インテリア

更新日2025.07.09 公開日2021.01.28

「ゾーニング」「フォーカルポイント」とは?家具レイアウトの基本

​リビングダイニングでの家具の配置に悩んだら。知っておきたいレイアウトの基本

おうちをもっと居⼼地のいい空間にしたい!と思った時に役に⽴つのが、家具レイアウトの基本知識です。

インテリアコーディネートには、家具の配置を考える「レイアウト」と部屋のイメージや雰囲気を考える「コーディネート」、この2つの視点から⾒ることが⼤切です。

今回は、コーディネートの前におさえるべき「レイアウト」のポイントをお伝えします。

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

知っておきたい、レイアウトの基本

レイアウトの基本的な考え⽅3つ

リビングやダイニングの家具レイアウトでは「ゾーニング」「動線」「フォーカルポイント」の3つを考えることが必要です。新しい家具を買う前はもちろん、家具を配置しなおす時も、この3つがポイントになります。

  • 1. ゾーニング 
    すること・したいことの目的に沿って、エリアを分けること
  • 2. 動線 
    ⼈がどのように動いていくか、動く軌跡のこと
  • 3. フォーカルポイント 
    空間の「⾒せ場」となる場所

それぞれ詳しく説明していきます。

1.ゾーニング

レイアウトを考える時にまずしておきたいことが、ゾーニングです。

ゾーニングとは、すること・したいことの目的に沿って、部屋のスペースのエリアを分けることです。例えば、リビングダイニングなら、ここは「リビング」「ダイニング」「キッズスペース」「ワークスペース」など、この部屋でしたいことによって、明確にスペースを分けることで必要なスペースをつくることができます。

ゾーニングをしてみよう

キッズスペース ダイニング リビング

図⾯があれば、エリアごとに丸で囲んでみましょう。なければ、頭の中で設定しましょう。「リビング」「ダイニング」といったありきたりな表現じゃなくても、ライフスタイルに合わせたオリジナルの表現にしてもいいですね。

ゾーニングのポイント

ゾーニングする時にはポイントがあります。それは、部屋の中でごちゃごちゃと物が集まりやすいエリアは、部屋の死⾓に配置すること。

下の間取りでいうと、おもちゃが散らかりやすいキッズスペースをドアの左側のスペースに配置することで、部屋に入った際、視界に入りにくくすることができます。

キッズスペース ダイニング リビング

2.動線

2つめのポイントである動線とは、⼈がどのように動いていくか、動く軌跡のことです。実際に家具を配置する時は、この動線をしっかり確保した上でレイアウトすることにより、ストレスのない過ごしやすい空間になります。

動線を考えよう

1.のゾーニングで考えたエリアに家具を配置したら、動線が確保できているかをチェックします。図⾯があれば、動線のラインを書き込んでもいいですね。

動線を考える時のポイント

⼈がひとり通る⼨法は、60cmです。通らなければいけない場所(隣の部屋や掃き出し窓、キッチンへの通路など)が60cm以上確保できていることをチェックしましょう。

3.フォーカルポイント

フォーカルポイントとは、空間の「⾒せ場」のこと。空間の中にアートや観葉植物などを飾り「ここを⾒て!」という場所を作ることにより、空間にメリハリが⽣まれておしゃれ感がアップします。どんな家具を選ぶか、または全体の配置にも関わることもありますので、家具レイアウトと⼀緒に考えることをおすすめします。

フォーカルポイントの作り方

フォーカルポイントを作る場所として最適なのが、部屋に⼊ってまず⽬に⼊る場所。⼊った時に⾒える正⾯の壁や、⼀番奥の壁です。部屋を広く⾒せたい場合は、⼀番奥の壁に設定するとよいでしょう。⽬線を奥まで誘導し、奥⾏きを感じさせてくれます。

フォーカルポイントの効果

フォーカルポイントの⼤きな効果は、空間にメリハリを作ることの他に、「⽬線を誘導する」ことがあります。部屋に⾒せたくない物があったとしても、⽬線を向けさせる場所があることで、気にならなくさせるというメリットがあります。

レイアウトは、ゾーニング・動線・フォーカルポイントの3つを取り入れる

家具レイアウトはこのゾーニング・動線・フォーカルポイントの3つを取り入れることが大切です。スペースを役割ごとに分けて「ゾーニング」をし、「動線」を考えながら家具をレイアウトすることで、したかった作業やほしかったスペースができ、より生活がしやすくなります。そして「フォーカルポイント」を取り入れることで、おしゃれな空間にすることもできます。ぜひ、意識してみてください。

<悩み別>家具レイアウトの変更事例

ここから、実際にこの3つを取り入れてレイアウトを変更したことで、お悩みが解決できた事例を2つご紹介します。

【事例1】リビングダイニングをもっとおしゃれにしたい。ワークスペースも欲しい

ごちゃごちゃしているので部屋を少しでもおしゃれに、できればワークスペース(PCコーナー)が欲しいとお悩みだったY様。

動線を確保するためにダイニングテーブルの向きを変え、フォーカルポイントの場所として最適な奥のスペースに置かれていたカラーボックスをPC⽤のデスクに置き変えることで、ほしかったPCコーナーを作ることができました。

after写真(右)デスク上にある北欧テイストのポスターが、素敵なフォーカルポイントに。

【事例2】リビングに⼦供の勉強スペースを作りたい

リビングに⼦供たちの学習スペースを作りたいけど、どうレイアウトしたらいいのかわからないというO様。

必ずしもダイニングテーブル横に無くても良い重厚感のあるチェストを移動させ、ダイニング側には、ダイニングセットとカウチソファを配置して「リビングダイニング空間」にレイアウトを変更。ゾーニングでエリア分けすることで窓側のリビング側にデスクを置いて「⼦供の学習スペース」を作ることができました。

after写真(右)デスク上の壁に、お気に⼊りのご家族の写真をいれたピンクのフレームを飾り、フォーカルポイントにしています。

部屋が狭いから無理だろうと諦めず、ゾーニング・動線を考えて家具をレイアウトすることでほしかったスペースを作ったり、生活の悩みを解決することができます。また、フォーカルポイントを作ることで、自分や家族のお気に入りの空間をつくることもできます。

最後に

今回、家具レイアウトを考える時に役⽴つ基本知識「ゾーニング」「動線」「フォーカルポイント」をお伝えしましが、レイアウトを考える時に重要なことは「メリハリをつける」ことです。決してお⾦がかかることではありませんので、”家でこんな⾵に過ごしたいな”という想いを⼤切に、⼀度お部屋を⾒直してみてはいかがでしょうか?

アドバイザー

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

個人邸やモデルルームのコーディネート、店舗の装飾&ディスプレイなど空間づくりに関わるあらゆる分野で活動中。

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