整理収納

2021.12.27

冷蔵庫は「ゾーンの使い分け」が肝!家族が使いやすい整理のコツ

​​冷蔵庫は「ゾーンの使い分け」が肝!家族が使いやすい整理のコツ

毎日活用している冷蔵庫。最近ではおうち時間が増えたことで、冷蔵庫の食材が増えて困っているという方も多いのではないでしょうか。今回は、整理収納アドバイザーである長谷由美子さんにご協力いただき、家族みんなが使いやすい収納方法や、プロ目線によるアイデアをお教えいただきました。

整理収納アドバイザー

長谷 由美子

食材が増えがちな冷蔵庫をスッキリ整理したい!

整理収納アドバイザーによるヒアリング

整理収納の悩みや問題を洗い出し、解決案を考えます。

今回お悩みをお寄せいただいたのは、小さな2人のお子さんがいる4人家族の奥様。パートタイムで働きながら子育てと家事をこなし、日々時間がない中で生活されています。料理をよくされることもあり、食材の買い出しは、まとめ買いと定期配達購入(週1回)を利用。その際、冷蔵庫の食材が増え、特に冷凍庫と野菜室はギュウギュウになり、どこに何があるのかわからなくなったり、取り出しが大変になったりすることが多いとのこと。

今回のお悩み
  • ・まとめ買い後や定期配送便が届いた時に食材が増え、何が入っているかわからなくなる。
  • ・時短を考えて、下ごしらえ済みの食材を冷凍保存することが多く、取り出しが大変。
  • ・家族全員の飲料・食材が混在しているので、誰が見ても取り出しやすいようにしたい。

S.Nさん 賃貸マンション 家族4人(夫婦と4才と1才の子供2人)

その時のようす

まとめ買いした食材や冷蔵庫に入れなくてもいい食材が混在していて、同じ分類の食材がバラバラに収納されています。

お話をうかがいつつ、現状の冷蔵庫の中身をチェックさせていただくことに。

冷蔵室

冷蔵室上段は、すぐに飲まないジュースをたくさんストック

まとめ買いした食材と用途が違う食材が混在

左ドアポケット上段はお子さんのお薬が

ふりかけやバターと一緒に化粧品も

右ドアポケットには調味料がぎっしり詰め込まれ、取り出しにくい状態

ケースのサイズに合っていないボトル調味料も無理矢理詰め込まれています

冷凍室

一見整理されているように見えますが、冷凍しなくてもよい食材や作ったおかずが器ごと冷凍されています。

3段ある冷凍庫にぎっしり食材が詰まっているので何が入っているか見づらくなっています。

野菜室

常温保存でよい根菜類の野菜が入っています。

上段にもパスタや乾物、常温保存でよい食材が

冷蔵庫整理のポイント

ゾーンを意識した収納を

空いているスペースにとりあえず収納している状況なので、まずは食材の”住所”を決めましょう。冷蔵庫内にある上段・下段といった“ゾーン”をうまく活用し、「よく使うものは近くに」「ストックは奥の方に」などのルールを設けるのがポイント。そうすることで、食材がどの程度残っているかが一目でわかるようになり、欲しいものも取り出しやすくなります。

冷蔵庫全体の収納率は7割

冷蔵効率を考えて、収納ボリュームは全体で7割を意識しましょう。食材を詰めすぎることで、本来の保冷機能が発揮されなくなることも。定期的に「常温保存でよい食材」「期限切れの食材」「あまり使わない食材」を整理することで、スッキリした見た目はもちろん、節電にもつながります。

冷蔵庫の整理収納実践!

