公開日2025.08.26
簡単に作れて実用的!キャスター付きハンガーラックをDIY

eo光チャンネルで放送中の番組『sumica 住まいの神アイデア!』。今回はおしゃれで便利なハンガーラックを作るDIYアイデアをご紹介します。
DIYで作った「ハンガーラック」があれば毎日がちょっとラクになる…?

『sumica 住まいの神アイデア!』は、ナビゲーターであるお笑いコンビ・アルミカンのさおりんとマッチョ赤阪の二人が、暮らしや住まいに関するアドバイザーのみなさんからあっと驚く“神アイデア”を教えていただくハウツー番組です。
今回は番組で何度もお世話になっているDIYクリエイターMilyさんと一緒にハンガーラック作りに挑戦。ハンガーラックを自分で作るなんてハードルが高そう…と思われるかもしれませんが、加工済みの木材を使用するため、ペンキ塗装の必要がなく簡単に作れるそう。
教えていただいたのは

DIYクリエイター Milyさん
未経験からDIYを独学で学び、その歴10年。現在ではご自宅の壁や床などの内装からキッチン、家具まで自分好みにリフォームしている。
洗濯物を畳まず収納できるキャスター付きハンガーラックをDIY

▲ ハンガーラック完成イメージ(Milyさん作)
今回DIYするのは、Milyさんがご自宅で実際に使われているキャスター付きハンガーラック。洗濯物は物干し用ハンガーから外して、畳んで、お部屋の洋服タンスにしまう…と片づけるまでの手間が多いもの。少しでもラクになるようにと、洗濯物を畳まずそのまま掛けて収納できるハンガーラックを思いついたそうです。
ポイントは、キャスター付きの可動式ということ。洗濯物をかけたら、そのままお部屋へ移動させ、家具として使うことができます。

▲ ハンガーラック完成イメージ(Milyさん作)
まずはDIYの基本、設計図の書き起こしからスタートです。お家のどこに置くか、誰が使うのか…などを考えながら完成品をイメージし、木材のサイズや数を割り出します。

▲ 設計図とともに準備する「木取り図」(Milyさん作)。サイズを割り出し、必要な木板の数を書き出します。
続いて、DIYに必要な材料探しです。訪れたのは大阪府松原市にあるホームセンター「ハンズマン」。木材と材料を探すうえでのポイントは5つ。
1.強度を保てる厚みのある木材を選ぶ

木材の売り場に目をやると、それぞれ素材の種類や金額とともにサイズが記載されています。長さはのちほどカットして調整するため、奥行き(300mm)に合うサイズの板を探します。
今回は「移動のしやすさ」「ハンガーと壁面の干渉防止」を目的に、あえて「背板」を取り付けないラックを作ります。背板とは収納家具の背面に取り付けられる板のことで、強度を保つ役割があります。
その分、本体となる木板には厚みのあるものをチョイス。18~25mm程度のもので、強度を確保します。
2.塗装しなくてもOK!
アンティーク調な「エイジングボード」をチョイス

DIYをするうえで時間も手間もかかる塗装は、初めてトライする方には少しハードルが高いもの。そこで今回は塗装なしでも使える木材「エイジングボード」をチョイス。
新品の板材に古材の風合いを加工したエイジングボードは、そのまま使用できて見た目もおしゃれ。簡単DIYのアイテムとして、ぜひ押さえておきたいですね。ハンズマンのカットサービスを利用して、購入した木材をカットしてもらいました(1カットにつき30円)。
つづいて部品のポイントはこちら。
3.デザイン・耐荷重・設置しやすさ3拍子揃ったつっぱり棒

ラック部分のパーツとしてMilyさんが選んだのは、DIYパーツブランド「ラブリコ」のつっぱり棒。ラブリコのつっぱり棒は黒のアイアンで見た目もおしゃれ。ビスを止めて固定するため、耐荷重は40kgまでOKです。
4.木材の色になじむカラービス

お店に並ぶたくさんのビスのうち、Milyさんが迷わずピックアップしたのが、頭の部分が黒く塗られたビスです。一般的なビスはむき出しのためシルバーが悪目立ちしやすいですが、黒いビスなら木材の色やつっぱり棒の黒とも調和してくれます。
5.移動も固定もできるロック付きキャスター

