インテリア

公開日2025.07.03

モダンインテリアとは?家具・配色の特徴と部屋の作り方

シンプルで洗練された空間づくりを目指す方に人気の「モダンインテリア」。
モダンインテリアは、見た目のスタイリッシュさだけでなく、暮らしやすさも兼ね備えたスタイルです。
今回は、モダンインテリアの基本的な特徴から、今すぐ取り入れたくなるアイデアやおすすめのショップまでご紹介します。

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

モダンインテリアとは?

モダンインテリアの歴史をたどると、単なる“シンプル”ではない深い思想とデザイン哲学が見えてきます。モダンインテリアの歴史的な背景から、モダンインテリアの理解を深めてみましょう。

モダンインテリアの歴史

英語の「Modern」は「現代的な」と訳されますが、インテリアにおける「モダン」は、19世紀末から20世紀にかけて起こった「モダニズム運動」に端を発します。

モダニズム運動とは、産業革命・都市化・科学技術の進歩を背景に、過去の装飾的で保守的なスタイル(古典主義、ロマン主義など)を否定し、「機能性」「合理性」「革新性」を追求した運動です。

モダニズム運動
  • ・装飾の否定…無駄な装飾や歴史的モチーフを排除
  • ・機能美の追求…形は機能に従う、実用性を重視
  • ・工業的素材の使用…鉄、ガラス、コクリートなど新素材を積極的に採用
  • ・ミニマリズム…シンプルで明快な形態、幾何学的構造

モダニズム運動は、新しい時代にふさわしい、近代的な美と機能を模索する動きでした。特に、「住宅は住むための機械である」という言葉を残したモダン建築の父 ル・コルビュジエの作品である「サヴォア邸」や「LC2ソファ」はモダンの特徴をよく表しています。

モダンインテリアスタイルの特徴

モダンインテリアスタイルは、シンプルな中にも個性や美しさを宿す、奥深いスタイルです。その家具や色づかい、使われる素材には、以下の特徴があります。

家具

  • ・直線や幾何学的なラインを生かしたデザイン
  • ・装飾を省いたシンプルな構造
  • ・脚が細い、取手がない

色づかい

  • ・ホワイト、ブラック、グレーが中心
  • ・少し温かみをプラスする場合は、グレージュも
  • ・差し色は少なめ

素材

  • ・ガラス、金属(メタル)、レザー、コンクリート、大理石
  • ・鏡面、光沢

モダンインテリア 代表的なスタイル

モダンインテリアといっても、その中には様々なスタイルがあります。代表的なスタイルである「シンプルモダン」「ナチュラルモダン」「和モダン」の特徴を解説します。

1.シンプルモダン

シンプルモダンは、モダンインテリアの中でも特に装飾性を削ぎ落とした、ミニマルで機能的なスタイルです。柔らかく女性的な空間とは対極にあり、シャープで男性的な空間が特徴です。

家具は基本的に直線的なフォルムです。家具の脚は細く、シルバー、ブラックなどのスチールやアイアンなどの金属。ダイニングテーブルやセンターテーブルの天板の素材を、コンクリート調や石目調、ガラスなどの素材にするとより都会的になります。
色は、白、黒、グレーがベースで、差し色を入れる場合、ネイビーなどマニッシュな色がより都会的な印象に。

2.ナチュラルモダン

ナチュラルモダンは、モダンをベースに、温かみのある自然素材(木材、リネン、コットンなど)を組み合わせたスタイルです。男性的なかっこよさに女性的な柔らかさや温かみを加えた空間ともいえます。

家具などのフォルムは直線的、もしくは丸みのあるフォルムで柔らかさをプラスすることも。また、ダイニングテーブルやセンターテーブルの天板を木材にすることで、温かみが加わります。木の素材を増やせば増やすほど温かみは増しますが、その分ナチュラルな方向へ寄っていきますので、そのバランスはお好みで。

3.和モダン

和モダンは、日本の伝統的なインテリア様式とモダンな要素を掛け合わせたスタイルです。

日本のインテリアの発祥は、平安時代の寝殿造にまでさかのぼります。寝殿造は、大きなワンルームで、目的に合わせて置き畳や椅子などを置き、屏風などで部屋を仕切るスタイルでした。その後、室町時代の書院造で、畳が敷き詰められるようになり、「床の間」の原型が作られ、障子、襖などで部屋が仕切られるようになりました。