それではさっそく、冷蔵庫の中を整理していきましょう

冷蔵庫の食材を整理

まず、冷蔵庫の中の食材を出して整理しましょう。調味料は、開封してからしばらく使っていないものや、賞味期限切れの調味料が出てきました。ついつい容量の大きい調味料を買ってしまい、使い切らないまま残ってしまうことが多いとか。

野菜室を全て出し、整理します

次は野菜室です。冷蔵庫に入れなくてもよい玉ねぎやじゃがいもなどの根菜が入っており、スペースを取っていました。お茶や乾物、塩なども入っているなど、スペースが空いていればとりあえずしまうという状況に。

整理収納アドバイザー
長谷さんのアドバイス
  1. 整理の際は、「いる・いらない」よりも「使っている・使っていない」を基準に整理するのがおすすめです。冷蔵庫の場合は食材なので、「よく食べる・あまり食べない」など、頻度に合わせて区別するとよいでしょう。

たくさんあった食材を整理し、必要なものや冷蔵庫内に収納するものを分類することができました。次に、冷蔵室・野菜室・冷凍室を整理していきます。

その他の場所も、アドバイスのもと、整理収納が完了

冷蔵室

収納用品を選ぶポイントは「浅め&半透明!」

収納用品は種類ごとに食材を分けたり、セットにして置いておくのに便利なアイテム。ただ、選び方によってはかえって使いづらい結果を招くことも。冷蔵庫の収納には、食材やパッケージのラベルを見えやすくするため、浅めかつ半透明タイプのものがおすすめです。収納用品の奥行きは、冷蔵庫のスペースに合わせて選びましょう。

今回は、無印良品の「ポリプロピレン収納ボックス」を使用しました。

よく使うものは「ゴールデンゾーン」に

人の手が届きやすく、取り出しやすい赤枠部分を「ゴールデンゾーン」といいます。調理した鍋をそのまま入れたり、まとめ買いした食材を保存するスペースとして空けておくとベターです。まとめがいした上段のジュースなどは、3日分など必要な分だけにしておきましょう。

中段・下段はすぐに食べないといけない、賞味期限が近い食材のゾーンとして目立つ場所に。下段のチルド室は賞味期限が短い食材を右側から収納。分類分けのルールを決めるだけでわかりやすくなります。

上段のジュースは必要な分だけに。下には朝ご飯セット、ご飯のお供セットなどそれぞれ分けて取り出しやすく。ストックしている食材は後ろに見えるように置き、なくなれば後ろから補充します。

子供の飲み物とおやつをそれぞれセットにしてケースにラベリングすることで家族が見てもどこにあるかわかるようになります。

調理した後の鍋ごと入れるスペースとして上段を確保。下段はすぐに食べないといけない、賞味期限が近い食材のゾーンとして目立つ場所に置きます。

チルド室は賞味期限が短い食材を右側から収納、分類分けのルールを決めるだけでわかりやすくなります。

合わせて使うものは「セット」にして出し入れしやすく

「朝ご飯用」「ご飯のお供用」など、合わせて使うものはセットにして収納すると便利です。子供の飲み物とおやつをそれぞれセットにしてケースにラベリングすることで、家族が見てもどこにあるかわかるようになります。ストックしている食材は後ろに見えるように置き、必要に応じて補充しましょう。

