インテリア

公開日2025.05.28

洗練された『シックな部屋』にするには?色とインテリアの選び方

シックな部屋

落ち着いた色合いと洗練されたデザインが特徴のシックな部屋は、年齢や性別を問わず多くの方に人気があります。シックな部屋を作るためには、どのような工夫をすればよいでしょうか。

本記事では、シックな部屋の特徴や作り方、カラーコーディネートのポイントから部屋別のインテリアの選び方まで幅広く解説します。これからお部屋の模様替えやリノベーションを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

インテリアコーディネーター / 整理収納アドバイザー1級

平井 千恵美

シックな部屋ってどんな部屋?

シックな部屋とは、フランス語のchic(シック)が語源で、「洗練された」「上品な」「おしゃれな」などの意味を持つ言葉です。

シックな空間には「Less is More(少ないほど豊かである)」が重要とされており、派手さや奇抜さがなく、代わりに洗練された上品さと質の高さを感じます。色使いは落ち着いたトーンがふさわしく、ブラックやグレー、ブラウン、ホワイトなどの無彩色を基調にすることが一般的です。
シックな部屋はホテルライクな高級感や大人っぽい重厚感を持ちながら、どこか自然体で飾りすぎない雰囲気も兼ね備えています。

取り入れやすい、シックなインテリアスタイル

シックなインテリアスタイルにも様々な種類があります。ここでは、マンションや新築住宅で取り入れやすい2つのインテリアスタイルをご紹介します。

1.「シックモダン」

シックモダンは、現代的なデザインと落ち着いた色調、そして直線的でシンプルなフォルムの家具が特徴です。都会的で洗練された空間を好む方におすすめのスタイルです。

モノトーンのブラック、グレー、ホワイトを基調にして、アクセントカラーで深みを加えることで全体体的にスタイリッシュな雰囲気に仕上がります。

素材面では、ガラスやスチール、大理石などの無機質な素材と木材などの有機的な素材をバランスよく取り入れ、洗練された空間を演出します。また、照明にはスタンドライトやペンダントライトなど、シンプルでスタイリッシュなデザインのものがおすすめです。空間全体の雰囲気が引き締まり、よりモダンで洗練された印象を与えます。

2.「ソフトシック」

ソフトシックは、シックなスタイルに「柔らかさ」や「温かみ」を加えたインテリアスタイルです。空間に温かさや優しさを演出したい方におすすめです。

色使いは、グレージュ(グレーとベージュの中間色)やソフトピンク、ライトブルーなど、柔らかな色調が合います。素材は、ファブリックやカーペット、クッションなど、肌ざわりのよいものを選びます。

家具はやや丸みを帯びたデザインや、ファブリックを使用した柔らかな印象のものを選ぶと優雅な印象になります。また、照明は柔らかな光を放つシェード付きの照明や間接照明を使用すると、温かみのある落ち着いた雰囲気になります。

シックな部屋にするには?共通する配色とインテリア5つのポイント

シックな部屋を作り上げるためには、色使いやインテリアの選び方が重要です。ここでは、シックな部屋に共通する配色とインテリアのポイントを5つご紹介します。

1.色は、無彩色や落ち着いた色でまとめる

シックな部屋では、目に入る色の数を3〜4色程度に抑え、統一感を持たせることがポイントです。ブラック、グレー、ブラウン、ホワイトといった無彩色や落ち着いたトーンの色をベースに使い、これらの色を空間全体の8割程度にすることで、シンプルでありながら上品な印象が生まれます。

アクセントカラーを加える際は、鮮やかな色ではなく、スモーキーなトーンやアースカラーを選びましょう。たとえば、深みのあるバーガンディ、ネイビー、モスグリーンなどはアクセントに適しています。

2.取り入れたい家具のデザイン

シックな部屋を作るためには、家具のデザインも重要です。装飾を抑えたシンプルなラインや直線的なフォルムの家具を選ぶことで、部屋全体がすっきりと整った印象になります。
例えば、ソファやテーブルは無駄のないデザインを選ぶと空間に余裕が生まれ、洗練された雰囲気が際立ちます。また、金属やガラスなど異素材を組み合わせた家具を選ぶことで、シックな中にもモダンなアクセントを加えることができるでしょう。家具の脚や取っ手などにも細部にまでこだわることで、より上質な印象に仕上がります。