モダンテイストに、床座スタイルや畳、和紙、格子、竹、杉、ラタン、陶器の素材を家具や照明、小物などに取り入れると、和のエッセンスを加えることができます。和モダンスタイルは和の分量をどのぐらいにするかによって、雰囲気が変わります。

和モダンな部屋の作り方|配色や家具選びのポイント

お部屋をモダンインテリアスタイルにするポイント

見た目のスタイリッシュさだけでなく、暮らしやすさも兼ね備えたモダンスタイル。ここでは、家具や照明、カーテン選びのポイントを解説します。

家具を選ぶ時のポイント

家具は曲線ではなく、直線的なフォルムが基本です。脚が細く、シルバーやブラックなどのスチールやアイアンの家具やフロートタイプの家具。ソファや椅子の張り地は、レザー(調)を選ぶとモダン感がアップします。テーブルは天板の素材をコンクリート調や石目調、ガラスなどの素材にするとよりスタイリッシュなイメージに。

照明を選ぶ時のポイント

ミニマルで装飾の少ないデザインが基本です。ダウンライトや間接照明で、器具の存在感のないものも良い。セード(笠)がある器具を選ぶ時は、スチール、ガラス、真鍮などの素材が似合います。

リビングダイニングの照明の選び方については、以下の記事で詳しく説明しています。

プロがおすすめする、リビングダイニングの照明とその選び方

カーテンを選ぶ時のポイント

窓まわりは、普通の両開きカーテンよりも、メカもの(機械を操作して昇降・開閉するものの通称)のほうがよりモダンになります。両開きカーテンにしたい場合は、なるべくヒダがないフラットカーテンなどでスッキリさせるのがおすすめです。

色はモノトーンやグレージュが良い。デザインは、無地系や地模様などのシンプルなデザインのものを。柄を取り入れたい場合は、ストライプ、幾何学模様など直線デザインが◎。

内装をモダンにするポイントは、以下の記事で詳しく説明しています。

モダンな内装の家を作るには?おしゃれに見える配色と間取りのアイデアも

家具を買い替えずに、モダンインテリアを作るには?

できるだけ家具は買い換えず、コストをおさえながらモダンインテリアを作りたい場合は、以下の3つのポイントを抑えましょう。

1.配置を見直して空間に「余白」を作る

モダンインテリアのキーワードは“引き算”です。家具を詰め込まず、空間にゆとりを持たせることがポイントになります。現状、家具がたくさんあり空間に余裕がない場合は、家具を厳選しましょう。

2.色で統一感を出す

既存家具の色を軸に、他のアイテム(カーテン、クッション、ラグなど)をモノトーンやグレージュなどに寄せて統一感を出します。色がたくさんある場合は減らし、モノトーン系で統一しましょう。

3.アートやポスターでアクセント

壁に抽象画や幾何学模様のアートを取り入れるだけで、一気にモダン感がアップ!
モノトーンの額縁やフレームで統一するとさらにGOOD。飾る場所は、効果的な場所(フォーカルポイントなど)がおすすめです。

モダンインテリアが購入できる、おすすめショップ

オンラインでも購入できる、おすすめのモダンインテリアのショップ、メーカーをご紹介します。モダンインテリアがお好きな方や興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。

MASTER WAL(マスターウォール)

ウォールナット無垢材×シンプルモダンなデザインを軸にした、日本発の家具ブランド。和モダンインテリアとの相性も抜群です。

La Forma (ラ・フォーマ)

モダン × ナチュラル × ヨーロピアンデザインを融合させた、スペイン・バルセロナ発のブランド。スタイリッシュだけど冷たくない、ナチュラルモダンにピッタリ。

Crastina(クラスティーナ)

シンプルモダンな空間を叶えるブランド。ホテルライクがお好きな方にも。お手頃価格が魅力的。

ART OF BLACK(アート・オブ・ブラック)

ワンランク上のモダン空間を演出する、インテリア雑貨のお店。オブジェのような、お部屋のポイントになる雑貨がたくさんあります。

最後に

モダンインテリアは、シンプルな中にも個性や美しさを宿す、奥深いスタイルです。
「ただのおしゃれ」で終わらず、自分らしい暮らしや心地よさを大切にした空間づくりこそが、モダンインテリアの本質かもしれません。
今回の記事が、あなたのインテリア選びのヒントになればうれしいです。

アドバイザー

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

個人邸やモデルルームのコーディネート、店舗の装飾&ディスプレイなど空間づくりに関わるあらゆる分野で活動中。

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