失敗しないマイホーム

2023.03.30 (2023.09.01改定)

壁掛けテレビの肝は「配線計画」!新築時におさえておきたいポイント

楽しい戸建ての新築計画。部屋がスッキリ見えるからと要望の多い壁掛けテレビ、でもちょっとまって! 事前に計画をしっかり立てておかないと、後からイメージ通りにならなかったという場合もあります。今回は、壁掛けテレビのメリット・デメリットと新築時の失敗例を解説しながらスムーズに取り付けられる手順をお伝えします。

アドバイスいただいたのは

無印良品の家 グランフロント大阪 家センター
インフィル・コーディネーター 一級建築士
浅井 泰智さん

大手ハウスメーカーや工務店にて設計・現場管理業務に従事した後、無印良品の家へ入社。現在はインフィル・コーディネーターとして、資金計画から土地探し、プラン作成、入居後のサポートまで、家づくりの総合的な相談役として活躍している。

 

 

見た目もすっきり、人気の壁掛けテレビ

その名の通り、液晶テレビを壁にそのまま設置できる壁掛けテレビ。テレビ台が不要のため省スペースになり、掃除もしやすくなります。また正しく設置さえすれば耐震面でも心配がなく、子供が触ってテレビが倒れる…なんてこともなくなるので安心です。邪魔になりがちな配線も壁の中に隠してしまえるため、部屋全体の印象がスッキリします。

【壁掛けテレビのメリット】
●テレビ台が不要になり、省スペースに
●テレビ周辺の配線が隠せるのでスッキリする
●テレビが倒れる心配がなくなる

検討するにあたって事前に知っておきたいこと

それではさっそくテレビを購入!…とその前に、壁掛けテレビについて事前に知っておきたい点がいくつかあります。以下の3つの点を把握したうえで導入を検討してくださいね。


●一度設置したらテレビの位置が変えられない
壁掛けテレビは、壁に穴を開けて取付金具でテレビを固定するため、テレビの位置を後から変えることができません。入居後にテレビの位置がしっくりこないからと、気軽に模様替えできないのが難点です。

●テレビの規格が変わると再工事が必要になる場合もある
テレビの寿命は10年程度といわれています。テレビを買い換える際に規格が変わると、それまでの取付金具も合わなくなってしまいます。壁の穴と大きさがずれる場合は、再工事が必要となるケースもあります。

●周辺機器との接続に手間がかかる
ゲーム機やDVDデッキなどの周辺機器が増えれば、その分配線も増えてしまいます。テレビそのものに加えて、接続する周辺機器などの位置も事前に考えておく必要があります。

壁掛けテレビは、とにもかくにも「配線計画」が重要

新築で壁掛けテレビを設置する上で大切なのは、配線計画を事前に行うことです。計画を後回しにしすぎてしまって、せっかく買ったテレビがスムーズに取り付けられなかったということは避けたいものです。スッキリしたレイアウトにするためには、下の設計図のようにテレビを見る場所やイスの高さから、テレビを掛ける位置と、背面のコンセントやアンテナ位置を決める必要があります。

 

また、インターネットやDVDデッキなどの周辺機器につなげる場合は、壁に空配管(壁内配線)を用意することで配線を隠すことができます。このように電気の配線工事が関わってくるため、新居の電気配線図が完成する前に、テレビのメーカーやサイズ、取付金具とつなげたい周辺機器を決定して施工会社に情報を伝えることが必要です。

取り付けまでの流れと事前にチェックしておきたいポイント

ここからは、取り付けまでの順序を追いながら、配線計画するにあたってチェックしておきたいポイントをお伝えしていきます。大切なのは、まず「テレビをどのように見ているか?何に繋げているか?」に立ち返ること。便利にしたつもりが、逆に不便になってしまっては本末転倒です。設置までの流れをしっかりおさえて、計画をたてていきましょう。よくある失敗事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1:テレビの規格を確認する

テレビのメーカーやインチ数、縦横幅は必須チェックです。この時に金具も合わせて用意しておくのがベター。取付金具は、できる限りメーカー推奨のものを購入しておきましょう。

また、基本的に金具は自分で取り付けることになっています。一人で取り付け・設置は難しいので、壁掛け用のテレビを購入した場合は、その家電メーカーや、建築を依頼している施工会社に工事とあわせて取り付け依頼ができるかを事前に必ず確認しておきましょう。

