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公開日2025.03.07

小上がりがある和室のメリット・デメリット|後悔しないための対策も

和の趣を残しつつ、現代の暮らしにもマッチする「小上がりのある和室」。おしゃれで機能的なデザインが人気を集めていますが、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?

この記事では、小上がり和室の特徴を徹底解説するとともに、その活用方法をご紹介します。「小上がりの和室を取り入れてみたい」「和室のリフォームを考えている」という方は必見です。快適でおしゃれな空間づくりのヒントをぜひ参考にしてください。

インテリアコーディネーター / 整理収納アドバイザー1級

平井 千恵美

小上がりの和室とは?後付けも可能?

小上がりの和室とは、床を一段高く設けた和室を指します。新築住宅はもちろん、リフォームで既存住宅に設置することも可能です。

近年は、和室のない住宅も珍しくありませんが、和室を設ける場合は、リビングの横に一続きの空間にする間取りが人気です。リビング横に和室があると、人が集まる際に和室を開放して広く使ったり、間仕切りを設けて居室として使ったりアレンジしやすくなります。

ただ、洋式のリビングと和室では、ライフスタイルに違いがあります。リビングでは、ソファやダイニングチェアに腰掛けることが一般的です。一方、和室では畳に直接座るため、ソファと畳ではそれぞれで目線の高さが異なります。例えば、身長170cmの人が座ったときの目線の高さは以下のとおりです。

着座姿勢

目線の高さ

畳に座ったとき 

約80cm

椅子に座ったとき   

約120cm

畳に座ったときと椅子に座ったときでは、目線の高さに約40cmの差があることがわかります。
この差を埋めるために高さ30~35cmの小上がりを設けることで、リビングと和室にいる人の目線の高さが揃いやすくなってコミュニケーションが取りやすくなります。

小上がりの和室があるメリット

ここでは、小上がりの和室を設けるメリットを機能性とデザイン性に分けてまとめました。

子どもの遊び場やリラックススペースに使える

和室に小上がりを設けると、子どもの遊び場やリラックススペースとして活用できます。一段高くなった床は、子どもにとって特別感があり、自然と遊びたくなる空間になるでしょう。さらに、おもちゃを広げてもリビングに散らかりにくく、片付けもスムーズです。

また、畳の柔らかさは、小さな子どもが転んだときの衝撃を和らげるクッションの役割も果たします。ベッドを設置しなくても布団を敷くだけで快適にお昼寝もできるため、遊び場からそのままリラックススペースへと切り替えやすいのも魅力です。親の目が届きやすい位置に小上がり和室があれば、家事をしながらでも子どもの様子を見守ることができます。

収納スペースが確保できる

小上がり和室の段差を活用して収納を設けると、スペースを有効に使えます。生活用品や季節物の布団、子どものおもちゃなどをすっきり片付けるのに便利です。特に収納スペースが限られたマンションや狭小住宅では、デッドスペースを活かした効率的な収納方法として採用されています。

押入れやクローゼットなどとは異なり、小上がりを活かした収納は見た目への影響が少なく、部屋全体がすっきりとした印象になります。小上がりの収納は、デザイン性と機能性を兼ね備えたスペースの工夫ともいえるでしょう。

空間を引き締めるアクセントになる

小上がり和室の一段高くなった床は、空間に立体感を生み出します。これにより、部屋全体が単調にならず、洗練された印象になるでしょう。リビングやダイニングなどの洋風の空間に和風の要素が加わることで、空間のアクセントにもなります。
また小上がりは、リビングと空間を緩やかに区切る役割も果たします。建具や壁で完全に仕切らなくても、段差をつけることで自然なゾーニングができ、開放感を損なわず異なる雰囲気を楽しめるのが魅力です。

小上がりの和室があるデメリット

室内に段差を設ける小上がりは、上り下りが必要です。特に子どもが小さい場合、上り下りの際に転倒や転落の危険があることがデメリットといえるでしょう。
他にも、小上がり和室には以下のようなデメリットがあります。

インテリアとの調和が難しい

現代の住宅では、リビングにソファを置くなど洋風のインテリアを取り入れることが多く見られます。小上がり和室がリビングと一続きの空間になっている場合、インテリアの調和を図ることが難しくなります。
これには、モダンなリビングダイニングと伝統的な和の要素をどのように組み合わせるかが重要です。空間全体のバランスを保つために、床材や壁の色調、デザインなどの工夫が求められます。また、小上がり和室では家具の選び方にも注意が必要です。天井の高さが他のスペースに比べて低くなるため、圧迫感の出る高さや奥行きの家具はおすすめしません。

段差や収納部分の掃除が難しい

小上がり和室は、段差や収納部分の掃除がしにくいことがデメリットです。特に、段差の隙間や収納スペースに埃や小さなゴミが溜まりやすく、こまめな掃除が欠かせません。
段差のある小上がり和室でロボット掃除機を使うには、人の手で上げ下ろしすることが必要です。もしくは、ロボット掃除機を使わず、掃除機をかける必要があります。
小上がり和室は、フラットな部屋に比べて掃除の手間がかかることをあらかじめ理解しておきましょう。

