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公開日2025.09.02

中古住宅購入時の注意点!想定外だった出費5選

中古一戸建てを購入してリノベーションしようと考えた時、「物件購入費」+「リノベーション費(間取り変更や設備交換など)」を予算として捉える方は多いのではないでしょうか?しかし、理想の中古一戸建てを購入したものの、予想外の出費が重なり、思い描いたようなリノベーションができなかったという話はよく耳にします。その出費は、予算に入れていなかったけれどかけざるを得ない費用です。

物件購入後のトラブルを避けるためにも、今回ご紹介する「予想外だった出費」について事前にチェックしておきましょう。

中古住宅購入時の注意点!想定外だった出費5選

ここでは、中古物件購入後、予算に入れてなかったけど不可避だった出費の例を5つご紹介します。

1.解体しないとわからない?シロアリ・雨漏りなどの「修繕費」

一番多く聞く想定外の出費が「修繕費」。古民家や築古の家ならある程度は想定内かもしれませんが、築浅の物件でもシロアリ被害や雨漏りなどはよくある話です。「物件購入の際にわからないの?」という疑問があるかもしれませんが、結論から言うとわからない時もあります。

雨漏りの場合、内壁にカビが生えている、天井にシミがあるなど目視でわかりやすいこともありますが、シロアリ被害などは壁をめくって柱を見て初めて確認されることも多いです。シロアリ被害や雨漏りなどは放っておくと家が朽ちる原因になるので、見つかったら修繕せざるを得ません。むしろ、長く快適に暮らすためには「見つけてくれてありがとう」ぐらいの感覚を持っておくと出費はあっても心に余裕がうまれるかもしれません。

2.寿命があるって知ってる?「給水配管工事費」「浄化槽工事費」

シロアリや雨漏りは耳にしたことがあるかもしれませんが、知らない人が意外と多いのが給水配管や浄化槽の工事費。給水配管の耐用年数は一般的に30年~40年と言われていますが、使われている状況や環境によって15年でも変えなければいけないほど劣化している場合があります。また、地域によっては下水道ではなく浄化槽の場合があり、浄化槽もメンテナンスをしていなければ劣化が激しい場合があります。地域によってはリノベーションの際に浄化槽から下水道に変更することを推奨される場合もあります。その場合、補助金を受けられることもありますが(※)工事費がかかります。重要なライフラインなのでこちらも劣化が認められたら工事は不可避でしょう。
※補助金制度は地域によって異なります。

3.重機が入らない!手作業でしかできない工事の「人件費」

手作業でしかできない工事とはどういう事かというと、例えば細い小道や階段の下にあるような土地の場合、重機が入らないので解体作業などを手作業でやらなければいけなくなる工事の事です。当然、手作業となると日数もかかりますし人数も増やさなければいけないので人件費がかさんでしまいます。その土地や中古物件にほれ込んでしまったらしょうがないですが、大規模リノベーションを予定していて重機がはいらないとなると、人件費がプラスされることを頭に入れておいてください。

4.2025年4月より義務化「断熱工事費」

これまでは断熱工事はせずにリノベーションをする方も少なくはありませんでした。断熱工事に予算を回すなら、間取り変更や新しい設備などに予算を使うという考え方です。電気代の負担はありますが、クーラーやストーブをガンガンに使ったら、夏の暑さも冬の寒さもしのげるからです。ですが、2025年4月より新築一戸建てだけでなく、大規模リノベーションや増築部分は「断熱等性能等級4」「一次エネルギー消費量等級4」以上を満たす省エネ基準への適合が義務化されました。もともと基準を満たす物件なら心配いりません。

しかし「断熱等性能等級4」という基準は1999年に制定された当時の最高等級のレベルであり「一次エネルギー消費量等級4」という基準は2013年に制定されたものです。それ以前に建てられたものは適合していない可能性の方が高くなります。これからは断熱工事を予算にいれて計画を進めましょう。

▲ 断熱等性能等級

中古住宅の断熱性については、以下の記事でも詳しく解説しています。

中古物件の断熱工事は必要?|戸建てをリノベーションしたい!【6】

5.いつかくる大地震に備えて「耐震補強費」

省エネ基準のレベルが年々高くなっていく一方、耐震基準は2000年6月から変わっていません。ですので2000年6月以前に建築された住宅に関しては、耐震補強工事をするという前提で予算を組みましょう。柱と梁などのつなぎ目を金物で補強する、重い瓦屋根を軽い屋根にするなどの耐震補強をして耐震基準をクリアすると、震度6以上の地震でも倒壊しないレベルの家になります。南海トラフなど震度6以上が想定された巨大地震が今後30年以内に起きると言われている今、安心感を持って暮らせるよう耐震補強もしっかり施しておきましょう。

築年数が古い家の耐震性や補強方法は、以下の記事を参考にしてください。

中古物件は耐震性が不安?|戸建てをリノベーションしたい!【5】

想定外の出費を防ぐためにはどうしたらいい?

まずは中古物件を購入する前に信頼できるプロと一緒に見学に行き、状態を見極めてもらうことが大切です。購入してからでは遅いです!おそらく、不動産会社の担当者と物件を見学に行くと思いますが、リノベーション会社や工務店など設計にも詳しい方と事前見学をすることをおすすめします。

また、ホームインスペクション(住宅診断)を利用すればより安心です。ホームインスペクションとは専門の資格を有するホームインスペクター(住宅診断士)が住宅診断をすることです。修繕の必要有無、おおよその修繕費などまでアドバイスしてくれます。不動産会社やリノベーション会社が紹介してくれることもありますが、第三者的な立場の専門会社をご自身で検索し、依頼する方が信頼できるでしょう。物件の現在の状況やどんな修繕が必要なのかを把握しておけば、その後に必要になる修繕費に納得感が生じます。

まとめ

理想の暮らしを叶えるためのリノベーションが修繕費ばかりにお金がかかり、結局、やりたいことができなかった…となるのだけは避けたいもの。
安心・安全に関わる修繕やインフラに関係する修繕はやらないという選択肢はありません。絶対にしなければいけない事なので、事前の心構えとそれを踏まえた予算を組みましょう。そのためにも、中古物件を購入する際は立地や見た目だけで選ぶのではなく、見えない部分にも注目して検討を進めてください。

筆者

住宅ライター / プロインタビュアー
大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。

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