公開日2025.10.20
リーズナブルな『カフェ床材』でつくる、簡単ボックスシェルフ

eo光チャンネルで放送中の番組『sumica 住まいの神アイデア!』。今回は基本に立ち返り、木板とビスで作る、簡単ボックスシェルフDIYをご紹介します。
DIYのキホンに立ち返る!簡単ボックスシェルフをつくろう

『sumica 住まいの神アイデア!』は、ナビゲーターであるお笑いコンビ・アルミカンのさおりんとマッチョ赤阪の二人が、暮らしや住まいに関するアドバイザーさんからあっと驚く“神アイデア”を教えていただくハウツー番組です。
教えていただいたのは
今回教えていただいたのは、番組で何度もお世話になっているDIYクリエイターのMilyさん。塗装も難しい技術も不要、DIYの基本である「ビス打ち」だけで作れるボックスシェルフの作り方を伝授していただきました。

DIYクリエイター Milyさん
未経験からDIYを独学で学び、その歴10年。現在ではご自宅の壁や床などの内装からキッチン、家具まで自分好みにリフォームしている。
「簡単」「床材」「コの字」!Mily流ボックスシェルフ3つのポイント
自由自在な組み合わせを楽しめる「ボックスシェルフ」。長年DIYをされているMilyさんならではのこだわりポイントは以下の3つです。
1.4枚の板を8本のビスで組み立てるだけの簡単DIY

木板にインパクトドライバーでビスを打ちこむというシンプルな作業のみで完成するボックスシェルフ。「何か一つ作ってみたい!」というDIY初心者の方にぴったりの作品です。
2.リーズナブルで丈夫な「カフェ床材」を使用

昨今の物価高騰のあおりを受けるのは、DIY材料もしかり…。そんな今こそおすすめなのが、カフェなどで使用される「床材」。一般的な床材と比べて最小限の加工が施されているため、良心的な価格が実現しているそうです。今回購入したのは、1枚1,000円とかなりリーズナブルな国産杉材。その厚みと見た目は、高級感すら感じられます。

この床材、側面をみると左右の辺が異なる形状をしています。これは「矢筈継ぎ」と呼ばれる隣り合う床材を隙間なく敷きつめるために施されている加工だそう。一般的な木材には見られない特殊な形状は、デザインのアクセントとして生かすこともできます。

▲ 床材を側面から見た図
ホームセンターのDIY木材はどう選ぶ?種類と用途をプロが解説
3.「コの字」をプラスして、“使える”ボックスシェルフに

4辺で構成される「ロの字」型と、3辺の「コの字」型を作ることで、ボックスシェルフの使い道がうんと広がるとMilyさん。

「例えば、枠の内側に置けば収納を2倍にできます。縦に置くとオブジェなどを飾る小窓にもなりますよ(Milyさん)」。もちろん、コの字の単体使いもOK。キッチンや玄関などの余った空間を収納スペースにしたり、鉢やランプなどを飾る台にしたりと大活躍です。
ボックスシェルフのポイントをおさえたところで、実際にDIYしてみましょう!
ボックスシェルフづくりにトライ!
1.設計図を書く

まずは、作りたい高さや奥行きに合わせて、設計図を書いていきます。正方形のロの字を作る際に注意したいのが、「すべての辺が同じ長さではない」ということ。側板の長さは、完成形の全長から天板・底板の厚みを差し引いたサイズになる点に注意です。

2.木取り図を書く
設計図を書き終えたら、必要な木材のサイズと点数を記した木取り図を準備し、ホームセンターなどでカットしてもらいます(ハンズマンでは1カットにつき30円)。


【失敗しないDIY】設計図は意外と簡単?手描きとExcelを使った描き方
それでは組み立てをスタート。まずは、ロの字の正方形と長方形を組み立てます。準備するものはこちら。

【材料】木材、ビス、ボンド
【工具】・インパクトドライバー、差し金(曲尺)
1.完成イメージを確かめる

シンプルなつくりとはいえ、いきなりビスを打ち始めるのはNG!準備した木材を仮組みしながら、自分の目で完成イメージを確かめましょう。
2.ビスを打つ位置に印を付ける

続いて、L字型の定規「曲尺(差し金)」と鉛筆を使って、ビスを打つ位置に印を書いていきます。
- 木材に印を付ける際、前もって曲尺の目盛部分にマスキングテープを貼っておくことで、測る手間を省くことができます。今回は3㎝と1.5㎝の部分にマスキングテープを貼り付けています。
3.下穴を開けて、ビスを軽く打ち込む

