公開日2023.07.10
家を建てた人に聞いた「窓の配置と機能」の失敗・後悔ベスト5
年間約100軒取材する住宅ライターがインタビューで聞いた、窓に関わる「家づくり失敗・後悔しています…」ベスト5をご紹介します。
家づくりをする時、窓に注目していますか? 収納や動線は気にする方が多いと思いますが、窓も暮らしの快適性に関わる重要なポイントなのです。
「窓で後悔する事ってあるの?」と思われている方は必見。窓には光や風を取り入れるだけでなく、外気を遮断し暑さ・寒さをコントロールする役割や防犯対策、プライバシー確保といった様々な役割を担っています。
ぜひこの記事を反面教師にして家づくりを成功させてください!
家を建てた人に聞いた 窓の配置・機能の失敗・後悔ベスト5
第1位「光が入りすぎる!」
えっ!?と思った方も多いかもしれませんが、「光が入りすぎる」が窓に関する失敗のナンバー1。新居を建てる際に、誰もが暗くジメジメした部屋は嫌だから明るい家を、と考えるでしょう。その結果、むやみやたらに窓を付けたゆえの後悔です。
例えば、東向きに大きな掃き出し窓を配置してしまったので朝はまぶしすぎて目が開けられないとか、西側に大きな窓を配置してしまったので西日がきつくて家具は日焼けしてしまうし暑い、などなど。そのためにずっとカーテンを閉めて生活するのも本末転倒です。入りすぎる光は不快感が増すばかり。適度な光の量が入るように、窓で調節しましょう。
窓を設置しましょう
- 季節によっても光が入る角度が変わるので注意が必要です。また、大きな窓を付けなくても、小窓で充分な光の量が入る場合もあります。方角や角度を考えずにむやみやたらに大きな窓を設置するのではなく、しっかり計算して適当な大きさの窓を選びましょう。
第2位「目線が気になる・家の中が外から見えてしまう」
開放感たっぷりの空間になるように付けた大きな窓も、外を歩く人やお隣さんからの目線を感じると台無しです。また、通りを歩く人にとってはじっくり見るような悪意はなくても、ついつい家の中が見えてしまうこともあります。
インタビューに行くと、新築の家でシャッターを下ろしたまま開けていない窓があるので聞いてみると「お隣さんからの目線を感じてしまうのです」という返事。こういったケースはよくある話です。意外と小さな窓でも通りからの角度によっては家の中が良く見えてしまう事も。プライバシー確保やノビノビと暮らすためにも、家の前の道路や隣家や前面の家からの目線を考えて窓を配置しましょう。
- 大きな窓を付けなくても、人の目線を避けた高い位置に窓を設置するなど、光が入るようにする工夫はあります。道路に面した場所にどうしても大きな窓を配置したい場合は、塀を高くするなどの対策が必要です。また、「スリット窓」と呼ばれる縦に細長い窓は意外と家の中が良く見えることがあります。たとえ小窓でも隣家や前面の家と目線が重ならないように考え、配置しましょう。。
第3位「暑い!寒い!」
「窓をたくさん付けて開放的な家にしたけれど、夏は暑いし冬は寒い」という失敗例もよくあります。家の中で一番、熱の出入りが激しいのが窓です。特にアルミサッシの場合、サッシに熱が伝道し、夏は窓周辺の気温が高くなり、冬は気温が下がるので、結露の原因にもなります。夏は暑くて、冬は寒い家は光熱費があがりますし、結露はカビの原因になり、家の内部構造を腐食させてしまう場合もあります。断熱性などの機能も考えて、窓をとり付けましょう。
- 窓は家を建ててからではなかなか変えられない箇所。2重窓で樹脂サッシにすると当然建築コストは上がりますが、光熱費や修繕費など後々の事を考えると初期投資しておいた方が賢い選択かも。2重窓や樹脂サッシにすると断熱性があがるので、クーラーや暖房など空調が効きやすく、適温をキープするので省エネルギーにもつながります。夏の暑さや冬の寒さをガマンする生活は、熱中症やヒートショックの原因になり健康被害にもつながります。機能性が高い窓やサッシで快適な暮らしをしましょう。
第4位「防犯面が気になる」
特にシニア層からの後悔の声でよく聞くのがこの防犯面。キッチンや浴室など換気のために小さい窓をつけたものの、「痩せている人ならこの窓から入れるかもしれない…」と疑心暗鬼になってしまうのだとか。大きな窓ならなおさらの事。確かに空き巣や泥棒の侵入経路として多いのが窓。しかし、安全性を高めるためにできる事もたくさんあります。不安を抱えるより、対策をして安心して暮らしましょう。
- 大きな窓にはシャッターを必ず付けた方が良いでしょう。シャッターを付けられないような窓には面格子を付ける事もおすすめです。防犯フィルムはホームセンターなどで購入でき、DIYでも簡単に取り付ける事ができます。また、2重の施錠や防犯アラームなど自分でできる防犯対策はたくさんあります。窓まわりは厳重に施してください。
第5位「風通しが悪い・換気がしづらい」
窓を全面開放し、家の中の空気を入れ替えるのはとても気持ちがいいですよね。しかし、せっかく家を建てたのに「風通しが悪くて、家の中の換気がしづらい…」という失敗談を聞きます。この原因もズバリ窓。窓の配置が悪く、風の通り道ができていないからです。大きい窓があるから風が入ると考えるのは大間違い。例え大きな窓から風が入っても、抜け道が無ければ風は通りません。逆に、小さな窓でも風が抜けるように考えて配置すれば、風通しがいい家になります。換気が悪い家はジメジメとしてしまい、ウイルス問題にも対応できません。
- お住まいのエリアによって風向きが異なるので、風が吹く方向を考えて風が入る窓と風が抜ける窓を設置すれば、小さな窓でも大丈夫。家の中をしっかり換気してくれます。また、室内窓を設置するとさらに家の中の風通しが良くなりますよ。
新築入居後「しまった…!」にならないために
はじめての家づくりはわからないことだらけ。その中でもわからないままつい後回しにして入居後「しまった…!」になりがちなのが、すぐにネットが使えない、テレビが見られないなどの通信環境の計画漏れです。このような事態を避けるためには「建築前からの計画」が大切です。
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最後に
窓を新しい箇所に設けたり、一度つけた窓を取り外したりすることは大掛かりなリフォーム工事になります。ですので、太陽の角度や光が入る時間帯、風向き、隣家との目線などしっかり調査をして、窓を付ける場所を考えましょう。また、窓は大きければいいというものではありません。小さな窓でもしっかり光が入りますし、風も通ります。窓にも注目して家を建てると、きっともっと快適な暮らしができるようになりますよ!
筆者
住宅ライター/プロインタビュアー 大内 夏実
株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。