【よくある失敗ケース】
ネット通販で金具を購入したら取り付けできなかった…

取付金具を急いでネット通販で購入したものの、取り付け方がわからずテレビ到着後もなかなか設置ができなかったというケースです。壁掛けテレビには設置用の金具が必要になります。壁に掛けたいテレビのメーカーが推奨している取付金具を用意しましょう。

2:周辺機器の数を数える

ゲーム機、DVDデッキなどテレビに繋げる周辺機器の数によって配線計画も変わります。「テレビに接続する周辺機器はいくつくらいか」「周辺機器を置く場所をどこにするか」「コンセントの数と位置」などを事前に決めておきましょう。

【よくある失敗ケース】
ゲーム機を置いたら、結局テレビ周辺がごちゃごちゃした…

テレビに接続してゲームをする場合、配線を繋げたり、テレビ側にゲーム機を置いたりする必要があるため、結局テレビの周りがごちゃついてしまったというケースです。ゲーム機以外でもテレビに接続するものは、テレビから離れすぎると操作しにくいものです。テレビの周りをスッキリさせたい場合は、近くに棚を置くなど周辺機器を設置する場所を最初に決めておきましょう。またケーブルの本数が想定外に必要になる場合もあり、必要となるコンセントの数と位置にも要注意です。

3:テレビの取り付け高さを決めて、壁の補強を施工会社に依頼する

テレビの位置や高さを決めた後、施工会社に相談して壁を補強してもらう必要があります。リビングやダイニング、寝室など、設置する部屋での過ごし方によって、適した高さは変わってきます。「テレビはどこから見るのか」「見上げて見ても疲れない高さはどのあたりか」を検討ポイントに、間取りと合わせてしっかり考えましょう。

【よくある失敗ケース】
イメージしたテレビの高さと違った…

リビングにソファがけでテレビを見る想定をしていたけれど、思いの外テレビの位置を高く設置しすぎたというケースです。ソファ掛けで見る場合は床上30cmの高さが一般的といわれていますが、見方によっては低すぎる場合もあります。床で座って見るのか、ダイニングチェアから見るのか、見る位置に合わせた設計が必要になります。リビングに設置したテレビをダイニングから見る場合も目の高さが異なってくるので、設置場所や高さには気をつけましょう。

4:配管とコンセントの位置の配線計画を施工会社に依頼する

壁掛けテレビは配線を壁の裏に隠せるところが大きなメリット。そのためコンセント・配管の位置は重要となります。周辺機器につながるケーブル類も壁の中に通すので、施工会社に配管の出入口を決める配線計画を立ててもらいましょう。

5:施工会社が配管と壁の工事を行う

壁の中に配線用のパイプを通します。その後、壁の補強を施します。

6:取付金具の取り付け

壁の工事が終わり次第、取付金具を付けます。事前に施工会社に伝えておけば、工事に合わせて取り付けてくれる場合もあります。

7:テレビを取り付けて完成!



ネット・テレビの配線計画にこまったときは、eo新築専門アドバイザーにご相談を!

配線計画の大切さは理解したけれど、はじめての家づくりはやっぱりいろいろ不安…。特につい後回しにして入居後「しまった…!」となりがちなのが、通信環境の計画漏れです。すぐにネットが使えない、テレビが見られないなどの事態を避けるためには、思い切ってプロに相談するのも一つの手です。eo光なら、eo新築専門アドバイザーが快適でストレスのないネット環境づくりをしっかりサポートします。

お住まいが関西なら、ネット回線はeo光がおすすめ!

 

最後に

壁掛けテレビは設置する前に多数の工程を要するので、事前の計画が大切となります。機器の交換や周辺機器がどのくらいあるのかでも、準備するものは変わってきます。壁掛けテレビの良い面と悪い面を加味して、家族・自分にあった快適な暮らしをイメージしながら新築の計画を進めてみてくださいね。

 

取材協力

無印良品の家 グランフロント大阪
家センター

無印良品の商品を作っていくなかでお客さまの声をもとに「家・住まい」についても広くお応えしようと2004年から家の建築、販売を開始。住む方の未来を見据え、「永く住める家」を提案し続けている。無印良品の家 グランフロント大阪 家センターでは、これから家の購入をお考えの方に「初めての家づくり講座」も開催。

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