失敗しないマイホーム

2022.08.04

【新築戸建て】ネット回線と配線、いつから考える?最適なタイミングと進め方

【新築戸建て】ネット回線と配線、いつから考える?最適なタイミングと進め方

憧れの新築マイホーム! バタバタと新築準備が進む中、忘れがちなのがインターネット配線のあれこれ。引越し後すぐにネットが繋がらなかった、というのはよくある話。新築戸建ての場合はマンションとは異なり、個別で配線を計画する必要があります。戸建ての建築構造や家づくり全般に詳しい「無印良品の家」のインフィル・コーディネーターである浅井泰智さんに、新築計画時に知っておきたいネット回線と配線を考えるタイミングと快適なネット環境にするためのポイントを伺いました。

アドバイスいただいたのは

無印良品の家 グランフロント大阪 家センター
インフィル・コーディネーター 一級建築士
浅井 泰智さん

大手ハウスメーカーや工務店にて設計・現場管理業務に従事した後、無印良品の家へ入社。現在はインフィルコーディネーターとして、資金計画から土地探し、プラン作成、入居後のサポートまで、家づくりの総合的な相談役として活躍している。

新築のネット回線・配線の考え方とタイミング

ネットは生活に必要な「情報インフラ」

情報インフラとは、情報通信を下支えする技術・構造のこと。ネット以外にもテレビ放送も含まれます。情報インフラは災害や防災を考える上でとても重要です。ネットは生活に必要な「インフラ」だという意識を持っておくことが大切です。

まず、ネット回線事業者を決める

自宅でパソコンを固定の場所に置いてリモートワークをしている、オンラインゲームをしている方は、Wi-Fi接続だけではなく、壁のネット回線差し込み口から直接パソコンにケーブルでつないで接続する「LAN(有線)接続」でも利用できる環境にしておくことがおすすめです。Wi-Fi接続よりも、LAN接続の方が通信が安定します。
特に、容量が大きい動画や画像、ゲームのダウンロードや高画質の動画視聴など、大容量のデータ通信をする際は、LAN接続の方がストレスなく利用できます。
LAN接続で利用したい場合は、「固定回線」が必要になります。固定回線とは光回線、ケーブルテレビ事業者が提供するネット回線のことで、宅内工事が必要になります。
固定回線以外には、工事不要で置くだけで使えるモバイル回線がありますが、通信できる容量には制限があります。

  回線の種類 送受信 大容量のデータ通信 宅内工事
固定回線 光回線 光ファイバーのみを利用して送受信する回線
容量の大きいデータのダウンロードや高画質の動画視聴も可能
ケーブルテレビ 光ファイバーとケーブルテレビ同軸ケーブルとで送受信する回線
ネット利用・動画視聴は問題なし
モバイル
回線
ポケットWi-Fi
ホームルーター
携帯電話の基地局からの電波を送受信する回線 ×
ネット利用・動画視聴には問題ないが、容量に制限がある

用途に合ったネット回線事業者を早めに選んでおきましょう。

ネット回線事業者に申し込むタイミング

戸建てで固定回線を利用する場合、マンションのネット開通工事とは違い、申し込み・宅外調査・宅外工事・宅内調査・開通工事のステップが必要です。まず新居周辺のどの電柱からケーブルを引き込めるかの調査と引き込むための宅外工事、また宅内に届けるために壁内に配管などを準備する工事が必要になり、開通まで3〜4カ月かかってしまう場合もあります。ネット回線事業者への申し込みは、新居の建築着工前でも住所や図面、竣工時期などがわかれば事前に申し込んでおくことができます。ネット回線事業者が決まったら、すぐに申し込みをしておきましょう。

新居のネット配線を考えるタイミング

「ネットが遅い…」「足下のケーブルが邪魔になる…」などの不満を持たない環境にするために、ネット配線については着工前に電気の配線計画と同時に進めて決めるのが理想です。固定回線の場合は近くにコンセントなどの電気配線も必要になりますので、電気の配線計画の際に施工会社(依頼しているハウスメーカーや工務店)に相談し、新居の構造、間取りに合った最適なネット配線を計画してもらいましょう。施工会社は、ネット回線事業者のケーブルに合った配管などの資材の準備も必要になります。


