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公開日2026.02.10

外壁材を選ぶ重要なポイントは?耐久性と費用を専門家が解説!

カメヤグローバル株式会社 モデルハウス

デザイン、予算ともに家づくりの大きな割合を占める外壁。外壁は色だけでなく、外壁材も慎重に選びたいところです。というのも、とにかくコストを抑えたいからと安易に選ぶと、後々の出費が重なってしまうことも。そこで今回は、主な外壁のメリット・デメリットを掘り下げ、建築の専門家による外壁選びの重要なポイントを解説していきます。

住宅ライター / プロインタビュアー

大内 夏実

外壁に使われる壁材の主な種類

まず、住宅の外壁の仕上げに使用される外壁材を5つ紹介しましょう。

1|サイディング(窯業系)

サイディングとは、パネル形状の材料を貼り合わせて仕上げる外壁材のこと。窯業系・金属系・樹脂系・木質系に分類され、窯業系は、セメントと繊維質が主原料です。

2|ガルバリウム鋼板

金属系サイディングのひとつ。アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%の合金でめっきされた鋼板です。

3|塗り壁

モルタルや漆喰、ドイツ発の塗り壁材Sto(シュトー)など様々な塗り壁材があり、左官職人が手塗りで施します。

4|タイル

石や粘土など天然素材を高温で焼き固め、壁材用に薄く加工した外壁材。

5|木材

無垢材そのもの、または無垢材を加工したものを使用した外壁。木質系サイディングに分類。

このうち、日本の住宅の約8割を占めるのが「サイディング(窯業系)」です。シェア率が高い理由はもちろん価格などのメリットがあるからですが、あまり選ばれていない外壁材がメリットがないのかというと、そうではありません。では、5つの外壁材のそれぞれのメリット・デメリットについて深堀りしてみましょう。

5つの外壁材の外観、メリット・デメリットを深堀り

1|窯業系サイディング

▲ 窯業系サイディングを使用した外観(カメヤグローバル株式会社 施工例)

窯業系サイディングが圧倒的シェア率を占める理由は、何と言っても価格です。他の外壁材に比べて低予算で施工できるところが最大のメリットになります。その他のメリットとして、施工がしやすく職人を選ばないので、工期が短くて済みます。デザインや柄も豊富で、タイル調、木材調、モルタル調などもあります。ひと昔前まではフェイク感が強かったですが、最近は本物と間違えるほどです。
もちろん、デメリットもあります。それはメンテナンス費用がかさむこと。

窯業系サイディングは、パネル形状の材料を貼り合わせるため、つなぎ目ができます。そのつなぎ目と隙間に、防水性・気密性を高めるためにシリコンなどで埋める「シーリング(コーキング)」を施すタイプを選んだ場合、その寿命は10年から15年程度と言われています。また、15年程で外壁全体を塗り直しも必要になるため、メンテナンス費がかかります。

窯業系サイディングの中にも、太陽光で汚れを分解して雨水で洗い流すセルフクリーニングで30年程度塗り直しが不要なケイミューの「光セラ」など、高耐久な壁材もあります。シーリング材も同じケイミューの「スーパーKMEWシール40」など40年程度耐久性のあるものもあり、つなぎ目に対してはシーリングすら不要なニチハの「四方合いじゃくり」もあります。これらの高耐久なものを選ぶことで初期費用は高くなりますが、長期的なメンテナンスコストはかなり低減できます。

メリット

  • 価格が安い 施工しやすい デザインが豊富

デメリット

  • メンテナンス費用がかさむ

2|ガルバリウム鋼板

▲ ガルバリウム鋼板を使用した外観(カメヤグローバル株式会社 施工例)

金属系サイディングのひとつであるガルバリウム鋼板。スタイリッシュなデザインが特徴で、シャープでカッコいいデザインに仕上がることで人気の外壁材です。ガルバリウム鋼板のメリットは、軽量のため地震に強いこと。さらに耐久性が高く、長寿命でメンテナンス費用がかからないことも魅力です。
デメリットはへこみやすいこと。台風などでモノが飛んできてぶつかるとすぐへこみます。

メリット

  • 地震に強い 耐久性が高い スタイリッシュなデザイン性

デメリット

  • へこみやすい

3|塗り壁

▲ Stoの塗り壁材を使用した外観(カメヤグローバル株式会社 施工例)