野菜室

次に、野菜室です。常温保存でよい根菜類は取り出し、別の場所に保管することに。また、冷蔵室にあった大きいボトルの調味料は、野菜室に移動させています。

納用品は「深め」のものを

上から見る場所(冷凍室・野菜室)の収納ケースは、深めの物がおすすめです。野菜を立てて収納する際の仕切りにもなります。

無印良品「メイクボックス」がちょうどいい深さです。



野菜は育った状態と同じように立てて収納

野菜はできるだけ寝かせず、立てて収納することで良い状態を保つことができます。小麦粉などの粉物は収納ボックスに収納することで、仕切りとしての役割も。


柔らかい野菜は上段に

トマトなどの柔らかい野菜や、使いかけの野菜は上段の引き出しに。早く使わないと傷んでしまう野菜のゾーンとしても使用します。

冷凍室

冷凍室も、同じく上からものを見つけやすい取り出しやすいように整理していきます。


下処理した野菜、ストック用の冷凍食品など、上から見てわかりやすく、取り出しやすいようにゾーンで分けて収納。古い食材を前にすることがポイント。

中段の引き出しは、お肉とお魚ゾーンとして、期限が近い食材を同じく右側から並べます。

上段の引き出しは、高さがない平らな食材を収納、ルールとして、右側から左側にかけて期限が近い食材に並べることにしました。

小さい冷凍室は、子供のお菓子ゾーンを作り、子供も取り出しやすいよう収納

冷蔵庫の外側

ドア部分

子供の給食献立表の下に、買い足さないといけない食材、賞味期限が近い食材などをすぐメモできるよう、マグネット式のペンとメモ帳ボックスを設置しました。開閉の多いキッチン側のドアには何も貼り付けず、比較的頻度の低い反対側に取り付けます。


マグネットを貼り付け、上からボックスを簡単に取り付けることができる、長谷さんおすすめのグッズ。

白ケースを使用することで統一感のあるスッキリした見た目に。


冷蔵庫の収納ポイント
  1. 冷蔵庫全体の収納率は7割!スペースを確保することで、まとめ買いや鍋ごと保存する時に活用でき、節電にもつながります。
  2. 「常温保存でよい食材」「期限切れの食材」「あまり使わない食材」を定期的に整理すること。
  3. 場所のルールを決めておく、同じ分類の食材は収納ケースに入れてラベリングすることで、誰が見てもどこにあるかわかりやすくなります。
  4. 正面から見る場所(冷蔵室)の収納ケースは、半透明で浅めの物を選ぶと、何が入っているかわかりやすく、前に引き出した際に取り出しやすくもなります。
  5. 上から見る場所(冷凍室・野菜室)の収納ケースは、深めの物にすると取り出しやすく、野菜を立てて収納する際の仕切りにもなります。

整理収納完了!冷蔵庫がスッキリ使いやすく

ついに冷蔵庫の整理が終了!以前の詰め込み感が一気に解消されました。

冷蔵庫

食材の整理に加えて、定位置の決まっていなかった食材をゾーン別に配置したことで空きスペースが生まれました。

野菜室

常温保存できる野菜を取り除いたことで一気にスペースが生まれ、調理中に使用しやすい配置に。

冷凍室

種類や使用期限に合わせてレイアウトを整えたことで、迷わずに食材を見つけることができるようになりました。

今回使用した収納用品

ポリプロピレンメイクボックス

無印良品
ポリプロピレンメイクボックス

ポリプロピレン整理ボックス2

無印良品
ポリプロピレン整理ボックス2

ポリプロピレン整理ボックス3

無印良品
ポリプロピレン整理ボックス3

ポリプロピレン整理ボックス4

無印良品
ポリプロピレン整理ボックス4

ポリプロピレン袋止めクリップ大・小

無印良品
ポリプロピレン袋止めクリップ大・小

チューブ薬味スタンド

100円均一
チューブ薬味スタンド

ポリプロピレンファイルボックス用・ポケット

無印良品
ポリプロピレンファイルボックス用・ポケット

ポリプロピレンファイルボックス用・ペンポケット

無印良品
ポリプロピレンファイルボックス用・ペンポケット

マグネットバー

無印良品
マグネットバー

こすって消せるボールペン黒・0.5mm油性マーカーツイン 細・黒

無印良品
こすって消せるボールペン黒・0.5mm
油性マーカーツイン 細・黒

ポリプロピレンカバーダブルリングメモ

無印良品
ポリプロピレンカバーダブルリングメモ

ABSマグネット付クリップ

無印良品
ABSマグネット付クリップ

詳しく見る sumica YouTube動画

最後に

ルールを決めてゾーン分けすることで、見やすく保管し、取り出しやすさが変わります。一人暮らしの方から家族、忙しいお母さんまで、どなたにもヒントになったのではないでしょうか。冷蔵庫を整理収納することで料理がしやすく時短になり、また食品ロスにもつながります。より効率よく料理をして快適な食卓を囲みましょう。

アドバイザー

整理収納アドバイザー

長谷 由美子

延べ7,000件以上の相談に応えてきた知識や経験から、苦手なお片付けをも好きにさせてしまう人間力と提案力が定評。

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