快適なネット環境にするために考えておきたいこと

新居を快適なネット環境にするためには、以下について事前に考え、ネット回線事業者と施工会社に伝えておくとスムーズです。

事前に考えておきたいこと
  • 1. LAN差し込み口が必要な場所
  • 2. Wi-Fiに接続している機器数・よく使う場所
  • 3. ルーターなどの機器を隠す場所
  • 4. テレビの視聴方法も決めておく

1. LAN差し込み口が必要な場所

固定回線を利用する場合は、LAN差し込み口が必要な場所を考えておきましょう。入居してからのLAN差し込み口の追加工事は費用と時間がかかってしまいます。通信速度のストレスや不満が出ないように、着工前から施工会社に相談して快適なネット環境計画を立てておくことが大切です。

後悔しないためにも「今後必要かな?」と思われる部屋にはLAN差し込み口は用意しておくと良いでしょう。子供の成長などの今後の暮らしの変化にも対応できます。
最近ではLANケーブル・テレビアンテナ、電話回線が集約されたコンセント(情報コンセント)もあります。

情報コンセント

2. Wi-Fiに接続している機器数とよく使う場所

現在の住まいでのネット使用頻度やWi-Fiに接続している機器(パソコン、スマホ、アップルウォッチなど)の台数を把握しておきましょう。Wi-Fiの受信機器が増えるほど、通信が不安定になりがちです。よく使う場所によってはWi-Fi中継器を置くなど、建物の構造にあった最適な通信環境にしておかないといけません。Wi-Fiに接続している機器数とよく使う場所を把握しておきましょう。

3. ルーターなどの通信機器を隠す場所

ネット接続に必要なルーターなどの通信機器と配線、コンセントを集約させて、目につかない場所に隠すことができます。ごちゃごちゃしがちな機器まわりを隠すことができるので新居をスッキリ保つことができます。建物の構造によって条件はありますが、場所については決めることもできますので、機器の故障などが起こった際、調査のために来られても支障のないような場所を考えておきましょう。

4. テレビの視聴方法も決めておく

テレビの視聴方法も新築の場合、宅内の配線に関わってきます。
周辺の電波状況にもよりますが、テレビはアンテナを立てて視聴するのか、光回線やケーブルテレビでアンテナを立てずに見るのかなど、テレビの視聴方法についても決めておくとよいでしょう。

屋外アンテナを設置して視聴したい場合は初期工事費用のみで済みますが、屋根や外壁に固定する必要があったり、台風などの強風で受信ができなくなったりします。3階以上にもなると、屋根にアンテナはつけにくくなります。
一方、光回線やケーブルテレビのケーブルで視聴する場合は屋外アンテナは不要です。外観を損なうこともなく、台風などの強風時でも安心ですが、月額利用料がかかります。

新居周辺の電波状況や費用、リスクなどを考えてテレビの視聴方法を決めておきましょう。


新居の着工前に施工会社・ネット回線事業者に相談

基本的に、施工会社の建築設計の中にはネット配線計画は含まれていません。最悪の場合、注意喚起してくれないということもあります。必ず、着工前に施工会社に相談しておきましょう。
またネット回線事業者・テレビアンテナの工事などの依頼も、施主ご自身での申し込みが必要です。「入居後すぐにネットが使えなかった…」「テレビが見れなかった…」とならないためにも、早めに相談して申し込みをしておきましょう。


新築入居後「しまった…!」にならないために

お住まいが関西なら、ネット回線はeo光がおすすめです。eo光なら、eo新築専門アドバイザーが快適でストレスのないネット環境づくりをしっかりサポート!


最後に

光回線やスマホの普及、リモートワークなど近年、家庭でのネット環境はスピード速く移り変わっています。新築戸建ての場合は、あまり遠い未来を予測しようとせず、その時その時の最適な案を出していくことがベストです。新築購入は家庭のネット環境を見直すひとつの大きなきっかけ。ご家族や今のライフスタイルに合った、暮らしやすい環境を考えるきっかけにしてみてください。

取材協力

無印良品の家 グランフロント大阪
家センター

無印良品の商品を作っていくなかでお客さまの声をもとに「家・住まい」についても広くお応えしようと2004年から家の建築、販売を開始。住む方の未来を見据え、「永く住める家」を提案し続けている。無印良品の家 グランフロント大阪 家センターでは、これから家の購入をお考えの方に「初めての家づくり講座」も開催。

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