塗り壁といってもモルタルや漆喰、ひび割れしにくいSto(シュトー)など様々な塗り壁材があり、それぞれ特徴があるため一概には言えない部分もありますが、総じて言えるメリットは優しく風合いがあるデザインに仕上がること。また、つなぎ目がないのでサイディングに見られるようにコーキングの劣化などはありません。
だからと言ってメンテナンスフリーかというとそうではなく、非常にひび割れしやすい性質を持っています。地震などでもひび割れてしまうので、適宜手入れや塗り直しが必要になります。左官職人が手塗りで施し、乾燥にも時間を要するのでコストが高くなるのもデメリット。しかし、手塗りの風合いで温かみのある表情を醸し出すため人気がある外壁です。

メリット

  • つなぎ目がない、風合いがある、唯一無二の表情を見せる

デメリット

  • 工期が長い、選ぶ塗り壁材によっては色あせ、ひび割れがしやすい、メンテナンス必須

4|タイル

▲ タイルを使用した外観(カメヤグローバル株式会社 施工例)

タイルのメリットは何と言ってもその耐久性。劣化や色あせなどの心配がほとんどなく汚れも落ちやすいので、メンテナンスはほぼフリーと言ってもいいでしょう。レンガ調タイルなどデザインが豊富で高級感のある仕上がりになりますので、その点もメリットです。
デメリットとしてはやはり施工費が高いこと。他の外壁材と比べると初期費用が高くなりますが、メンテナンス費用が抑えられるので長期的に見るとそこまで割高感はありません。

メリット

  • 耐久性が高い、メンテナンスがほぼ不要、高級感がある

デメリット

  • 初期費用が高い

5|木材

▲ 防火認定されたウイルウォールを使用した外観(カメヤグローバル株式会社 施工例)

天然素材ならではの温かみやナチュラル感が高い木材の外壁。木質系サイディングに分類されますが、木材ひとつひとつの表情が異なるので、オリジナリティあふれるデザインに仕上がります。デザイン以外のメリットとしては、断熱性や調湿性が高いため、日本の気候風土にあった外壁材と言えるでしょう。しかし、防蟻や耐火の対策は必須です。また、風雨による劣化も見られますのでメンテナンスは必須ですが、他の壁材と比べるとメンテナンスしやすいのも特徴です。

メリット

  • 断熱性や調湿性が高い、天然素材、ナチュラル感、メンテナンスしやすい

デメリット

  • 防蟻・防火対策が必要、メンテナンス必須
外壁のメリット・デメリット比較

それぞれの壁材のメリットとデメリットを表にすると以下になります。

外壁材

メリット

デメリット

窯業系サイディング

・価格が安い

・施工しやすい

・デザインが豊富

・メンテナンス必須

・メンテナンス費用がかさむ

ガルバリウム鋼板

・地震に強い

・耐久性が高い

・スタイリッシュなデザイン性

・へこみやすい

塗り壁

・つなぎ目がない

・風合いがある

・唯一無二の表情を見せる

・工期が長い

・選ぶ塗り壁材によっては色あせ、ひび割れがしやすい

タイル

・耐久性が高い

・メンテナンスほぼ不要

・高級感がある

・初期費用が高い

木材

・断熱性や調湿性が高い 

・天然素材

・ナチュラル感

・メンテナンスしやすい

・防蟻・防火対策が必要

・メンテナンス必須

建築の専門家が外壁材選びのポイントを解説!

様々な外壁材があり、それぞれにメリット・デメリットがあるので悩んでしまう…という方も多いでしょう。そこで、建築の専門家に外壁材選びのポイントについて聞いてみました。お話を伺ったのはカメヤグローバル株式会社の営業本部長・尻家稔也さん。この道30年以上、たくさんの家の建築に携わってきた尻家さんから外壁選びについて的確なアドバイスをいただきました。

外壁選びで重要なポイント

──様々な外壁材がありますが、外壁材を選ぶ際のポイントを教えてください。

尻家さん「色や柄などのデザイン、価格など選ぶ基準は様々ですが、“メンテナンス性”を軸に考えてみるのがポイントだと思います。」

──なぜメンテナンスが重要なのですか?

尻家さん「例えば初期費用を抑えられるからという理由で外壁材を選んだ場合、10数年後にはシーリング(コーキング)や塗り直しなどで100万単位のメンテナンス費用が必要になります。それが20年後や30年後に再び必要になる。そう考えると少しでもメンテナンス費用がかからない外壁材の方が将来的にも安心ですよね。」

──メンテナンスを放っておくとどうなりますか?

