公開日2025.12.11
トイレは壊れる前のリフォームが正解!おしゃれなアフター事例も
ワンランク上の理想を叶えるリフォームのコツ「トイレ」編です。
前回の記事で、洗面所は電気系統の設備ではないため故障が少なく、なかなかリフォームを決断できないと述べましたが、トイレはその逆です。温水洗浄便座のおしり洗浄が使えなくなった、便座が温まらないなど故障があればすぐにリフォームしようと思う場所です。
前回の記事:洗面所の「狭い」「収納がない」は、リフォームで解決!おしゃれなアフター事例
ですがトイレは、壊れてからの“設備交換リフォーム”ではなく、壊れる前の“整えるリフォーム”として検討してみてはいかがでしょうか?トイレ本体の周辺を見渡してみると、リフォームしたら快適になることはたくさんあります。
トイレが壊れる前にリフォームするメリットと、ビフォーアフター事例を紹介しましょう。
今のトイレにどんな不満がありますか?
家族が頻繁に使う場所であるトイレには、どんな不満があるのでしょうか?トイレに関する不満をまとめてみました。
・掃除が大変!
- トイレに関する不満の一番は「掃除」。トイレ掃除が好きという方はなかなかいませんよね。ですが、家族が頻繁に使う場所ですし、清潔にしておきたい場所。とにかく掃除をラクにしたいというのが一番の希望のようです。
・狭い、圧迫感がある
- トイレが狭いというのもお悩みのひとつ。トイレは立ったり座ったり、掃除をするなど、いろんな動作をする場所。その都度、壁やドアにぶつかったりするとストレスになります。あまりに空間が狭いと圧迫感を感じる人も。動作にゆとりがある空間を確保したいものです。
・収納スペースがない
- トイレットペーパーやお掃除道具、生理用品までトイレに収納したいものは意外と多く、収納スペースがないとそのための棚などを用意しないといけません。
・子どもや孫がトイレに行きたがらない
- 掃除に気を付けているとはいえども、薄暗く古い感じがするトイレには、子どもや孫が行きたがりません。特に孫がいる方は「おじいちゃんちのトイレ、汚いから行きたくなーい」と言われると、何とかしなければそのうち遊びに来てくれなくなるかもしれません。
・介護がしづらい、老後が不安
- トイレに段差がある、欲しい所に手すりがない、車いすでは入ることができないなど、介護には切実な問題です。両親の介護だけでなく、ご自身の将来も不安になります。わかっている不安は事前に取り除きたいものですね。
・寒い・暑い
- トイレに暖房やクーラーが付いている家はめったにありません。ですが、冬の寒いトイレにはヒートショックにつながる危険があります。ぜひとも対策をしたいところです。
専門家に聞く、快適なトイレにリフォームするコツ
不満や不安があるトイレから、快適で居心地のいいトイレにするためには、どんなリフォームをしたらいいのでしょうか?また、リフォームのコツなどはあるのでしょうか?
リフォームの専門家に詳しく聞いてみました。
株式会社ビーバーリフォーム プランナー
大田さん
株式会社ビーバーリフォーム プランナー
田村さん
──トイレのリフォームを希望する方はどのような方が多いですか?
大田さん:トイレは故障が原因でリフォームする方が圧倒的に多いです。温水洗浄便座の故障だけでなく、つまりなどもきっかけになりますね。トイレが使えなくなったら大変ですから、慌てて相談される方が多いです。
田村さん:掃除が問題の方も多いですね。とにかく掃除の回数を減らしたい、掃除をもっとラクにできるようにしたいなどの希望はよく聞きます。今のトイレは汚れにくいですし、自動で掃除してくれる機能などもありますから、リフォームすれば各段にお手入れはラクになります!
──リフォームすると問題は解決すると思いますが、より満足度を高めるトイレリフォームのコツはありますか?
大田さん:設備交換だけでなく、壁や床、天井も合わせてリフォームすることがコツですね。
まだ私が新人のプランナーだった時の失敗談ですが、お客様が「壁はキレイだからトイレと床だけリフォームしたい」ということで、その通りにリフォームしました。ところが数か月たって、「やっぱり壁も天井もリフォームしたい」と追加で工事を依頼されました。もし私が最初にすべて合わせてリフォームする提案をしておけば、お客様に2度工事をするという手間もとらせることはなかったですし、コストも下げることができました。
まだまだキレイだからと感じていても、どこかが新しくなれば、その他のところは古く見えてしまうものです。特にトイレは狭い空間ですから、古い箇所が気になりやすいです。トイレは床・壁・天井も合わせてリフォームすることをぜひおすすめします!
田村さん:床もリフォームするとなれば、バリアフリーにもできますしね。将来も安心です。
──例えば手洗いカウンターを付けたいとか、トイレを広くしたいという希望もリフォームで叶えられますか?
大田さん:もちろんです。昔と今では家の建て方が違うことが多いので、余剰スペースみたいなものがあるんです。手洗いカウンターなら壁の厚みを活かして埋め込み型のものを設置できますし、タンクレストイレにすれば空間が広がりますし、造り付けの収納を設置することもできます。
──トイレリフォームの注意点はありますか?
大田さん:トイレを広くしたいという方が結構いらっしゃいますが、広くしすぎるのは注意が必要です。というのも、掃除をする場所が広くなるのでお手入れが大変になります。また、広すぎると寒くなることもあります。トイレは適切な広さがありますので、リフォーム会社と相談しながら進めてください。
田村さん:たかがトイレのリフォームと思わず、トイレのリフォームだけでもリフォーム会社としっかり相談することも成功のコツだと思います。今のお悩みや不具合はもちろん、こんなトイレにしたいという機能面の話やデザイン面の話など、なんでも話すことがポイントです。もし、話がかみ合わなかったり、話すことがストレスに感じるリフォーム会社なら、思い切って他社をあたってみてもいいかもしれません。
トイレスペース全体リフォームの費用感は?