全体のバランスを考えながら、デザイン性と機能性の両方を兼ね備えた家具を選ぶことが、シックな空間づくりのポイントです。

3.天然素材を積極的に取り入れる

シックな部屋は、天然素材との相性がよく、しっくりとなじみます。天然素材は、空間に深みと温かみを与えられる素材といえるでしょう。 木材は、ウォールナットやマホガニーのような深みのある色合いがシックな雰囲気に調和します。無垢材は時間と共に味わい深くなり、長く愛用できる素材です。 よりクールな空間や無骨な印象に仕上げたい場合は、大理石やコンクリート、アイアンなど無機質な素材もおすすめです。

ファブリックにも天然素材は有効で、リネンやコットン、ウールなどは空間に上質な印象を与えるでしょう。

4.照明器具はシンプルな形状を選ぶ

シックな空間を作るためには、照明器具の形状や光の使い方も重要です。メインの照明だけでなく、間接照明やスタンドライトなど、複数の照明を組み合わせることで、空間全体にバランスと深みが生まれます。 照明の光色は、暖色系の柔らかな光を基本にし、場所や用途に応じて使い分けましょう。リラックスしたい空間には温かみのある光を、作業スペースには少し明るめの光を取り入れることで、メリハリをつけられます。

また、間接照明を使って壁や天井に光を当てることで、柔らかな陰影が生まれ、空間に立体感を作ります。シェードライトやウォールライトを活用して、インテリアやファブリックの質感を引き立てるように工夫しましょう。

5.インテリア小物をシンプルに少なめに飾る

小物やアートがあると空間に個性を出せますが、あまりに多いと、シックな空間の「Less is More(少ないほど豊かである)」という考え方にそぐわなくなるため注意が必要です。シックな空間を作るために、シンプルでデザイン性の高いアイテムを厳選しましょう。 モノクロの写真や抽象画など、シンプルで深みのあるアート作品は、シックな部屋のアクセントとして効果的です。アートのフレームにはシンプルなデザインのものを選ぶと、作品自体が引き立ちます。

また、シンプルなデザインの花瓶や、陶器・ガラス・金属など素材感が楽しめるオブジェは、空間のアクセントに最適です。色はインテリア同様、モノトーンや落ち着いた色調を選ぶと調和が取れます。観葉植物や生花は、鉢カバーのデザインや素材にこだわると、よりインテリア性が高まるでしょう。

観葉植物の鉢カバーについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

初めての観葉植物。おしゃれに見せるなら、高さのある植物と鉢カバーがポイント!

【お部屋別】シックな空間にするためのインテリア選び

リビング、寝室、ダイニングなど、お部屋ごとに適した家具やインテリアを取り入れることで、それぞれの空間の個性を楽しむことができます。ここでは、各お部屋別に家具・インテリアの選び方とコーディネート方法について詳しくお伝えします。

リビング・ダイニング

リビング・ダイニングは家族やゲストが集まる場所なので、こだわりを持ちたいスペースです。シンプルかつ存在感のあるインテリアを意識しましょう。

ソファ

ソファは、素材と色味がポイントです。大型家具のソファは、空間を占める割合も高いので、特にこだわりを持って選びましょう。 素材は、落ち着きと洗練さを強調するなら、王道のレザーやファブリックがおすすめです。レザーは本革と合皮に分かれます。本革は天然素材ですが、美しさを保つためには、直射日光を避けたりオイルを塗りこんだりメンテナンスが欠かせません。一方、近年の合皮は、本革と簡単に見分けがつかないほどクオリティが上がっています。メンテナンスに不安がある方や時間に余裕がない方は、お手入れが楽な合皮のソファを選ぶのも一案です。

ダイニングテーブル

テーブルも素材感にこだわりたい家具です。表面に木目調のシートを貼った合板のテーブルなら比較的安く購入できますが、光沢が出やすいため落ち着いた雰囲気を損ねてしまうこともあります。反対に、無垢材のテーブルは独特の温かみがあり、使い込むとさらに深みが増すことが特徴です。 また、大理石やガラストップのテーブルは、シンプルでありながら洗練された印象になります。テーブルの脚の色や素材で印象が変わるため、他のインテリアとの調和を図りながら選びましょう。
ダイニングテーブルを選ぶ際の素材と脚のチェックするポイントについては、以下の記事で詳しく説明しています。

【ダイニングテーブル】天板の素材と脚、一番チェックするポイントは?

