おしゃれな家づくり

2023.06.23

ペットと快適に暮らせる家づくり。工夫やアイデアの事例と注意点

犬や猫などペットを新しく迎えたいけど、ゲージなどペット用のグッズを置くとお家の中が片付かなくなるし、ニオイの問題もあるし…と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

ペットにも、暮らしやすい環境があります。それを考えずに家づくりをすると、せっかく新築のおしゃれな家を建てたけど、ペットの問題行動でボロボロに…なんてことにもなりかねません。
ペットの習性や行動を理解した上で住まいを整えると、ペットと暮らす時に気になる問題も解決できます。犬も猫も心地よく、快適に暮らせる家づくりの工夫とアイデアの事例を紹介しましょう。現在、ペットと一緒に暮らしているという方もぜひ参考にしてください。

ゲージの場所も工夫すればこんなにおしゃれ!

「ゲージに閉じ込めるのはかわいそう…」「ゲージってそもそも必要なの?」という考えをお持ちの方、大きな間違いです!
猫も犬も狭くて暗い場所は安心でき、寛げる場所なのです。ゲージはペットの個室と考えて、必ず場所を確保してください。

お家を建てる際には、ゲージと同様のペットスペースをつくることを考えて設計することがおすすめです。階段下などデッドスペースを活かすとおしゃれなLDKのコーディネートの邪魔になりません。

▲ LDKは落ち着いたデザイン、ペットスペースは階段下に。キュートなデザインでコーディネート(ビーバーハウス 施工例)

DIYで工夫することもできます!

また、新たにペットを迎える際には、ゲージと収納スペースを組み合わせてみてはいかがでしょうか。ペットグッズは意外と多いので、一か所にまとめてスッキリさせると便利に使えて片づけやすいです。

▲ ゲージにDIYで収納棚を組み合わせると便利で使いやすい

滑りやすい床は危険!ワックスやマットで工夫を

フローリングなどツルツルする床はペットにとって非常に危険です。特に小型犬種のトイプードルやチワワなどは「横すべり」が原因となって膝にあるお皿のような骨が外れてしまう病気になりやすいと言われています。

また、人間同様、ペットもシニア期に入るとよりツルツルした滑りやすい床はケガの危険性があります。最初から床の素材を滑らないものにすることをおすすめしますが、天然木の風合いを活かした床や白いタイル調の床などにこだわりたい、という方には滑り止めのワックスを塗ることを検討してください。

▲ すべらない床材ならシニア期になっても安心

 

▲ 素材感を活かした木目調でありながら、クッション性が高い床材も

また、フローリングの上にタイルカーペットを敷くという方法もあります。マンションにお住まいならこちらをおすすめします。
ペットが走り回る音は意外と階下に響きます。そういった音問題を解決するためにも、クッション性が高いマットを選びましょう。マットは一枚で大きいものよりも、ブロックになっていて汚れたら取り換えられるものの方が機能的です。

▲ マンションならコルクマットなど音も吸収する素材がおすすめ

 

専用出入口、キャットウォークでストレスがたまらない工夫

犬や猫が前足をちょいちょいっと動かしてドアを開けるシーンは、見ているだけならカワイイですが、ドアが開けっぱなしになってしまいます。寒いときはせっかく温まった部屋の温度が下がりますし、夏はその逆。光熱費も心配です。しかし、ペットは自由に動き回りたいもの。ドアをひっかいてキズだらけにしてしまう恐れもあります。この問題はペット専用の出入口を付ければ解決します。

▲ マグネットストッパーが付いているので、くぐり戸はピッタリ閉じる (ビーバーリフォーム施工例)

また、猫は高い所が大好き。キャットウォークや猫階段があれば家の中で退屈せず、思いのまま楽しく過ごせるでしょう。ただ、吹き抜け上部など掃除ができない場所をキャットウォークにすると、猫が動くと同時にホコリが降ってくる、なんてことも。また、猫は高い所から落ちてもケガをしない、というのは都市伝説。打ち所が悪ければしっかりケガをします。その点は注意しましょう。

 

▲ キャットウォークがあれば、お外に出られない猫の運動不足解消にもなる (ビーバーリフォーム施工例)

また、猫が思いっきり爪を研げる場所を用意してあげるのも大切な事です。爪とぎの場所が猫にとって不満足だと家具や壁をガリガリしてしまう事も。しっかりした爪とぎの場所がひとつあれば、おしゃれなソファがボロボロになることはありません。

▲ 「爪とぎは猫用階段で」と決めてしつけしておけば、他の場所を傷つけない



悩みで多いニオイ問題。解決法はニオイを残さないこと

ペットと暮らす上で最も悩まれる方が多いのは「ニオイ」。犬や猫自身はシャンプーをすればニオイはさほどありませんが、問題はトイレを室内でする場合。どうしてもニオイが残る、という方は拭き残しがある場合があります。注意したいのは以下の3つ。

  • ・床と壁の隙間に入ってしっかり掃除ができていない
  • ・床の模様や色で気づかない
  • ・ペットシートの吸収率が悪い

ペットのトイレは部屋の隅に置かれることが多いため、的を外してしまっておしっこが壁にかかってしまった、という事はよくある話です。その場合、壁は拭いても壁と床のつなぎ目におしっこが入り込んでしまい、ニオイが残ってしまうことがあります。これを解消するには、つなぎ目をつくらず拭きやすい状態にすること。おしゃれ感は無くなりますが、トイレのまわりにペットシートを貼っておくことも一つの方法です。

また、床の模様や色がペットのおしっこと同化してしまって、ペットのおしっこを気付かずスリッパで踏んでしまい、そのまま家中を歩いている場合もあります。スリッパの裏面も拭く事も忘れずに!

