おしゃれな家づくり

2023.06.05

時代とともに変化する日本のキッチン。令和は、インテリア性と効率化の追求へ

昭和・平成・令和の人気間取りシリーズ「キッチンと食卓」

SNSや雑誌のおしゃれな写真を見て「こんな家を建てたいなぁ」と憧れるように、いつの時代にも「人気の間取り」は存在します。
特に、キッチンと食卓のレイアウトは時代とともに驚くほど進化し、間取りもかなり変わってきています。
そのキーワードは「家事ラク」と「家族のコミュニケーション」。家事をいかにラクにするかという飽くなき探求心と、アットホームな家族のだんらんをより重視する傾向が間取りを進化させてきました。

昭和・平成・令和時代のキッチンと食卓の関係をひも解き、人気の間取りの理由を探っていきましょう。

~【昭和前・中期】戦後から高度成長期まで~

台所とちゃぶ台

国民的アニメでおなじみ 台所とちゃぶ台がある暮らし

ガスや電気の普及や水道の進化により、それまで土間だった台所が床上に配置されるようになりました。履物を脱ぎ履きせずにスムーズな動線で料理ができるので、当時の主婦にとっては大きな家事ラクになった事でしょう。

茶の間にはちゃぶ台が食卓のスタイル。正座やあぐら座りでちゃぶ台を囲む姿は、国民的アニメでもおなじみです。この頃、料理を担当するのはほぼ主婦。給仕をするために立ったり、座ったり、運んだりを繰り返さなければいけなかったので、アニメのように食事の時間が家族みんなのだんらんの時間とはならず、主婦は大忙しでした。



~高度成長期から昭和後期~

システムキッチンとダイニングテーブル


これまでなかった「ダイニング」という間取りが流行

ステンレス流し台が登場したことで、台所周辺の間取りは一気に変化していきました。高度成長期の住宅不足を解消すべく、日本住宅公団(現・UR都市機構)が団地の供給を開始。そのモデルとなる写真にダイニングテーブルを用いたことから一気にキッチン・ダイニングというレイアウトが広まりました。

キッチンの隣にダイニングテーブルを置き、椅子に座って食事をとるスタイルは当時の新婚カップルの憧れの的。最先端の生活様式として大人気の間取りでした。また、昭和40年代後半にはシステムキッチンが登場。機能的で便利なシステムキッチンは瞬く間に広がりました。キッチンと食卓が近くなったことで動線がとってもスムーズになりました。



~昭和後期から平成前期~

家の中が見渡せる対面式キッチン


家族と向き合いながら家事ができる
対面式キッチンの台頭

昭和後期にはキッチン・ダイニング・リビングのLDKという間取りが定着。畳のお茶の間を設ける間取りは古くなり、LDK全体が床のフローリングという間取りが人気になりました。

それまでは壁付けキッチンが主流で、子どもがいるリビングに背を向けて家事をしていた主婦が、前を向いて、リビングで遊ぶ子どもを見ながら料理できる画期的なキッチンは若いファミリーに大人気。カウンタースタイルのおしゃれ感も相まって、対面式キッチンのLDKは平成前期の間取りの定番となりました。



~平成後期~

開放的なオープンスタイルキッチン


開放感を求め、フルオープンスタイルが人気に

平成後期になると、もっとリビングとダイニングの一体感と開放感を得るために、アイランドキッチンのようなフルオープンタイプのキッチンが憧れの的になりました。
フルオープンタイプのキッチンといえば、料理のにおい問題と収納スペースが少なくなる問題、さらにキッチン内部が丸見えになるので常に片付けなければいけない問題がありましたが、換気扇の機能向上とデッドスペースをつくらず活用しやすい収納スペースの進化、そして食器洗浄乾燥機の普及がフルオープンタイプのキッチン人気を加速させたといっても過言ではありません。



~令 和~

ダイニングテーブルとキッチンが一体化


インテリア性と家事効率化のさらなる追求

令和に入るとコロナ禍が続いたという事もあり、おうち時間が長くなり、もっとおしゃれに暮らしたい! という方が急増。キッチンにもインテリア性が高く要求されるようになりました。
また、夫婦共働きがベースとなり、妻だけでなく夫が料理を担当する事や夫婦ふたりでキッチンに立つことが日常的に。余裕があるキッチンスペースと家事を効率化すること、そしてインテリア性が高いことからキッチンとダイニングテーブルを一体化させるスタイルが人気上昇中です。
キッチンとダイニングテーブルを一体化させるスタイルには、横並びにするタイプとキッチンのカウンターを広くするタイプがあります。

どちらも料理を配膳する、食器を片づけるなどがスムーズに行え、見た目もスッキリして美しくコーディネートすることができます。



新築入居後「しまった…!」にならないために

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最後に



キッチンと食卓の関係はその時代の働き方や家族のつながり方などが大きく影響し、より暮らしやすいように変化していきました。そして、家事を効率化できるようにどんどん進化していることがわかりますね。
もし、今、昭和前期のちゃぶ台生活をする家に住むことになったとしたら、1回の食事に対する家事の負担が重すぎて泣いちゃうかもしれません。いや、泣くでしょう。これから先はどんな間取りが流行るかわかりませんが、もっと家事がラクになり、もっと家族とコミュニケーションがとりやすくなることは間違いないでしょう!

筆者

著者

住宅ライター/プロインタビュアー 大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。

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