閉じる

住まいをデザイン

公開日2026.01.08

内装の壁材はどう選ぶ?デザイン・機能の比較とプロの意見まとめ

家づくりでほとんどの方が悩むと言っても過言ではない「内装の壁」問題。もちろん色や柄も大きな問題ですが、選ぶ「壁材」でも部屋の印象はガラッとかわります。また、デザイン性だけでなく、調湿性などの機能性やメンテナンス性も考慮に入れて選びたいもの。

今回は「内装の壁材の選び方」として、それぞれの壁材の特徴や機能面のメリット・デメリット、専門家のアドバイスをあわせて紹介します。個性が出せる壁材も紹介していますので、自分らしい家づくりの参考にしてください。

住宅ライター / プロインタビュアー

大内 夏実

内装の壁にはどんな種類がある?

まず、主な内装の壁の種類を紹介します。

  • 1.クロス貼り
  • 2.塗り壁(塗装)
  • 3.左官壁
  • 4.板張り
  • 5.タイル貼り

聞いたことがある壁もそうでない壁もあるかもしれませんが、日本の住宅は、ほぼこの5種類の壁で施工されています。中でも一番使われているのが「クロス貼り」です。それぞれの壁では、以下の壁材を使用します。

使われる主な壁材

壁の種類

壁材

1.クロス貼り

主にビニールクロス、紙・布クロスなど

2.塗り壁(塗装)

ペンキなどの塗料

3.左官壁

主にしっくい・珪藻土など天然素材

4.板張り

木材

5.タイル貼り

タイル(主に粘土などの天然素材)

しっくいや珪藻土などを塗る左官壁は、塗り壁に分類されますが、大きな違いは左官職人がコテを使って手作業で仕上げること。では、それぞれの壁材の特徴を見ていきましょう。

壁材の特徴|デザイン・機能・メンテナンス性

壁材の種類によってデザイン性や機能、メンテナンス面は異なり、それぞれメリットとデメリットがあります。

1.クロス(ビニールクロス)

▲ 家具を選ばないシンプルな白のクロス壁(美想空間 施工例)

一般的にクロスと言えばビニールクロスが主流です。建売住宅やマンションなどの集合住宅のほとんどがビニールクロス貼りですので、なじみがある方が多いと思います。他の壁材と比べると安価で、施工しやすいことが特徴。また、水ぶきができお掃除がしやすく、抗菌・防水などの機能性がプラスされるものもあり、メンテナンス性が高いこともメリットです。色・柄ともに種類が豊富なのもうれしいですね。
デメリットとしては通気性が悪いこと。また、つなぎ目があるので、劣化するとつなぎ目からはがれることがあります。

メリット

  • ・デザイン豊富
  • ・メンテナンス性が高い
  • ・安価、施工しやすい

デメリット

  • ・通気性が悪い
  • ・つなぎ目がある
  • ・劣化するとはがれる

クロスの色の選び方については、以下の記事でも詳しく紹介しています。

後悔しない壁紙の選び方と【部屋別】おすすめのアクセントクロス

2.塗り(ペンキ)

▲ おしゃれなツートンカラーの塗り壁(美想空間 施工例)

塗り壁(塗装)とは、ペンキなどの塗料をハケやローラー、スプレーなどで塗装職人が塗る壁です。塗料を薄く塗るので下地に左右されますが、独特の質感があります。色は調合することができるので、理想通りの色を表現でき、こだわり派に選ばれることが多い壁です。水には弱いのでお手入れはからぶきになります。また劣化すると塗料がポロポロと床に落ちることがあります。

メリット

  • ・デザイン性が高い
  • ・色にこだわることができる

デメリット

  • ・劣化が早い
  • ・メンテナンスが大変
3.左官壁(しっくい、珪藻土など)

▲ 手塗りの温かな雰囲気があるしっくいの壁(美想空間 施工例)

左官職人がコテを使ってしっくいや珪藻土などを塗る左官壁は手塗りなのでコストはかかりますが、模様を描いたり、陰影を付けたりするなど唯一無二の空間を造ることができます。

▲ 凹凸をつくることができるのも漆喰の特徴(美想空間 施工例)

またしっくいや珪藻土は天然素材なのでアレルギーなどの心配がある方に好まれています。調湿効果、消臭効果も期待されます。ただ、数年でひび割れすることがあるのでメンテナンスは必要です。

メリット

  • ・化学物質を使わない、天然素材
  • ・風合いがある
  • ・調湿効果、消臭効果がある

デメリット

  • ・ひび割れが起こる
  • ・メンテナンス必須
  • ・コストが高い
4.板張り(木材)

▲ 木に包まれたナチュラルで優しい空間(美想空間 施工例)

