失敗しないマイホーム

2022.12.01

デザイン?省エネ?重視するポイントで診断!自分に合った建築会社の選び方 2

デザイン?耐震?それとも省エネ?重視するタイプ別 自分に合った建築会社の選び方2

年間約100軒取材する住宅ライターが教える「家づくりのコツ」シリーズ
耐震?省エネ?あなたは何を重視するタイプ? ピッタリな建築会社を診断!

前回は主に建築会社による「家の建て方」と「担当する人」を中心に建築会社の違いをご紹介しました。今回はあなたが建てたい家の重視するポイントによって、どんな建築会社を選べばいいのかをレクチャーします。建築会社によって得意ジャンルが異なるので、重視するポイントを自社の強みとしてアピールしている建築会社を選ぶことが理想の家を建てる近道です!

あなたが重要視しているポイントは?まずはチェック!

家づくりは絶対に失敗したくない、理想の家を建てたいと思っている方(思っていない方はいないと思いますが…)、あなたの一番重視しているポイントはどこですか?
まずはそこを明確にしてみましょう。

●何といってもカッコよくてお洒落な映える家!『デザイン重視派』
●万が一の災害から家族を守る『構造重視派』
●天然木や漆喰など自然由来の素材の家『自然素材重視派』
●光熱費を抑えて環境にも優しいエコな家『機能性・省エネ重視派』
●とりあえず建築費を抑えたい『予算重視派』

全部、重視したいという欲張りな方もいると思いますが、まずは優先順位を決めてください。ブレない軸を持つことでお金をかけるべきところ、妥協してもいいところなどが整理しやすくなり、満足度が高い家を建てる事ができます。ご夫婦で意見が異なる場合もあるので、「将来まで住みたい理想の家」について事前に家族会議をすることもおすすめです。

『デザイン重視派』さん

デザインを重視する場合、2通りの選択肢があります。

A 自分で何もかも選びたい
B プロに任せたい

Aの方は特にこだわりの強く、SNSや雑誌などあらゆるものを研究して、自分の大好きなモノをピックアップしていると思います。実際に取材していても、一番増えているのがAのような方です。ただし、注意があります。スマホで見る画面と実際の空間では全く異なります! よほどセンスのある方でない限り、家全体を自分でプロデュースするのは難しいでしょう。ですからあなたの希望を尊重しながら、全体をセンス良くまとめてくれる建築士さんとコラボするのがベストです。設計事務所や建築士と直接打合せできる工務店を選びましょう。
逆に、ハウスメーカーや規格住宅をアレンジするような建築会社だとあれもこれもオプション料金がかかることになり、予算的にも跳ね上がります。

Bの方ももちろん、設計事務所や建築士と直接打合せができる工務店が合います。さらに自分の意見よりも提案してもらってすべてを任せたいという方は建築費は高いですがデザイン力がある大手ハウスメーカーもおすすめです。

A・B共通して注意したい事は、事前にホームページや見学会なのでその会社の施工例をたくさん見ること。その会社の得意なデザインというものが必ずあります。例えばシンプルでモダンなデザインが好みなのに、ナチュラル系でカワイイデザインの家が得意な会社に頼んでしまうと、イマイチ思っていたのと違う・・・となりかねません。建築会社はどんなデザインにも対応しますと答えますが、施工例はチェックしてあなたのセンスと合致するか判断しましょう。


耐久・耐震性重視派さん

家の構造にはおもに3つの種類があります。

A 木造
B 鉄骨造
C 鉄筋コンクリート造

それぞれにメリット・デメリットがあります。

Aの木造はご存知の通り昔ながらの建築方法です。木は調湿効果があり、湿気の多い時期は家の中の湿気を吸い、乾燥する時期は湿気を吐くので四季がある日本の気候にピッタリな構造です。また、耐用年数も長く、寺院などにみられるように築100年以上たってもしっかりしている住宅もあります。さらに木造はBの鉄骨造・Cの鉄筋コンクリート造に比べて建築コストが低いです。デメリットとしては、建てる大工の腕や地盤によって耐久性や耐震性に違いが出ることです。

木造住宅で構造体にこだわるなら、住友林業など木造にこだわったハウスメーカーや自社大工など大工の腕を自慢している工務店に依頼しましょう。

Bの鉄骨造は高層ビルの建築に見られる重量鉄骨造と、プレハブ系大手ハウスメーカーが建築する軽量鉄骨造があります。どちらも非常に耐震性が高く、大工など職人の腕に関わらず品質が保証されているので信頼感もあります。また、柱を気にせず大空間が造りやすい、というメリットもあります。ただ、大きなデメリットとして建築コストが非常にかかります。
予算が潤沢にある方なら鉄骨造で建てる大手ハウスメーカーを選択しましょう。

Cの鉄筋コンクリート造もメリットとしては耐震性に優れ、大空間をとるなど設計の自由度も高いです。3階建てや4階建てなど中高層の一戸建てには強度も強く向いているといえるでしょう。ただ、こちらも大きなデメリットですが建築コストが高いです。そして構造上どうしても断熱性が低くなります。もう一つのデメリットとして、鉄筋コンクリート造の一般住宅を取り扱う建築会社が少ないこと。一部ハウスメーカーが建築していますが、選択肢は少ないです。


