭い間取りのレイアウト

リビングダイニングのスペースにダイニングテーブルとソファの両方を置くと狭くなってしまう間取りの場合は、ソファを兼ねたダイニングソファにする方法もあります。このレイアウトにしてお部屋にゆとりができたら、パーソナルソファをプラスしてくつろぎ空間を作るのもいいですね。

ダイニングに腰窓がある場合

ダイニングに腰窓がある場合、窓際にテーブルを置いてみてはいかがですか?
外を眺めながらホッと一息、暮らしの中の楽しみが増えそうです。掃き出し窓であっても、出入りがないのであればテーブルを窓際に寄せてもいいですね。

円形ダイニングテーブルを置きたい場合は?

「角がない」円形は、長方形に比べて空間に柔らかで和やかな雰囲気、遊び心、空間にアクセントなどをもたらし、とても魅力的。小さな子供が角で頭をぶつける心配もなくなりますね。しかし、円形テーブルには以下のようなデメリットもあります。

円形テーブルのデメリット

長方形のテーブルに比べ、4人掛けの丸テーブルは放射状に動線を確保する必要があり、スペースを取ります。また角がない分、テーブル上のスペースも減るというデメリットがあります。

長方形のテーブルよりも、楽しげなカフェっぽい雰囲気にできたり、座る位置を柔軟に変えることができるので来客にも対応しやすいのが丸テーブルのメリットです。動線を確保できれば、円形テーブルも諦める必要はありません。

円形テーブルにしたいけど、スペースがない場合

円形ダイニングテーブルにしたいけど、スペースがないという場合、一部が直線になった変形テーブルはいかが?この変形タイプは、壁付けにすることもできると同時に、曲線の柔らかさを感じることもできる、いいとこ取りしたテーブルともいえます。
「変形テーブル」で探して見ると、いろいろな形がありますよ。

時にはレイアウトを変えてみるのもおすすめ!

今回は縦長と横長2つの間取りでのダイニングのレイアウトパターンをご紹介しましたが、他にも色々なパターンが考えられます。特に大きな家具は、配置によってお部屋の見え方がガラっと変わります。 レイアウトの正解は一つではありません。
時にはレイアウトを変えて、暮らしを楽しんでくださいね。

次は、リビングのレイアウトをご紹介します。

アドバイザー

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

個人邸やモデルルームのコーディネート、店舗の装飾&ディスプレイなど空間づくりに関わるあらゆる分野で活動中。

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