安らぎや温もりを感じる木材の壁。木材の種類にもよりますが、調湿・吸音・消臭など様々な効果があります。何と言っても木の香りに包まれる、癒しの効果が抜群!ナチュラルを好む方には人気の壁です。無垢材を使うと伸縮するために反りやゆがみ、割れがあり、キズが付きやすいという懸念点があります。水ぶきができないので日々のお手入れにも気を使います。

メリット

  • ・癒し効果が高い
  • ・ナチュラル感が高い
  • ・調湿・吸音など機能性が高い

デメリット

  • ・反り、ゆがみが起こる
  • ・割れ、キズが付きやすい

無垢のフローリングについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。

無垢フローリング『樹種』の選び方|特徴と実例を紹介

5.タイル

▲ キッチンの壁の一面をタイルに。高級感がありスタイリッシュ(美想空間 施工例)

キッチンや洗面室など水回りに使われ、アクセントとして使われることが多いタイルの壁。デザイン性が高く、高級感をかもしだします。タイルは高価ですが、耐久性・耐火性・防水性などが高く、メンテナンスもほとんど不要なため長期的に考えるとコスパがいいと言えるでしょう。大判タイルを使えばスタイリッシュに、モザイクタイルを使えば可愛く、など表情もさまざまです。

メリット

  • ・デザイン性が高い
  • ・高級感がある
  • ・耐久性・耐火性・防水性など高機能
  • ・メンテナンスがほぼ不要

デメリット

  • ・高価(長期的に見ればコスパがいい)

タイルの取り入れ方については、以下の記事で詳しく紹介しています。

素材で選ぶインテリア。「タイル」がもたらす上質で愛着ある空間

壁材のメリット・デメリット比較

それぞれの壁材のメリットとデメリットを表にすると以下になります。

壁材

メリット

デメリット

1.クロス貼り
(ビニールクロス)

・デザイン豊富

・メンテナンス性が高い

・安価、施工しやすい

・通気性が悪い

・つなぎ目がある

・劣化するとはがれる

2.塗り壁(ペンキ)

・デザイン性が高い

・色にこだわることができる

・劣化が早い

・メンテナンスが大変

3.左官壁
(しっくい、珪藻土など)

・天然素材

・風合いがある

・調湿効果、消臭効果がある

・コストが高い

・ひび割れが起こる

・メンテナンス必須

4.板張り(木材)

・癒し効果が高い

・ナチュラル感が高い

・調湿・吸音など機能性が高い

・反り、ゆがみが起こる

・割れ、キズが付きやすい

5.タイル貼り

・デザイン性が高い

・高級感がある

・耐久性・耐火性・防水性など高機能

・メンテナンスがほぼ不要

・高価

(長期的に見ればコスパはいい)

専門家に聞く、壁材の選び方

壁材の種類や違いは分かっても、自分たちはどれを選んだらいいのだろうとお悩みの方も多いと思います。そんなお悩みにアドバイスをしていただこうと専門家にインタビューを行いました。

株式会社美想空間 2級建築士・プランナー
野本 真由さん

ワンストップ型リノベーション会社の株式会社美想空間で、住宅はもちろん、店舗や宿の内装も手掛けているプランナーの野本さんに「壁材の選び方」について詳しく聞きました。

──壁材の選び方について教えてください。

野本さん「壁材を選ぶ際には3つのポイントがあります。まず一つ目はお手入れの点。お手入れが大変だと日々の生活にストレスを感じてしまいます。キズや汚れが気になってしまう方はお手入れしやすいクロスがいいと思いますし、ひび割れも風合いのひとつだというような考え方の方は左官壁で満足するでしょう」

──二つ目のポイントを教えてください。

野本さん「現在の事だけでなく、将来のことも考えて選んだ方がいいでしょう。例えば夫婦ふたりで暮らす時は大人っぽい雰囲気にこだわるのもいいですが、子どもが産まれておもちゃなどがいっぱいある空間に大人っぽい壁は似合わないですよね。また、子ども部屋を可愛らしい壁にしてしまうと、成長してから似合わないこともあります。なので、世界観を決めてしまうような個性的なデザインにする際は、将来のことも考えて決断した方が良いと思います。どうしても奇抜な壁にしたいという方はトイレやウォークインクローゼットなどの狭い空間から始めてみてはどうでしょうか。」

──三つ目のポイントを教えてください。

野本さん「三つ目は何を主役にするか、という点です。お気に入りの家具を空間の主役にしたいなら壁はシンプルにした方が映えます。好みが変わりやすく、家具をコロコロ変えたいという方もシンプルにした方がいいかもしれません。逆に、壁を主役にしていつも眺めていたいという方もいらっしゃいます。例えばタイルが好きで、洗面室を好きなタイルの壁にした方が『家事をしたくないなと思う時も、タイルを見ればほっこりして気分が良くなります』という話を聞かせてくれました。暮らしの主役にしたいものを考えるのも選び方のひとつですね

──野本さんならどの壁材を選びますか?