狭く感じることがある

小上がり和室はリビングと床の高さや仕様が異なり、空間が分かれるため狭く感じることがあります。狭さを感じさせないための対策方法は、以下のとおりです。

  • ● 建具で仕切らない
  • ● リビングと壁や家具のテイストを合わせる

空間に開放感を出すことや色味を工夫することで、狭さを感じない小上がり和室が実現します。

小上がり和室でよくある失敗例

小上がり和室はおしゃれで便利ですが、設計や使い方を誤ると後悔することもあります。ここでは、よくある失敗例をまとめました。

段差が高く出入りがしにくい…

小上がり和室に高さを出せば、畳下に大容量の収納を作ることが可能です。しかし、小上がり和室の高さを40cm以上にしたところ、日常的な上り下りが面倒になってしまったという声も聞かれます。

小上がり和室に掘りごたつを設置するなら、40cm以上の段差でも問題ありませんが、その際は上り下りをスムーズにするための段床を設置することがおすすめです。

結局あまり使わない…

子どもを遊ばせる予定だったが、実際にはリビングのフローリングで遊ぶことが多く、小上がり和室が物置になったというケースも聞かれます。収納機能を充実させることで、小上がり和室の物置化は防げますが、このような失敗を防ぐためには、以下のような複数の使い道をあらかじめ想定しておくとよいでしょう。

  • ● 来客用の臨時寝室
  • ● お昼寝スペース
  • ● テレビ鑑賞時のリラックスゾーン

天井が低く感じる…

天井高がそこまで高くないリビングに小上がり和室を作ったら、立ったときに頭上の圧迫感が想像以上だったというケースがあります。

この問題を解決するには、空間の高さや照明の工夫が重要です。
空間の中に天井が高くなっている吹き抜けや上がり天井などがあれば、その天井の高さを活かして小上がり和室を設置するのも一案です。圧迫感が軽減され、広々とした印象になります。
一方、リフォームで小上がり和室を取り入れる場合は天井の高さを変更するのは難しいため、寝転んだり座ったりすることを目的とした、低めの小上がり和室が推奨されます。

後悔しない、小上がり和室を快適にするための対策とポイント

小上がり和室を快適にするためには、事前の工夫が大切です。以下のポイントを押さえることで、後悔のない空間づくりが実現できます。

リビング横の和室の広さは3~6畳が一般的

近年の住宅でリビング横に和室を採用する場合、広さは3~6畳程度が目安です。リビングとつなげて使いやすく、空間全体に無理なく調和します。
3畳の和室は、子どもの遊び場や簡単な休憩スペースとして機能し、空間に圧迫感を覚えにくいのが特徴です。一方、6畳の広さがあれば、布団を敷いて寝室として使ったり、収納を設けたりすることも可能で、より多用途に活用できます。

小上がり和室は、リビングとの広さのバランスが重要です。小上がり和室の目的も視野に入れながら、広さを検討することで、快適な住空間を実現できます。

小上がり和室の高さは30~35cmが一般的

小上がり和室の高さは、一般的に30~35cmです。高さがあれば、小上がり部分に腰をかけることができ、立ち上がる際も体に負担がかかりません。ただし、高くし過ぎると部屋全体の圧迫感につながるため、空間の高さとのバランスを考慮することが重要です。

小上がり和室を設けると、天井の高さが30cm程度低くなることを念頭に置いておきましょう。例えば天井の高さが2.4mなら、小上がり部分の天井の高さは2m強になります。照明器具を設置するとさらに下がることも考えられるため、特に身長の高い方は注意が必要です。

リビングのどこに配置するかを考える

小上がり和室の配置・レイアウトは、使い勝手とデザイン性を高めるためにも重要なポイントです。小上がり和室をどのように使うか、リビングのデザインや動線を事前に考慮して検討しましょう。収納や座り心地もあわせて考慮するとよいでしょう。引き戸や折れ戸などの建具は、小上がりを個室として使う場合には必要ですが、常に開放するなら建具を設置しないケースもあります。
畳を活かすために座椅子やクッションなどのインテリアを取り入れると、畳のもつ温かみや風情を損なわず、リビングにリラックスできる空間を作ることができます。

以下の記事では、小上がりをおしゃれにデザインした実例を紹介しています。

リビングの「小上がり」を自分好みにデザイン!おしゃれな実例と注意点

まとめ

小上がり和室には、収納力や空間のアクセントなどさまざまな魅力があります。アイデア次第で住空間がより快適になるでしょう。この記事が、あなたにとって最適な小上がりのある和室を設計する上での一助となれば幸いです。

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アドバイザー

インテリアコーディネーター / 整理収納アドバイザー1級

平井 千恵美

さまざまな市町村のまちづくりに携わりながら、人と住空間のつながりを見出す活動を行う。前職では注文住宅の構造設計を担当。自宅のリフォームやDIYの経験も多数。

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