キャスターは360度に回転して動かしやすいものを選択。家具として使う際に固定しやすいよう、前方用にはロック付きキャスター2個を購入しました。
準備したもの

- ・エイジングボード(1250×300×18㎜)×2…側板用
- ・エイジングボード(550×300×18㎜)×3…天板・棚板・底板用
- ・スリムビス40㎜×12本
- ・伸縮アイアンロッド(つっぱり棒)(500~700㎜)×1本
- ・キャスター(ストッパー有×2、ストッパー無×2)
- ・キャスター用トラスタッピング16㎜×16本
- ・ボンド
【材料】
【工具】
- ・インパクトドライバー
- ・曲尺(かねじゃく)
材料費は全部で約15,000円。自宅のレイアウトに合わせて作れるオーダーメイド家具と考えれば、とてもリーズナブル。木材とパーツがすべて揃ったところで、組み立てスタートです!
1.ビスの位置の印をつける

まずは、木板にビスを打つ際のガイド(印)を付けていきます。側板を作業台に寝かせ、上端から9mm(天板の厚み18 mmの半分)と横端30 mmの位置に印をつけます。棚板、底板を設置する場所にも同様に印をつけます。さらに棚板を設置する箇所には線を引いておき、取り付けやすいように準備します。
2.下穴をあけ、ビスを仮止めする

印を付けた位置すべてに、下穴を開けていきます。インパクトドライバーの先端が板と垂直になるように当て、上からまっすぐに刺し込んでいきます。下穴を開けておくことで、この後ビスを打つ作業がしやすくなります。
3.ボンドで天板を固定する

側板と天板をボンドで固定します。ハンガーラックを今後解体する可能性がある場合は接着をおすすめしませんが、強度アップのためにはボンドを使用したほうがベターとのこと。

このとき注意したいのが、ボンドの量です。しっかり固定させたいからと、たくさん塗りすぎると、はみ出して見た目を損なってしまうことも。スーっと一本の線を描くように塗る程度で十分です。万が一はみ出てしまった場合は、完全に乾く前にウェットティッシュで拭き取れば対処できます。
4.天板と底板を取り付ける

ここから本格的にビス打ちを開始。ボンドで固定した側板と天板をビスで打っていきます。

コーナークランプがあれば、一人でもビス打ちできる!
直角に交わる木材を固定できるコーナークランプを使えば、ビス打ちがとってもスムーズに。一人でも作業ができるお役立ちアイテムです。
【DIY】直角固定がラクになる!コーナークランプの使い方
5.棚板を取り付ける

続いて、棚板を取り付けます。天板と同じく、棚板にボンドを塗り、先ほど書いておいた線に沿って貼り合わせます。


次に、定規を使って正確な幅を確認したうえでビスを打ち込みます。
6.つっぱり棒を取り付ける

板をすべて取り付けたら、ラック部分のつっぱり棒を設置します。取り付ける位置は、ハンガーが取り出しやすいか、使う人の身長に合っているか(例えばお子さんの場合、背が届く高さになっているか)を確認しながら決めます。


設置する場所に印をつけて、桐で穴を開けたら

付属のソケットをビス止めし、両側に取り付けます。

ソケットにつっぱり棒をはめ、くるりと回せばしっかり固定されます。
7.キャスターを取り付ける

最後に底板部分にキャスターを4つ取り付けます。桐で下穴を開け、インパクトドライバーでビスを刺し込めば…完成です!


▲ ラック上部に設けた棚は、タオルや小物を収納できるスペースに。この一枚を設置することで、本体の強度もアップします。
最後に

雰囲気のあるアンティーク調の木材にアイアンラックが組み合わさった、おしゃれなハンガーラックが完成しました。これまでさまざまなものをDIYしてきたアルミカンの二人も「1、2を争う簡単さ!」と太鼓判。既製品の組み立て式家具と同じくらいの感覚で作ることができたそうです。
ご自宅の雰囲気や用途に合わせて、仕様も色も自由に選べるのがDIYのいいところ。サイズを変えてみたり、棚を増やしたりと、あなたの作りたい!に合わせてアレンジも可能です。毎日のちょっとした面倒を解消してくれる便利なキャスター付きハンガーラック、ぜひ一度作ってみてはいかがでしょうか。