気になるのは費用感。トイレ交換だけのリフォームと、トイレ全体をリフォームする費用感を大田さんと田村さんにお聞きしました。
トイレ自体のグレードの高さや広さなど様々な面で変わりますが、
・トイレ交換のみ:約15万円~20万円
・トイレ交換+床+壁+扉:約40万円~50万円程度
※壁や床の素材によって費用は大幅に変わります。金額はあくまで目安ですのでご注意ください。
トイレだけを新品に変えるリフォームだと、便器や便座のお手入れなどはラクになりますが、床や壁などのお手入れは相変わらず大変なままです。壁や床もお手入れしやすく、汚れにくいものに変更した方がより満足度は高まるでしょう。
自慢のトイレに大変身!ビフォー・アフター事例紹介
生理現象があるからしかたなく行くトイレから、ほっと落ち着く自慢のトイレ空間になった一戸建てのビフォーアフターを紹介します。
トイレリフォーム事例【1】
▲ (Before)床も壁もタイル貼りのトイレ
▲ (After)掃除しやすい床と壁に。収納棚も造作(ビーバーリフォーム施工例)
床も壁も昔ながらのタイル貼りで無駄に広かったスペースを掃除しやすいコンパクトサイズに。さらに省スペースのタンク一体型のトイレにしたことで、背面の壁側にスペースができたのでもうひとつ壁をつくり(ふかし壁)、内側を収納スペースにしました。
これまで収納スペースがなかったので、壁の内側に収納をつくることで便利になり、スッキリとした清潔感あふれるトイレ空間に生まれ変わりました。
▲ ふかし壁にすることで収納スペースを確保(ビーバーリフォーム施工例)
トイレリフォーム事例【2】
▲ (Before)空間がせまくて動作がしづらいトイレ
▲ (After)タンクレストイレで空間にゆとりが誕生(ビーバーリフォーム施工例)
狭い上に扉が開き戸のため、タイミングが悪いとぶつかってしまう時もあったというトイレ。タンクレストイレにして空間にゆとりを設け、収納スペースも壁に備え付けたのでとても便利に。扉も引き戸にすることで、家族とぶつかる心配もなくなりました。
また、トイレのすぐ隣の玄関脇に手洗いカウンターを付けたことで帰宅時にも利用できるようになり、一石二鳥。北欧風のデザインで落ち着くエレガントな空間になりました。

トイレリフォーム事例【3】
▲ (Before)タイル張りで昔ながらのトイレスペース
▲ (After)黒をベースにモダンな空間へと大胆チェンジ(ビーバーリフォーム施工例)
昭和を感じるデザインのトイレから、壁・ペーパーホルダー、棚板、換気扇まですべて黒で統一。大好きなブラックインテリアをトイレ空間にも反映して、見せたくなるようなトイレスペースへと生まれ変わりました。
水回りのリフォームのコツ(キッチン・洗面台・トイレ)
これまで全3回にわたり、キッチン・洗面台・トイレのリフォームを紹介しましたが、水回りに共通するリフォームのコツがあります。
1.設備交換だけではなく、床や壁も見直す。さらに、水回りはまとめてリフォームすることで工期・コスト減!
- 故障してから慌てて設備交換だけをするのではなく、古くなって汚れが落ちない床や壁をあわせて変えることで理想のリフォームが叶います。また、まずトイレをリォームして、1年後に洗面台をリフォームして…と個別にリフォームするより、まとめて水回りをリフォームした方が片付ける手間も省けて工期が短くなり、コストもかかりません。さらに、キッチン・洗面室・トイレはまとめてリフォームする方が、無駄に広かったトイレの面積をすこし狭くして洗面室を広くする、など「できること」が増えてよりフレキシブルな工事ができるようになります。
2.提案力の高いリフォーム会社に依頼する
- 言ったことだけをするリフォーム会社より、プロの視点で先読みして提案してくれるリフォーム会社に依頼する方が満足度の高いリフォームにつながります。
3.担当者との相性も重視
- せっかくリフォームするのですから、ワクワクしながら楽しく打ち合わせをしたいものです。そこで話がかみ合わない、何度言っても忘れる、対応が遅いなどストレスを感じるような担当者だとせっかくのリフォームが台無しです。間違った解釈をせずに、話をよく聞いてくれる担当者と相談しながらリフォームを進めましょう。
洗面所の「狭い」「収納がない」は、リフォームで解決!おしゃれなアフター事例
設備交換だけじゃもったいない?キッチンリフォームで理想を叶えたアフター事例
リフォームは、設備を新しくするだけでなく、家事がラクになり暮らしも整います。ぜひとも満足度の高いリフォームができるよう、これらのコツを実践してみてください。
取材協力
株式会社ビーバーリフォーム
地域密着型で創立57年になるリフォーム専門会社。水回りの設備などの部分リフォームから耐震補強、全面改装などリフォームの事なら何でも任せられます。丁寧な説明と暮らす人の立場にたった親身な提案は地域の方から大好評。藤井寺・八尾・東三国にショールームがあり、キッズスペースもあるのでお子様とご一緒の相談も大歓迎してもらえます。
藤井寺ショールーム外観
ライター
住宅ライター / プロインタビュアー
大内 夏実
株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材。実際に家を購入した方、建てた方のインタビューも多数実施。





