失敗しないマイホーム

公開日2025.01.17

こだわり派ならどっちが正解?注文住宅or中古物件リノベーション

オーソドックスな一軒家じゃなくて、おしゃれで自分らしいこだわりを反映した家で暮らしたいという方に選ばれるのは、「注文住宅で家を建築する」か「中古物件をリノベーションする」方法。もちろん、ピカピカの新築じゃなきゃいやという方は注文住宅を選びますし、古き良きものを取り入れたいと考えている方は中古物件をリノベーションという方法を選択します。
しかし、ぶっちゃけどっちがいいの?と悩まれている方も多いでしょう。そこで、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、どちらの方法で家づくりをするのがあなたにとって正解なのかを比較検討してみましょう!

立地・価格・性能・スタイルの4つの観点から徹底比較!

「注文住宅」と「中古物件リノベーション」の違い

そもそも注文住宅とリノベーションとはどのような違いがあるのでしょうか?

注文住宅

完全なるオーダーメイドの住宅。更地の状態から始めるので、間取りも外観も使う構造材の木の種類まで自由に選ぶことができます。

中古物件リノベーション

リノベーションとは家の構造を残しつつ、間取りや設備などを変えて中古物件の価値や性能を上げる方法です。そのまま使える箇所もあれば、修繕しないといけない箇所もあり、既存住宅(中古物件)のポテンシャルによってできること・できないことは変わります。

【1】立地にこだわるなら、どっちがいい?

注文住宅は人気エリアの土地取得が難しい

郊外で土地がたくさんあるようなエリアなら、南向きで陽当たりがよく正方形の敷地という注文住宅を建てるベストな土地を得ることはそれほど難しいことではありません。ですが、駅近で学校も近く、スーパーなどもそろっているような人気のエリアでは、更地ですぐに建築できるような注文住宅の土地を得ることは相当ハードルが高いです。しかも、土地価格が高いので広さを求めるなら相当な予算が必要です。場合によっては古家付きの土地を購入し、古家を解体して家を建てるという方法しかないので、解体費用も重なります。

その点、中古物件なら人気のエリアでも比較的容易に見つけることができます。この校区内がいいなどピンポイントで立地にこだわる方なら、中古物件の方がおすすめです。

POINT

駅近など人気のエリアに住みたいなら中古物件に軍配があがります。
郊外や地方に住みたいなら注文住宅に適した土地が見つかりやすいです。

【2】価格にこだわるなら、どっちがいい?

初期費用を抑えられるのはリノベーション

注文住宅はなんでも好きなものを選べるというメリットがある反面、上限なく建築費用がかさむという見方もあります。予算を超えないように配慮するあまり、憧れのアイランドキッチンをあきらめた、造作家具をあきらめて既製品の家具を買った、などという残念な声もよく聞きます。

中古物件のリノベーションも同様ですが、1階だけこだわって2階は数年後にリノベーションするなど段階的に工事ができる点が大きな違い。全体的にグレードを下げるより、日常的によく使うキッチンやリビングまわりに予算を集中させることで初期費用を抑え、満足度も高まります。ただ、中古物件は構造内の柱が腐っていた、基礎が傾いていたなど予期せぬ工事をしなければいけない場合もあり、思わぬ予算が必要になる時もあるので注意が必要です。

POINT

・満足する注文住宅を建てたいなら、ギリギリの予算ではむずかしいかも…
・リノベーションは段階的に工事ができるので初期費用が抑えられます。ただ、構造の予期せぬ工事もあるので要注意!

【3】耐震性や断熱性など性能にこだわるなら、
どっちがいい?

グレードを高くしたいなら注文住宅

耐震性の基準は2000年6月から変わっていません。もちろん、新築である注文住宅の方が安心ですが、中古物件でも2000年6月以降の新耐震基準を満たす物件であれば、さほど変わりはありません。しかし、より厳しい基準で最高レベルの耐震性を確保したいという方は注文住宅をおすすめします。
また、断熱性に関しては新築である注文住宅の方が圧倒的に高性能です。断熱材や窓サッシの性能は飛躍的に向上していますし、現在は脱炭素社会の観点から省エネルギー基準がとても高くなり、2025年から新築住宅に対して省エネ基準適合となる断熱等性能等級4以上の家を建築することが義務化されます。なんと、この省エネ基準適合は増改築リノベーション工事の場合も義務化されます。これからリノベーションする方は断熱工事抜きでは難しいでしょう。

POINT

・耐震性、断熱性ともに最高レベルを求めるならば注文住宅がベスト
・耐震性に関しては新耐震基準を満たす2000年6月以降建築の中古物件がねらい目

【4】間取りやデザインなどスタイルに
こだわるなら、どっちがいい?

中古物件は建物の構造上できないことも

イチから造り上げる注文住宅は思いっきり間取りもデザインもこだわることができます。むしろ、あまりにも選ぶことが多すぎて疲れてしまう方も少なくありません。
リノベーションに関しても内装のデザインは注文住宅と同じようにこだわることができます。しかし、洋風の三角屋根の外観からキューブ型の外観にするというような外観のテイストを変更するのは、不可能ではないですが、ものすごく予算がかかります。また、リノベーションは構造上の問題で抜けない柱があったり、取り壊せない壁があったりするので、思い描いている間取りにできない場合もありますので要注意です。

POINT

・すべて自分の思うままの家を建てたいと思うなら、注文住宅がベスト
・リノベーションの場合、どうしてもやりたい事があるなら中古物件選びの際にプランナーや設計士などの専門家に相談しましょう

まとめ

立地・価格・性能・スタイル4つの観点から比較すると以下のようになります。

 

注文住宅

中古物件リノベーション

立地

人気エリアは難しい
郊外や地方は得やすい

人気のエリアでも比較的容易

価格

満足する家を建てるには予算に
余裕が必要

初期費用が抑えやすいが、
思わぬ工事が必要になることも

性能

高レベルの耐震、断熱性が確保できる

断熱性は注文住宅より劣る
2025年から基準を満たす断熱工事が必ず必要に

スタイル

自由が利くが費用はかさむ

構造上できないこともある

自分らしい、ライフスタイルにあったこだわりのある家を造ることは、注文住宅であってもリノベーションであってもできると思います。あとはゆずれない条件です。
立地なのか、それとも価格なのか、はたまた性能面なのか。注文住宅かリノベーションかでお悩みの方は、立地を優先するなら中古物件を買ってリノベーション、最高レベルの耐震性や断熱性で安心・安全を求めるなら注文住宅、というように条件に優先順位をつけるとどちらにするか決めやすくなると思います。
誰かが考えた家に住むのではなく、自分が考えた家に住むことができるのが注文住宅・リノベーションの醍醐味です。ゆずれない条件を明確にして、自分が住みたいと思う理想の家を実現させましょう。

新築入居後「しまった…!」にならないために

はじめての家づくりはわからないことだらけ。その中でもわからないままつい後回しにして入居後「しまった…!」になりがちなのが、すぐにネットが使えない、テレビが見られないなどの通信環境の計画漏れです。このような事態を避けるためには「建築前からの計画」が大切です。

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筆者

著者

住宅ライター/プロインタビュアー 大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。

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