おしゃれな家づくり

公開日2024.12.06

プランナーに聞く、家づくりで成功する人・失敗する人|戸建てをリノベーションしたい!【7】

リノベーションの醍醐味は何と言っても自分好みに振り切った家のプランが実現できること。今回はその理想を叶えるためのプランづくりに注目!
どうやったら自分好みのプランができるの?自分の希望を上手く伝えられるか不安…、などのモヤモヤを一気に解決します!

リノベーションのプランはどうやって作成する?

リノベーションの醍醐味は、築年数の古さを生かしながら、自分好みに振り切った家づくりが叶えられること。広い土間やランドリールームがある家などもプラン次第で叶えることができます。では、リノベーションで理想の住まいを実現するためには、どうすればよいのでしょう?

理想をカタチにするのは、プランナー

リノベーション会社に依頼した場合、こんな家にしたいという要望や好みのデザインをヒアリングし、間取り図や内装デザインなどの提案を含め、理想の住まいをカタチにするのはプランナーが担当します(リノベーション会社によってはデザイナー、設計士、営業が担当することもあります)。

また、プランナーは、予算管理や現場の進捗状況、工事内容のチェックまでを担当する場合もあります。

プランづくりの流れ

プランナーとのプランづくりは、以下のような流れになります。

ステップ1

プランナーとの打ち合わせからスタート。
まずはしっかり希望を伝えましょう。さらに毎日の生活スタイルや趣味などのヒアリングもあります。

ステップ2

打ち合わせをもとに、プランナーから間取りの提案をしてもらいます。
会社によっては複数案を用意してもらえる場合もあります。納得できるまで修正をして、間取り図を完成させます。

ステップ3

造作するものを取り入れるならば、それらの詳細を決め、キッチンや洗面台など設備も決めていきます。また、壁紙や床材をはじめ、様々な仕様を決めます。デザイン提案なども受けながら、こだわりのプランを完成させます。

初回打ち合わせまでに準備しておくこと

ステップ1のプランナーとの初回打ち合わせまでにしておいた方がいい準備があります。

1.好き!を集めておく

ネットやSNSなどで「こんな家にしたい」と思った写真はどんどんストックしておきましょう。
全体的なデザインからスイッチカバーなど細かいところまで、なんでも集めておくと、好みがプランナーに伝わりやすく、プランナーからの提案にズレがなくなります。また、どんな家にしよう?と悩んでいる方は自分自身の好みが明確になっていきます。

2.優先順位を決める

無垢材や漆喰など自然素材も使いたいし、ウッドデッキも付けたいし、造作家具も付けたいなど希望が膨らめば膨らむほど壁になるのは予算。予算内に収まればいいですが、予算オーバーした場合は何かを削らなければなりません。
リノベーションの一番の目的を軸として、希望に優先順位を決めておくと、予算で妥協したとしても納得できるプランに仕上がります。

これらの準備をしておくと、プランナーとのコミュニケーションも取りやすくなりますし、スムーズに打ち合わせが運びます。

▲ タイルや照明など細部まで「好き!」を反映することができるのがリノベーションの醍醐味!(美想空間 施工例)

自分の希望を伝えられるのか不安…。的確に伝えるためには?

頭の中の理想を的確な言葉で伝えらるか不安…という方もいると思います。そんな時は「なぜ○○を希望するのか」という理由を説明する方法がベストです。
例えば「広いLDKが希望」だけではなく、「家族みんなで料理ができて、子どもが勉強できて、ハンモックを吊るすことができる広いLDKを希望」と伝えると、プランナーは「ではアイランドキッチンがいいですね、勉強机代わりのカウンターを付けましょう、天井を高くして梁を見せると梁にハンモックが吊るせますね」など、どんどん提案してくれるようになるでしょう。
ポイントは、「こんな暮らし方がしたいからこれが欲しい」という理由を伝えて、プランナーの想像を膨らませることです。

▲ こんな暮らし方がしたい、と素直にプランナーに話すことが理想への近道(美想空間 施工例)

プランナーに聞く、成功するプランづくりのヒント

では、プランナーはどうやってプランを作成しているのでしょうか?
打ち合わせでヒアリングしている内容とは?家づくりで成功する人、そうでない人にはどんな違いがあるのか?いくつもの理想の住まいを実現させてきたプランナーを直撃してみました。

▲ 株式会社 美想空間 プランナー 中平華帆さん

──プランナーさんは打ち合わせ時にどんなことをヒアリングするのですか?

中平さん: まずは新しい家でどんな暮らしがしたいか?を聞きます。今の家では叶えられないけれど、新しい家ではこう暮らしたいというような「暮らし方」についてですね。また、今の家での悩みも聞きます。例えば、テレビの裏がタコ足配線になっていてぐちゃぐちゃとか、そんな軽いお悩みでもヒアリングさせてもらうと、どんどん出てくる方が多いですね。趣味についても聞かせてもらい、雑談ベースでヒアリングさせてもらいます。

具体的にイメージしやすいように、私自身の生活感もさらけ出しますね。例えば、私はズボラなんでできるだけ家事はしたくないと思っていて、洗濯物も畳みたくないのでハンガーで干したらハンガーでしまいたいのですがどうですか?とか(笑)。緊張せず、普段の生活や思っていることを話してもらえると想像しやすいのでありがたいです。

──そういったヒアリング内容からどのようにしてプランをつくるのですか?