尻家さん「確かに、メンテナンスを先延ばしにする方は多く見られます。ですが、シーリング(コーキング)の劣化を放っておくと、外壁が割れてしまう可能性があります。そうなると雨漏りや構造材の腐食など壁の内側に影響があり、家自体を腐らせてしまう恐れもあります。弊社のお客様でもシーリング(コーキング)がなくなるまで放っておいたため、他の箇所にも劣化が広がり、結局300万円以上もかけてメンテナンスすることになりました。早めにメンテナンスしておけば金額は抑えられたのですが…。」

──シーリング(コーキング)以外でもメンテナンスで注意しなければいけないことはありますか?

尻家さん「サイディングやタイルの個性的な柄は数年後にメーカー側で廃版になる可能性があります。ですので、キズやひび割れで部分的に張り替えようとしても同じ柄や色がなく、似たようなもので代用しなければいけないこともあります。そう考えると、個性的な柄や色は注意した方がいいですね。定番なものは廃版にならないので、シンプルなものを選んでおくと安心です。」

建築の専門家ならどんな壁を選ぶ?

──ちなみに尻家さんが今、家を建てるとしたらどの外壁材を選びますか?

尻家さん「メタリック調のガルバリウム鋼板ですね。現在の家が輸入住宅なのでガラッとデザインを変えてみたいというのもありますが、ガルバリウム鋼板は地震に強いし、キズが付きにくい。メンテナンスの手間がかからないのがいいですね。年齢を考えるとメンテナンスに費用がかかるのは不安ですし。確かにへこみやすいですが、へこみって意外と気にならないものなんですよ。へこみ度合いにもよりますが(笑)」

──貴重なアドバイスありがとうございました!

一般的な外壁材の費用感

費用感についてはそれぞれの外壁材の紹介で触れたものもありますが、一般的なもので考えた場合の価格比を尻家さんにお伺いしました。
それぞれグレードがあり、高い商品も安い商品もありますが、あくまで一般的にという観点で比較したところ、

窯業系サイディング<塗り壁(Sto)<ガルバリウム鋼板<木材<タイル

コスト的には窯業系サイディングが一番安く、タイルが高いというイメージです。
※標準的なもので比較した場合です。それぞれの壁材の中でもグレードがあり、順番が変わる場合はあります。

外壁材は「貼り方」でもメンテナンスの手間が変わる

専門家の尻家さんに個性的な貼り方のサイディングを紹介していただきました。
それは「ラップサイディング」といって、サイディングを少しずつ重なるように鎧貼りにしたもの。

▲ ラップサイディングを使用した外観(カメヤグローバル株式会社 施工例)

「ラップサイディング」はコーキングが表に出ないのでメンテナンス的にも優れています。施工費は通常の窯業系サイディングより高くなりますが、自然光で陰影が生じ、より個性的な外観に仕上がります。アメリカンなサーファーズハウスなどでも取り入れられています。

外壁材選びの重要ポイントは?まとめ

初期費用にとらわれず、メンテナンス費用が抑えられる壁材を

筆者は仕事柄、外観をチェックしながら住宅地を歩くことが多いのですが、流行りのデザインで築浅なのに外壁がひび割れていたり、雨だれで汚れていたり、明らかに劣化している家をよく見かけます。メンテナンスは手間もお金も必要になりますので、腰が重たくなる気持ちもわかりますが、家の性能だけでなくこだわっていただろうデザインも損なわれて残念だなぁとも思います。

また、窯業系サイディングを選んだ方から「本当は塗り壁にしたかったのだけど…」という声も非常によく聞きます。筆者の体感ではデザイン性を重視する方が塗り壁を希望していますが、初期費用の高さとひび割れがネックになり諦めている方が多いと感じます。ですが、塗り壁材でも「Sto」のようにひび割れしにくい材もありますし、初期費用が抑えられるサイディングの中でもシーリング(コーキング)が劣化しづらくメンテナンス費用が抑えられるものは、初期費用の点で塗り壁とさほど変わらなくなります。

長く暮らすマイホームだからこそ、外壁を選ぶ際には初期費用だけにとらわれず、メンテナンス費用を考慮に入れて比較検討することが納得する家づくりのコツですね。

新築入居後「しまった…!」にならないために

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協力

カメヤグローバル株式会社

住む人の「ここち良さ」を追求している建築会社。岸和田を中心に、南大阪で50年以上の実績があり、地域密着型でアフターメンテナンスまで安心してお任せできる。高気密・高断熱の高い性能をベースに、好みや予算に合わせて素材やデザインも臨機応変に対応してくれ、他にはない家が建築できる。岸和田本社近くに平屋と2階建て、トレーラーハウスのモデルハウスがあり、家づくりの参考にできる。

▲ 平屋と2階建てのモデルハウス

ライター

住宅ライター / プロインタビュアー

大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材。実際に家を購入した方、建てた方のインタビューも多数実施。

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