照明

空間づくりで意外に見落とされがちなのが照明です。照明器具の形状や光の色で空間の印象は大きく変わります。近年では、リビングにシーリングライトとダウンライトを併用するケースが多く見られます。シックな部屋を演出するためには、あえてリビングに個性的なシャンデリアやペンダントライトを選ぶのも一案です。

また、照明器具だけでなく光の色にもこだわりましょう。ほんのりオレンジがかった暖色系の光は、空間が柔らかな印象になるため、リビングや寝室などリラックスしたい場所におすすめです。

リビングダイニングの照明を選ぶポイントと、おすすめの照明を以下の記事で詳しくご紹介しています。

プロがおすすめする、リビングダイニングの照明とその選び方
寝室

寝室は、リラックスできる空間づくりが重要です。落ち着きのある色調と柔らかな素材感で心地よい雰囲気を作りましょう。

ベッド

ベッドは、ヘッドボードの形や素材が寝室全体の印象を左右します。シックな部屋では、ダークブラウンやグレーなどの落ち着いたカラーがおすすめです。 他にも、目に入りやすいベッドカバーやシーツは空間に合ったものを選びましょう。リネンやコットンなどの天然素材を使い、白やグレーの落ち着いた色合いで統一すると、シックで心地よい空間になります。

ベッドの高さもポイントです。ベッドを低くすると空間に余裕が生まれ、より落ち着いた印象になるでしょう。

照明

寝室は、柔らかな間接照明でリラックスできる空間を演出しましょう。ベッドサイドにスタンドライトを置くとシックな雰囲気になり、睡眠前のトーンダウンにも便利です。
シーリングライトは、調光機能付きのものを選ぶと光の強さを柔軟に変えられ、最適な明るさに調整できます。シックで落ち着いた寝室には暖色系の光がおすすめです。

カーテン

寝室のカーテンは、機能性とデザイン性を兼ね備えたものを選ぶことが大切です。遮光性の高いカーテンを選べば、安眠できる環境へとつながります。窓まわりの装飾は、カーテンの他にも、「バーチカルブラインド」や「ハニカムスクリーン」など種類が豊富です。壁や床の色と調和する色調を選ぶと、空間全体が統一感を持ち、シックな雰囲気に仕上がります。

洗面所・バスルーム

水回りは生活感の出やすいポイントですが、おしゃれにこだわると暮らしがより豊かに感じます。シックな水回り空間を作るためには、シンプルなデザインと素材にこだわることがポイントです。

壁・床タイル

壁紙や床タイルを工夫すると水回りの雰囲気は大きく変わります。特にモノトーンや石目調のタイルは、シックな雰囲気によく合うアイテムです。また、蛇口、扉のノブなどにこだわるとより一層シックな印象を強調できます。これらは小さな部品ですが、空間のセンスを左右するポイントとなります。

洗面台周りにおすすめのタイルは、以下の記事でご紹介しています。

洗面台周りで使われるタイルの種類とおすすめ3選(名古屋モザイク工業)

鏡もこだわりを持ちたいポイントです。鏡のフレームにこだわると、空間全体に高級感を加えることができます。黒やダークブラウンのフレームは、シックモダンな雰囲気の部屋におすすめです。また、フレームレスも洗練された印象を与え、空間に広がりを感じさせます。水回り全体の雰囲気に合わせて選びましょう。

鏡がオプションで選べる、オーダーメイドしたようなおしゃれな洗面台はこちら

新築・リフォームに!見せてもおしゃれな洗面台『スマートサニタリーU』

タオル・バスマット

タオルやバスマットは、洗面室の中で目に入りやすいアイテムです。白やベージュといった落ち着いた色調のタオルを選ぶと、洗練された印象を与えます。目に入る色の数を抑えるために、タオルやバスマットの色は統一しましょう。全体に統一感を出すことがシックな印象にするポイントです。

長く使えるタオルとバスマットの選び方について、以下の記事で詳しく紹介しています。

タオルやマット選びで大切なことは?こだわりが詰まったファブリックで、暮らしに癒しを。

まとめ

シックな部屋は、流行に左右されることなく長く愛用できるスタイルです。ライフスタイルや好みに合わせて、時間をかけて少しずつ整えていくことで、あなただけの理想的なシックな空間を作り上げることができます。

落ち着いた雰囲気のなかで過ごす時間は、日々の生活に豊かさと安らぎをもたらしてくれるでしょう。この記事を参考に、シックなインテリアを取り入れて、洗練された空間づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。

アドバイザー

インテリアコーディネーター / 整理収納アドバイザー1級

平井 千恵美

さまざまな市町村のまちづくりに携わりながら、人と住空間のつながりを見出す活動を行う。前職では注文住宅の構造設計を担当。自宅のリフォームやDIYの経験も多数。

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