中平さん:例えばアウトドアが趣味でキャンプも釣りもする方なら、家の中に入れたくはない道具がたくさんあるだろうなと思い広めの土間をご提案します。料理が好きで凝っている方ならきっと食器もたくさんあるだろうし、器に凝る方なら飾りたいかもしれないから見せる棚を付けます。

ヒアリング内容から連想ゲームのように暮らしをイメージして、パズルを組み合わせていくような感覚でプランを作成します。また、見た目の美しさより実際の使い勝手の良さを重視しています

▲ 土間を広げたり、玄関ホールにゆとりを持たせたり、プランナーのアイディアで理想の暮らしを叶えてくれる(美想空間 施工例)

──プランナーさん的に困ってしまうお客様とかはいらっしゃいますか?細かい要望をたくさん伝えても大丈夫ですか?

中平さん:まず、たくさん要望を伝えてくれる方に関しては大歓迎です!むしろ、言ってほしい(笑)。その中で、できること・できないことをしっかりご説明します。たまに現実的に無理なご希望を言われる方もいらっしゃるのは事実です。例えば、面積が狭いのに大きなファミリークローゼットと個室が3つ欲しいと言われたら、この広さなら個室は2畳ほどになってしまいますよ、とこちらもはっきり伝えます。ですので、希望を言いすぎたら嫌がられるとは思わないでほしいです。

困るというか、不安になるお客様は「中平さんに全部お任せします」と言われる方です。完全に任せてもらえると「私の家みたいになっているけど大丈夫かな…?」と不安になることがありますね。

──提案したプランが気に入っていないようだったら、どうしますか?

中平さん:まず、プランのご提案は2案以上させてもらいます。そこで、どこが嫌なのか、どこがいいのか言ってもらえると嬉しいですね。例えばキッチンが丸見えなのはいや、とか収納が少ないとか言ってもらえると、次の改善案につながります。

──プランづくりにおいて軸にしていることはありますか?

中平さん:予算管理ですね。ご希望通りの気に入ったプランをご提案したとしても、予算オーバーになってしまったらあきらめなくてはいけません。そうなると後悔や不満につながるので、夢を叶えつつ、予算で叶う現実感があるプランをご提案します

また、リノベーションは新築と違い、後からでもできることがあります。ですので予算オーバーになってしまう際は後からしませんか、という話もします。例えば、お子様が小さくて個室はまだ使わないという状況なら、子ども室になる予定の個室は5年後とか10年後とか必要になる時に内装に手を加えたらどうですか?とか。でも、外壁塗装や屋根の葺き替えとなると、予算がかかるのでこの部分は最初のローンに入れておいた方が安心ですよ、というようなご提案をします。

──こういう人は成功しやすい、こういう人は失敗しやすいというような傾向はありますか?

中平さん: 成功しやすい人というか、満足感が高い方は優先順位を付けて、予算感を把握している方ですね。逆に満足感が低い方は譲れない条件が多すぎて削れない方。潤沢な予算があればいいのですが、そうでない時にその違いが出ます。例えば、やりたいことをすべて叶えると予算オーバーしてしまう時に、寝室や子ども室や外構はいったん後回しにして、毎日使うキッチンや洗面化粧室を充実させようと考える方は満足度が高いです。
「いや、どこも譲れない」という方は予算内ですべて叶えようとするので、全体的にグレードを下げてしまい中途半端な結果になってしまいます。予算にメリハリをつけてバランスをとり、全体的に中途半端になるより、ケチってはいけないポイントを充実させることが重要ですね。優先順位と予算感。これがキーワードになります。


──ありがとうございました。

リノベーションで成功する人・失敗する人 まとめ

リノベーション後も理想の家に育てていく感覚を

今回は主にプランづくりについてプランナー目線でもお話を聞かせてもらいました。予算に限りがある場合は、最初に全部詰め込むのではなく、今できることをしておいて、後からできることはお金を貯めて後回しにしたり、DIYでするという考え方もアリ。 「最初から全部思い通りの家にしたい!」という気持ちもわかりますが、予算オーバーでやりたいことをあきらめるのならば、家を育てていく感覚で焦らずゆっくり進めていくと最終的には大満足の家になるかもしれません。

また、リノベーションに限らずですが、家族間で意見が違うと時間がかかってしまうので、なんとなくの方向性や希望の優先順位など、家族間の話し合いは事前にしておきましょう。

取材協力

株式会社 美想空間

中古物件購入からサポートしてくれるワンストップ型のリノベーション会社。一戸建てのリノベーションが得意で、住む人の安心・安全・快適をベースとした上で、あそび=日常生活の余白を楽しめる家づくりを提案。大阪港駅から徒歩2分にあるKLASI COLLEGEでは、リノベーションセミナーやワークショップなどのイベントを随時開催。おしゃれなキッチンなどのショールーム、カフェ、キッズルームもあり、リノベーションのワクワク感を体感することができます。

▲ 築70年の建物をリノベーションした
KLASI COLLEGE

▲ 受付では日替わりでスタッフが
お出迎えしてくれる

筆者

著者

住宅ライター/プロインタビュアー 大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。

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