野本さん「シンプルなクロスです!私は住空間の主役は暮らす人だと考えています。シンプルなクロスなら、暮らす人が中心になる住空間になるので。それに、お手入れの点ですね。しっくいもカッコよくていいなと思いますが、やっぱりひび割れが気になります。塗装壁と左官壁の中間くらいのモールテックスという壁材もあり、しっくいよりもひび割れしにくいと言われていますが、それでも数年でひび割れはします。
拭き掃除ができて、汚れにくいクロスが一番お手入れの面でラクです。お客様でも悩んでいる方にはシンプルなクロスをおすすめしています。クロスの上から塗ることができる塗料もありますし、クロスの上から貼ることができるタイルもあります。なので、悩んでいるなら最初はシンプルに。変えたいと思った時に塗ったり、タイルを貼ったりしてもいいと思います。長く住み続けることを考えてもクロスがいいかなと思っています。」

──「悩んでいるならシンプルに」ですね。貴重なアドバイスありがとうございました!

壁材のコストを比較すると?

壁材の費用感についても野本さんにうかがいました。
それぞれグレードがあり、高い商品も安い商品もありますが、あくまで一般的にという観点で比較すると以下になります。

クロス<塗り(塗装)<左官(しっくい、珪藻土など)<板張り<タイル

コスト的にはクロスが一番安く、タイルが高いというイメージです。
※標準的なもので比較した場合です。それぞれの素材の中でもグレードがあり、順番が変わる場合はあります。

個性を求めたいなら、「紙クロス」も

クロスの主流はビニールクロスと紹介しましたが、「紙クロス」も少数派ではありますが使用されています。紙クロスはビニールクロスに比べて水に弱いのでお手入れが難しいところがありますが、“個性的”という点では紙クロスが一番ではないでしょうか。

というのも、紙クロスは欧米から輸入するものもあり、キャラクターものや海外ブランドとコラボしたものなど柄が個性豊か。また、日本の和紙を使った紙クロスなどもあり、オリジナリティがあるものが多いです。ウォークインクローゼットの中やトイレなどに使ってみると、自分らしい空間になりますよ。

▲ 柄が個性的な輸入した紙クロス。(美想空間 施工例)

まとめ:内装の壁材はどう選ぶ?

様々な壁の種類を紹介しましたが、それぞれメリット・デメリットが異なります。
家を建てた方に取材をした経験値から実感するのは、

コスト重視派=クロス
デザイン重視派=塗り壁、タイル
自然素材重視派=板張り、左官壁(しっくい・珪藻土)

を選んでいるイメージです。

また、塗り壁や左官壁を希望する方で、自分たちで塗ってコストを削減しようと試みる方がいらっしゃいますが、多くの方が後悔しています。というのも、初めての壁塗装は考えている以上に大変な作業で、思ったよりコストも削減されません。思い出づくりのために一部の壁を家族で塗ってみるという程度ならいいですが、全面、自分たちで壁を塗るのは危険かも…とお伝えしておきます。

セルフリノベーションは本当に安い?費用と工数の落とし穴|セルフリノベ入門Vol.1

内装の壁材で悩まれている方は、専門家のアドバイスを参考にしてみましょう。もちろん、全居室が同じ壁材でなければいけないというわけではないので、1階はしっくい、2階はクロスなどミックスさせるのもいいでしょう。あなたや家族に最適な壁材選びを楽しみましょう。

取材協力

株式会社 美想空間

中古物件購入からサポートしてくれるワンストップ型のリノベーション会社。一戸建てのリノベーションが得意で、住む人の安心・安全・快適をベースとした上で、あそび=日常生活の余白を楽しめる家づくりを提案。大阪港駅から徒歩2分にあるKLASI COLLEGEでは、リノベーションセミナーやワークショップなどのイベントを随時開催。おしゃれなキッチンなどのショールーム、カフェ、キッズルームもあり、リノベーションのワクワク感を体感することができます。

▲ 築70年の建物をリノベーションした
KLASI COLLEGE

▲ 受付では日替わりでスタッフが
お出迎えしてくれる

ライター

住宅ライター / プロインタビュアー

大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材。実際に家を購入した方、建てた方のインタビューも多数実施。

この記事をシェアする

おうちのネット回線を
eo光でもっと快適に

アドバイザーに相談

自分にあったプランを選ぶ

eoの取り組み

Category

メールマガジン登録
PAGETOP