公開日2024.04.16
50代のマンションリノベは、収納より、動きやすさと自由度がテーマ
2024年、築25年のマンションをフルリノベーションしました。住む人の年代によって理想の間取り、理想の暮らしは変わります。今回のリノベーションで私が改善したかった場所や満足できた場所についてお伝えしたいと思います。
築25年のマンションをリノベーションするまで
▲ リノベーション前の暗くて狭い玄関
私はかれこれ20年以上、インテリアに関係した仕事をしています。
知識や経験はもちろん、お気に入り家具や雑貨も持ってはいますが、自分らしいスタイルの住みたい間取りの家に住んだことはありませんでした。
築25年を過ぎた頃からマンションの老朽化が目立ち、壁紙は黄ばんでヒビ割れ、北側の部屋は結露のせいでカビが生えていました。
自分で床をDIYした玄関も狭くて暗くて、どこか残念な感じ…。
キッチンのガスレンジや浄水器も故障しかけて悲鳴をあげ、フローリングや扉も仕様が古く、段々と掃除をする気もなくなっていました。
大切な我が家を嫌いになりかけている…。
もっと家を好きにしたい、ずっと大切にしたい。
それなら、古くなった箇所を交換する「リフォーム」ではなく、自分好みの間取りや使い方にアレンジできる「リノベーションにしよう」と50代でリノベーションすることを決めました。
リノベーションのテーマは、収納の多さではなく、「動きやすさ」と「自由度」
自由に使える、余白のある玄関
暗かった玄関と廊下はどうにかしたい想いがずっとあったので、物置のように使っていた玄関隣にあった5畳の洋室の壁を取り払い、土間と土間収納を設けました。壁を取り払ったことで、窓からの光も取り込めるように。
玄関土間は「自由に使える余白」にして、いつか孫が遊びに来たとしたらベビーカー置き場にしたり、老後の趣味でしたい園芸用品やアウトドア用品置き場にしたり。もしも車椅子になったとしても保管場所として使えるようにしています。
左が玄関から続く土間収納。リビングへ繋がる扉をガラス扉にすることで、家に入った瞬間から広くて明るい気持ちの良い空間になりました。必要のない場所には扉をつけないことで光も風も通りやすく、コストも削減。いつか必要になれば、その時に扉やカーテンを付けたらいいと思っています。暗くて狭くて不満のあった玄関でしたが、今では家の中で1番お気に入りのスペースになりました。
玄関から廊下へはなるべく段差が出ないようにし、上り框は無垢の木を使用。
壁の位置を30センチずらすことで広い廊下を実現できました。廊下の幅は110㎝以上あります。大きな荷物を持っていても楽に通ることができ、2人で通っても十分ゆとりがあります。
コートや大きな鞄がある時は土間収納にそのまま入ることが出来るので動線もスムーズ。廊下からもアクセスできるので出かける時にも動線が短く、楽になりました。
元々ついていた玄関収納は撤去し、空っぽの空間にしました。今は無印良品のスチールユニットシェルフを設置して靴や来客用のスリッパ、避難用品を収納しています。収納棚が合わないと感じたら置き換えればいいだけなので、いつでも自由に変えることが出来ます。靴の量が増えれば、この収納棚なら棚板を追加することも出来ます。
家事動線が格段によくなった、開放的なLDK
▲ リノベーション前のキッチンとダイニング
▲ リノベーション後のキッチンとダイニング
キッチンを囲っていた壁を取り払い、リビングダイニングと繋がる空間に。壁を取り払ったことで、家事動線は格段に良くなりました。
▲ 家族や友人が集まった時にみんなで立っても動きやすい。
キッチン背面の収納もあえて付けていません。用途によって組み替えがしやすいユニットシェルフを使用。冷蔵庫と同じステンレス素材のシェルフで今はカフェのような暮らしを楽しんでいます。
最後に
今回のリノベーションでお客様に最も興味を持っていただいたり、褒めていただいたりするのは、自由に使える余白のある玄関でした。玄関って家の第一印象を決める大事な場所だと本当に実感しています。
私自身もまさか1番不満が多かった玄関スペースが、1番のお気に入りになるとは思ってもみませんでした。
家の中で1番困っていることや気掛かりな場所は、実は想いが強いところ。アイデアや改善策も出しやすい場所になるのでしょう。いつかはするかもしれないリノベーションに向けて、その想いを馳せ、たくさんイメージしておくと、これからしたい理想の暮らしが実現しやすくなると思います。
暮らしはいつか変わるもの。だから、いつでも変えられるようにしておくのもいいと覚えておいてくださいね。