公開日2024.10.18
家事ラク・時短を叶える最強の間取りは「回遊動線」！
動線って家の中でたった数歩の違いでしょ？とあなどるなかれ。子どもがランドセルを玄関に置き去りにする、夫が帰宅すると脱いだ靴下や上着がリビングに転がっている、洗濯物を片づけるのに何度も階段を上ったり下りたり…。こんなよくある日常のストレスを解消してくれるのが「回遊動線」なんです！
回遊動線とは？そのメリット
回遊動線とは？
家の中の動線とは人が移動する際に通る経路です。家事動線とは家事をするため人が通る動線。回遊動線とはそれらの動線が行き止まりにならず、ぐるぐるとつながっている動線のことです。
回遊動線のメリット
回遊動線の一番の魅力は、連動制のある動作ができる経路が確保されること。簡単にいうとスムーズに動けることです。例えば、上の間取り図のようにファミリークローゼット（ウォークインクローゼット）を中心として玄関、ランドリールーム、洗面脱衣室、LDKがつながる回遊動線なら、帰宅して手洗いうがいをして、荷物を置き、アウターを脱いで部屋着に着替えてLDKへ。この一連の動作が流れるようにスムーズに完結します。家族みんながこの一連の流れを帰宅時のルーティーンとしたら、リビングにカバンや上着がなく、いつもスッキリ、片付いた状態をキープしやすくなります。
▲ 玄関から入ったら洗面室でまずうがい、手洗いをして奥のクローゼットに荷物を置き、着替えたら右のアーチへ。（美想空間 施工例）
▲ アーチをくぐるとLDKにつながる。（美想空間 施工例）
▲ アイランドカウンターがあるLDK。家族みんなで食事の準備をしても、邪魔になったりぶつかったりすることが少ない（美想空間 施工例）
また、洗濯を考えると、洗面脱衣室とランドリールーム、ファミリークローゼットがつながっていれば洗濯物しながら干す→畳む→収納を一か所ですることができます。さらにキッチンにつながれば、家事をするために歩く歩数はグンと減り、時短につながります。 つまり、家事ラクになりストレスが減ること。これが回遊動線の一番のメリットです。
▲ ファミリークローゼットには家族の下着やタオルなどが収納でき、左の脱衣所ともつながっているので入浴後の着替えがスムーズ！また、脱衣所は洗濯と部屋干しの場所も兼ねているので洗濯物が乾いたらすぐに収納することもできる（美想空間 施工例）
回遊動線にはデメリットも！こんな人は失敗する
何でもかんでもつなげて回遊できればいいというわけではありません。
回遊動線そのものにはデメリットは無いように思われます。が、回遊動線の家を建てる時はある程度の広さが必要になります。水回りや収納スペースを1か所にまとめるので、狭小住宅の1階ならメインのリビングがとてつもなく狭くなってしまいます。
リビングは家族みんながリラックスできる広さが欲しいのに、結局狭くなってしまった…ということでは後悔してしまいます。
逆に、ファミリークローゼットや洗面脱衣室を狭くして回遊できるようにしても、収納力が足りなくなったり動作がしづらくなってしまったりしてしまいます。
自分と家族に一番便利な回遊動線を実現するコツ！
日々の動作、何が面倒なのか？を考える
そのためにはまず、しっかりと生活シミュレーションをすることが大切です。
回遊動線で家事がラクになった、家事が減ったとご満足されている方々はみなさん「自分が毎日どう動いているかをしっかりシミュレーションした」という内容のお話をされます。
リノベーションによる回遊動線の成功事例
リノベーション事例『マンションより生活がラクに！回遊動線と断熱性にこだわった家』
朝起きてから仕事に出かけるまで、帰宅して寝るまでなど、この間に自分や家族がどう動いて、何が面倒だと感じているのか、考えてみてください。しっかりシミュレーションしてベストな動線を見つけましょう。
まとめ
流行りの間取りと言っても過言ではない回遊動線ですが、実際に回遊動線の家を取材すると動線だけでこんなにも家事がスムーズになるんだと実感します。
インタビュー時に「家事が少なくなりました」「自分の時間が増えました」など大満足の声ばかり聞くのも納得です。図面や写真で見るより、体感した方がより回遊動線の良さがわかります。各ハウスメーカーのモデルハウスや工務店の完成見学会で実際に体験してみるのもおすすめです。
新築入居後「しまった…！」にならないために
はじめての家づくりはわからないことだらけ。その中でもわからないままつい後回しにして入居後「しまった…！」になりがちなのが、すぐにネットが使えない、テレビが見られないなどの通信環境の計画漏れです。このような事態を避けるためには「建築前からの計画」が大切です。
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筆者
住宅ライター／プロインタビュアー 大内 夏実
株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。