自然素材重視派さん

無垢材の床、漆喰の壁など自然由来の素材は見た目に癒しや安らぎを与えてくれますし、シックハウスやアレルギーなどを心配する方にも人気があります。また、自然素材は呼吸をする素材ともいわれ、調湿効果も高く四季を問わず快適な室内環境に整えてくれます。

さて、自然素材はどれぐらい使いたいでしょうか?
床は無垢材、壁は漆喰や珪藻土。このぐらいの範囲なら、標準仕様として推奨している工務店がありますので、検索してみてください。
さらに、接着剤も使いたくない、塗料もできるだけ自然由来のものを、となると範囲が狭くなります。自然素材の家のパイオニア的存在・無添加住宅は無垢材・漆喰はもちろんのこと、断熱材は炭化コルク、接着剤には米のり、塗料には柿渋を使うなど細部まで天然由来の素材にこだわっています。徹底的にこだわりたい方は無添加住宅をおすすめします。

共通して言えることは、自然素材は施工が難しく大工や職人の技術が必要になりますので、これまでに経験を積んでいる建築会社の方が安心です。施工例を見るなどして、チェックしてください。

また、自然素材を使う家は少なからずお手入れが必要です。キズがつく、壁が削れるなどがものすごく気になる方は、自然素材風の素材を使うのも一つの方法です。どこかからどう見ても無垢材に見える床や表面に珪藻土を貼った珪藻土クロス、アクセントウォール的に使えるエコカラットなど自然素材の風合いや機能を感じられる素材をチェックしてみてください。このような素材はほとんどの建築会社が対応してくれます。


機能性・省エネ重視派さん

SDGsが叫ばれている世の中でもありますし、非常に関心が高いのが住宅の高い機能性や省エネ性。この点を重視する方には太陽光発電や蓄電池などでエネルギーを創出する「創エネ」と気密・断熱性を高めてエネルギー消費を抑える「省エネ」を組み合わせて、結果としてエネルギーの収支をプラスマイナスゼロにする「ZEH住宅」の建築をおすすめします。
初期費用のコストは高くなりますが、補助金制度を活用することもできます。
ただ、ZEH住宅を建築するには「ZEHビルダー」に登録している建築会社でないと、後の補助金などが受け取る事ができません。ですから、「ZEHビルダー」登録の建築会社に依頼してください。

また、コロナの影響もあり家の中の空気環境や外部から花粉やウィルスを持ち込まないような換気機能に注目する方も増えました。そのような機能性を重視する方は第一種換気システムを採用する建築会社を選びましょう。

第一種換気

第一種換気システムとは熱交換する高性能フィルターを通して強制的に給気・排気を行い、空気を循環させるシステム。家の中の空気はいつもクリーンでフレッシュ、しかもいったん空気を冷やす(温める)とその空気が循環し、家中が快適温度でキープされます。

光熱費がかかると敬遠される開放的な吹き抜け空間でも心配無用。第一種換気はむしろオープンな空間の方が空気を循環させやすいので大空間の方が適しています。第一種換気を取り入れるためには高い気密性・断熱性を実現するハイクオリティな住宅を建築しなければなりません。建築会社の高い施工力が必要ですので、経験豊富で施工力が高い建築会社に依頼してください。


予算重視派さん

最近はウッドショックと言われる木材の高騰、輸送費の高騰などで家の価格は上がる一方です。しかも、しばらくこの状況は続くと予想する専門家が多いのが現状。そういった中でのマイホーム建築、とにかくコストを削減して予算を抑えたいと切望する方も多いでしょう。

まず、大手ハウスメーカーは避けた方が無難でしょう。とにかく建築費を安くしたい、という方なら大きな分譲地で建売住宅を販売している建築会社はいかがでしょうか。大量生産、大量仕入れでコストをカットしていますので予算は低くなると思います。しかし、自由度という点ではあまり望めません。

自社に設計士が在籍していて、社員大工がいて、自社施工。施主支給にも対応してくれる工務店は比較的コストがかからないので予算の相談にも応じてくれやすいです。同じ金額でより満足度が高い家を建築するという考え方ならこのような工務店が向いているでしょう。

建築費が安いということは何か理由があります。例えば断熱材の質を落としている、土台を支えるコンクリートが薄い、質が良くないビニールクロスを壁に使っているなどなど。最初の建築費用は安かったけれど、暮らしてすぐにメンテナンス費用が必要になったり、光熱費が高くついたりしたら本末転倒ですので、仕様はしっかり確認する必要があります。


新築入居後「しまった…!」にならないために

はじめての家づくりはわからないことだらけ。その中でもわからないままつい後回しにして入居後「しまった…!」になりがちなのが、すぐにネットが使えない、テレビが見られないなどの通信環境の計画漏れです。このような事態を避けるためには「建築前からの計画」が大切です。

お住まいが関西なら、ネット回線はeo光がおすすめです。eo光なら、eo新築専門アドバイザーが快適でストレスのないネット環境づくりをしっかりサポート!

まとめ

建築会社によって建てる家は全然違います。まずは重視するポイントに優先順位を付けて、ゆずれないこだわりや妥協していいものを整理してみてください。そうすると、あなたの理想の家を建ててくれる建築会社が見つかりやすくなります。上記の内容を参考に、人生の一大イベントであるマイホーム建築を成功させてください!


筆者

著者

住宅ライター/プロインタビュアー 大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。

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