さらに、ペットシートや猫用トイレの砂はこまめに取り換える事も重要です。お留守番が長くてなかなか変えられない場合は、ペットシートの吸収率が高いものを使用してください。猫用のトイレは自動洗浄する高機能なものがありますので、そちらもおすすめです。

専門家に聞く「ペットと暮らす上で、注意したい点」

お家の中でいつもペットを見守ることができればいいですが、ペットにはお留守番もしてもらわなければいけませんし、人にとっては心地よくてもペットにとっては居心地が悪い環境もあります。では、ペットが安心して快適に暮らすためには、どういったところを注意したらいいのでしょうか? 専門家に聞いてみました。

▲ 犬の幼稚園「アットホーム」代表 田中大二郎さん

―ペットにとって「住みづらい家」とはどんな家ですか?

田中さん:まず、暑すぎる・寒すぎるなどの極端な室内温度が住みづらい環境になります。ワンちゃんなら暑さは苦手ですし、ネコちゃんは寒さが苦手。特に、真夏の暑い時期にクーラーをかけずにお留守番をさせると、熱中症になる危険性があります。適温を保つように、室内温度には気を付けてください。
ちなみに、ペットのために扇風機で風を当たるようにする方がいらっしゃいますが、ペットは扇風機では涼しくなりません。なぜなら、汗をかかないからです。換気や空気を循環させるという目的なら扇風機は役に立ちますが、直接的に体温は下がりませんのでご注意を。

―なるほど。空調には注意しなければいけませんね。では、ペットの家庭内での事故は多いのですか?

田中さん:家庭内の事故は多いですが、事前に防げる場合がほとんどです。まずは危険なところに入らないようにすることが重要。浴室に入り込んで石鹸をかじったり、カミソリをかじってしまったりする事故はよくあります。浴室には入らないように必ず扉を閉めるようにしてください。
また、キッチンにも危険はたくさんあります。ネコちゃんの場合、料理中にキッチンに飛び上がって来ることもあります。油をなめたりすることも。キッチンには入らないようにしつけるとともに、ガードもしっかりしてください。
それから、コンセントにも注意が必要です。コンセントをなめて感電するという事故もあります。家を建てる際にコンセントの位置を指定できるならば、高めに設定してください。また、使っていないコンセントはカバーをするなどの工夫もしてあげてください。

▲ 危険な場所には入らないようにすることが大切

田中さん:観葉植物にも気を付けてください。おしゃれなお家には観葉植物が良くありますが、種類によってはペットにとって毒性のものがあります。ポインセチアやモンステラなどはワンちゃんが食べてしまうと中毒症状を起こす場合があります。ペットの身近に観葉植物を置く場合は、しっかり調べてください。

▲ 観葉植物には充分注意が必要!


―そのほか注意する点はありますか?

田中さん:ペット用の見晴らし窓をつくる場合がありますよね。外から見たらペットの姿が見えてとてもかわいいですが、良く吠えるワンちゃんは動くものに対してずっと吠えてしまう場合があります。ご近所さんに対して迷惑になる場合もありますので、閉じることができるようにしておくことをお勧めします。また、網戸にストッパーを付ける事もおすすめします。ネコちゃんは器用に網戸を開けることができるので、迷子にならないためにも対策をしましょう。

―ありがとうございました。

 

新築戸建てをご検討の方へ。入居後「しまった…!」にならないために

はじめての家づくりはわからないことだらけ。その中でもわからないままつい後回しにして入居後「しまった…!」になりがちなのが、すぐにネットが使えない、テレビが見られないなどの通信環境の計画漏れです。このような事態を避けるためには「建築前からの計画」が大切です。

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最後に

犬や猫などペット暮らすことは、癒しになるだけではありません。ペットは時には親子やきょうだいのような、そして時にはベストフレンドのような関係で心の支えとなってくれます。そんな大切な家族の一員であるペットには、できるだけ良い環境で心地よく暮らしてほしいものですね。お家のおしゃれさを優先するか、ペットの暮らしやすさを優先するかではなく、両方とも兼ね備えた家づくりでペットとの暮らしを楽しみましょう!

取材協力

犬の幼稚園 アットホーム

小型犬のみを預かり、一日8頭限定の犬の幼稚園「アットホーム」。1頭1頭の個性を大切にして社会化、勉強を行うので、問題行動の解決が早いと評判。また、ご自宅に訪問しマンツーマンでトレーニングを行う訪問しつけにも対応。小型犬はもちろん、中型犬・大型犬のお悩みにも親身に寄り添い、解決してくれる。

筆者

著者

住宅ライター/プロインタビュアー 大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。

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