印を付けたら、インパクトドライバーを使って下穴を開け、自立する程度にビスを軽く打ち込みます。
4.ボンドで接着する

側板の接合部分にボンドを塗り、板同士がズレないように注意しながら接着します。ボンドがはみ出してしまった場合は、乾く前にウェットティッシュで拭き取れば取り除くことができます。
5.ビスを打ち込む

インパクトドライバーを使って、天板にビスを打ち込んでいきます(1面あたり4か所)。この時ビスをまっすぐ打てない感覚を覚えたら、木材の「筋」がジャマをしている可能性が。その場合はインパクトドライバーを逆回転させて一度ビスを抜き、下穴を貫通させておくことでスムーズに打ち込むことができます。
- 天板の真上からインパクトドライバーでビス打ちする場合、1枚目の側板のビス打ちは不安定になりやすく危険です。そんなときは、ビスを打つ前の片側の木材を差し込んでバランスを取ることで、安定し、打ちやすくなります。
底板側も同じようにボンドで接着し、4箇所にビスを打ち付けたら完成です。

同じ手順で長方形も作ること30分…。ロの字2つを1時間程度で完成させることができました。つづけて「コの字」を作ります。

コの字では、ビスを打った部分の見た目がよりきれいに仕上がる「ダボ埋め(埋め木)」を行います。ダボ埋めは、家具や机の天板など、ビス穴を目立たせたくない場合におすすめです。
ビスやネジ頭を「ダボ」で隠す方法。専用ドリルで穴開け簡単!
【ダボ埋めに使用するもの】

【材料】ダボ(4本)、ボンド
【工具】ノコギリ、トンカチ、ヤスリ
最初の流れは、ロの字と同じ手順で進めていきます(組立完成後のイメージをおさえる→ビスを打つ位置の印をつける→下穴を開ける)。
1.ダボ用の穴を開ける


つづいて、インパクトドライバーのビットを8mmに差し替えて、ダボ用の穴を開けます。このとき、穴を貫通させてしまうと天板と側板をビスで止めることができなくなるため、天板の厚みの半分程度(今回は3cmの半分=1.5cm)の深さにとどめましょう。
- 穴の深さを感覚だけで掴むのは難しいもの。そこで、ビットの先端から穴の長さを測り、その上にマスキングテープを旗のようにして貼り付けることで、「行き過ぎ防止」の役目を担ってくれます。
- さらにインパクトドライバーに合わせてマスキングテープが高速回転することで、木くずを一掃してくれる小ワザも!
2.ビスを仮止めする

ダボ用に開けた穴の上から、ビスを仮止めしておきます。
3.ボンドで接着後、ビスを打つ

ロの字同様、側板の接合面にボンドを塗り、天板と接着させたら、天板・底板の順にそれぞれビスを打ちます。これで組み立ては完了です。
4.ダボ埋めする

穴の部分にボンドを注入し、その上にダボを差し込みます。開けた穴の深さまでしっかりはまるよう、トンカチで打ち付けます。

穴からはみ出しているダボは、ノコギリで切り落とします。刃先をダボの外側から中心に向かって差し込み、反対側からも同じように刃を入れて切り落とします。
- ダボを切る際は、刃の部分がくねくねとしなる「ダボ用ノコギリ」がおすすめ。ダボの根元に刃先をぴたりと添わせることができるため、力を入れずにスパッと切り落とすことができます。

最後に、ダボを切り落とした表面にヤスリをかけます。天板の木目に沿って、表面がなめらかになるまですべらせます。

完成!
コの字は組み立てとダボ埋めも含めて、約30分程度の作業。合計1.5時間でボックスシェルフ「ロの字」の2つと「コの字」が完成しました。


いろんな組み合わせが楽しめるボックスシェルフ。上に板を乗せれば、テレビボードなど長さのある家具としても活用できます。
DIYは「できた!」という経験と達成感から始まるもの

いろんな手法を組み合わせながら行うDIY。一つひとつをマスターしていくことで、作品の幅もどんどん広がるとMilyさんは言います。
「DIYをはじめるとき、一番大切なの『作品を作れた』という経験と達成感を得られることだと思います。一見難しそうに見える大きな棚なども、一つひとつの手法を身に付ければ、自分で作ることができます。今回ご紹介したボックスシェルフを通して、まずは『できた!』という喜びを感じていただきたいですね(Milyさん)」。

住まいや暮らしの役立つヒントをお届けしてきたeo光チャンネルの番組『住まいの神アイデア』は今回で最終回となります。これまでご覧いただいたみなさま、ご出演頂いたアドバイザーのみなさま、ありがとうございました。
ご紹介してきたいくつもの「神アイデア」が、みなさんの暮らしを楽しくするヒントとなっていますように!