公開日2024.07.17
インパクトドライバーと電動ドリルドライバーの違い。買うならどっち?
穴あけとネジ締めの作業が多いDIYにおいて必要な工具「電動ドライバー」と「インパクトドライバー」について、どちらを選べばいいのかお悩みの方に、今まで様々なDIYに挑戦してきたsumica編集部が、その違いと購入する際の選び方についてまとめました。
電動ドリルドライバーとインパクトドライバーの違い
主な特徴
電動ドリルドライバー・インパクトドライバーは、ネジ締める(ドライバー機能)、穴あけ(ドリル機能)が電動でできる便利な工具です。
操作は簡単!電動ドリルドライバーの便利な機能と使い方
- 電動ドリル
- インパクト
基本的に電動ドリル・インパクトドライバーとも、ビットと呼ばれる先端の部分にドライバーなどの工具を取り付け、トリガーを押してビットを回転させる仕組みになっています。トリガーを深く押すほど、ビットの回転スピードが速くなります。
正転・逆転スイッチスイッチで回転する方向を変えることができます。
一見同じような仕組みですが、以下のような違いがあります。
電動ドリルドライバー
ビットの回転のみでネジを締めたり、穴をあけたりします。力の加わり方は回転力の1つだけになるのでのパワーはインパクトドライバーより劣ります。
インパクトドライバー
ビットの回転と打撃、2つの力でネジを締めたり、穴をあけたりします。力の加わり方は、回転力、それと内臓されているハンマーによって打撃を加えながら回転します。
2つのパワーが加わるインパクトドライバーの方がパワーが強くなりますが、それとともに打撃の振動が手に伝わるため手が疲れやすくなります。
電動ドリルドライバー
キーレスチャックを回してチャックを開閉させて装着します。締めることでビットを固定させ、ゆるませて取り外します。
インパクトドライバー
チャックを引っ張ることでビットを装着することができます。引っ張るとビットの取り外しと装着ができて、離すと自動的にチャックが下がりロックされます。
ビットの装着は、インパクトドライバーの方が簡単です。DIYではビットの装着は頻繁に行うため、電動ドリルドライバーのチャックを開閉させる手間が面倒になることもあります。
・モード切り替え
電動ドリルドライバーは、「ネジ」「ドリル」「ハンマー」のマークがあり、モードの切り替えができるようになっています。
ネジ=回転+トルク調整が可能(ネジ締め)
ドリル=回転のみ(穴あけ)
ハンマー=回転+振動(硬い材質の穴あけ)
・トルク調整機能
また、電動ドリルドライバーには、材質にあわせてネジを締め付ける力の上限を変えることができるトルク調整があります。これがあることでネジの締めすぎを防ぐことができ、1~20程度まで力を調整できるようになっています。
インパクトドライバーにはこのような調整機能がないものが主流で、硬い木材に使用する、スピーディに作業がしたい場合に適していますが、柔らかい木材の場合、ネジを締めすぎてしまうことがあります
※電動ドリルドライバーには、ネジ締めのトルク調整とドリルモードのみのタイプもあります。また、電動ドリルドライバーでもモード切り替えとトルク調整がないタイプもあります。
比較表
様々な種類があるインパクトドライバーと電動ドリルドライバーですが、大きく分類すると以下のように比較ができます。
インパクトドライバー |
電動ドリルドライバー |
|
---|---|---|
ビットの装着 |
◎ |
△ キーレスチャックを回す 必要がある |
パワー |
◎ |
△ |
スピード調整の |
△ |
〇 |
静音性 |
△ |
〇 |
手の疲れやすさ |
△ |
〇 |
価格 |
比較的高価 |
比較的安価 |
※インパクトドライバーと電動ドリルドライバーは、それぞれの機能を兼ね揃えた商品もあります。
インパクトドライバーと電動ドリルドライバー、買うならどっち?
DIYの作業において、インパクトドライバーと電動ドリルドライバーは用途に合わせて使い分けていくことがベストです。ですが、どちらかを購入したい場合は、どのような作業で使いたいのかで判断して選ぶとよいでしょう。
電動ドリルドライバーに向いている作業
組み立てが必要な家具のネジ締め、特に小さいネジなどには電動ドリルドライバーが向いています。また、電動ドリルドライバーは、ネジの締め具合を調整できたり、回転スピードを調整することができるため、繊細な作業に最適です。組み立てで失敗したくない方やDIY初心者に向いていると言えるでしょう。
インパクトドライバーに向いている作業
インパクトドライバーは、厚い木材や硬い木材、金属を扱う場合、また、大掛かり家具を作りたい時など、スピード重視でどんどん作業を進めるような作業に最適です。インパクトドライバーは打撃のパワーがあります。回転スピードの調整は、トリガーの引き具合のみになる場合が多いので、使い慣れていないとネジを締めすぎてしまうことがあるため、使い慣れるまではある程度の経験が必要になり、DIY経験者に向いていると言えます。
同時に2台の使い分けで効率UP!
DIYを始めた頃は電動ドリルドライバー1台で作業をし、慣れてきたころにインパクトドライバーを購入して2台で作業することは、実は作業の効率アップに繋がります。
DIYで1つの家具を作る際、「木材に下穴を開ける」→「ビスで木材を固定する」、この工程を何度も繰り返します。電動ドリルドライバー1台の場合は、その度にビットを交換する必要があり、慣れてくるとこの手間が面倒と思うことがあります。
そんな時、電動ドリルドライバーは下穴を開ける用のドリル用ビット、インパクトドライバーはパワー重視でビスを留めるドライバービットを装着しておき、2台を同時に使い分けることで、格段に作業スピードと効率がアップできるのです。実際に2台を使い分けているDIY愛好家の方もいらっしゃいます。特にDIYを始めたばかりにはおすすめの手法です。
最後に
sumica編集部の私も、初めは「初心者なので工具は安いもので良いのでは?」と思っていましたが、作れば作るほど慣れてくるため作業も早くなり、もっと効率とスピードをアップさせたい、とパワー重視の工具が欲しくなりました。
電動ドリルドライバーとインパクトドライバーは、これからどのように使いたいかを考えて自身にフィットするものを選ぶことが1番です。それがDIYを長く楽しめる理由の1つにもなります。ぜひ、今回ご紹介した内容を選ぶ時の参考にしてみてください。
筆者
sumica編集部
自然体で心地いい時間が過ごせるおうちにしたい、そんな想いを込めて、「こんなのあったらいいな」「これは便利!」と思う暮らしのアイデアをお届けします。