公開日2022.01.26
ものがあふれる洗面台まわりは、「ジャンル分け」と「場所のルール決め」で片づく!
洗面所は、スペースが狭い割に毎日使われる場所。風呂場や洗濯機と隣接している場合も多く、家族全員が使うものも集まりやすいですよね。しかしよく見てみると、実は使っていないものがたくさんあります。
限られたスペースだからこそ、有効活用したいもの!そこで、整理収納アドバイザーの長谷由美子さんにプロ目線によるアドバイスをいただき、家族みんなが使いやすい収納方法を実践します。
ものがあふれる洗面台まわりは、「ジャンル分け」と「場所のルール決め」で片づく!
整理収納アドバイザーによるヒアリング
整理収納の悩みや問題を洗い出し、解決案を考えます。
今回のお悩みは、2人のお子さんがいる4人家族の奥様Mizueさん。お掃除グッズを何種類も揃える掃除好きです。その分ストックが多く、ものが多いのが悩みの一つ。洗面所スペースには、洗面台と洗濯機が置かれ、風呂場にも繋がる脱衣所も兼ねています。ものが多いため、引き出しからものが取り出しにくい状態も生まれています。
- ・洗面所に、洗濯用品、キッチン用品、風呂場用品が混在している。
- ・物が多くて、取り出しにくくなっている状態をなんとかしたい。
- ・ストックや不要なものの置き場にもなってしまっている。
Mizueさん(仮名) 一軒家 家族4人(夫婦と子ども2人)
その時のようす
洗面所の上側
洗面台の上は、友達に譲る予定の子供用ジョイントマットとトイレットペーパーの置き場に。洗濯機上の棚上段は、未使用のトイレマットが数枚重なっています。中段には、普段よく使う洗剤や柔軟剤がずらり。棚の下段は、突っ張り棒で、洗濯機の乾燥扇風機や洗濯掃除用品にまつわるものが掛けられています。
洗面所の横
Mizueさんのヘアシュシュや掃除道具が混在。上部には、常用するティッシュの置き場がなく、突っ張り棒を駆使して高い位置に。子どもの手は届きません。
洗面台横の収納棚
ピンクの収納かごには、バスソルトやあまり使わないタオルがぎっしり。奥のものを取るのも大変。その下の収納ケースには、ドライヤーが仕舞われていて、取ろうとすると他のものが邪魔になって取れず、引き出しも開けにくい。収納棚の下段はもはや開かずの間。ものを詰め込むだけのスペースになっています。
洗面所の下側
洗面台横の収納棚の前は、トイレットペーパーと液体洗剤のストック置き場に。定位置になりつつあります。洗濯機の前面には、給水ホースや室内干し用のピンチハンガーもすぐ使えるように掛けていますが、飛び出ています。
洗面台
洗面台の裏側収納
左側がMizueさんの化粧品道具全般。化粧品サンプルなどもここに。真ん中は、家族の歯ブラシと、夫の用品。右側は、使われていないものの置き場になっています。
洗面台の引き出し上段: ストック用品が中心。朝夜使うMisueさんのパックもここに入っています。ものが入りすぎてなかなか閉まらないことも。
洗面台の引き出し下段(左):洗剤やゴミ袋など掃除用品のストック。使う頻度の少ないものが中心。
洗面台の引き出し下段(右):歯ブラシや洗濯用品のストックブース。キッチン用品のストックも混在。
お風呂用のタオルや着替えは、
風呂場手前のタンスに収納
お風呂場の掃除用品や洗濯ネットなどの洗濯用品なども少し混在して収納されていました。
使う場所のそばに、使うものを配置していますか?
とりあえずしまい込めばいいと、空いた場所にものを詰めるのはNG!洗濯に使うものは洗濯機のそば、風呂場のものは風呂場のそば、など同一ジャンルのものは同じ場所に置くというルールを決めましょう。また、ストックの置き場所についても、今使っているもののそばに置くようにするのがいいですよ。
よく使うものはパッと手が届く場所にありますか?
日常的に使っているものは、手の届きやすい場所に置きましょう。「なるべく手前に」「使う人の目線か少し下の位置に」がコツです。畳んだり、袋にしまったり、奥の方に仕舞い込むなどのアクションはなるべく無くしましょう。今必要なものとそうでないものは、きちんと区別すること。
洗面台まわりの整理収納実践!
まずは、洗面所にあったものを整理
洗面台とそのまわりにあったものを全て整理します
きれい好きのMizueさん。その分、洗剤、洗濯物アイテムや買い置きストックが意外と多いことが判明しました。まずは、自分がどれだけの量を所有しているか、客観的に把握することが大切!それでは早速、具体的に整理をしていきましょう。
- 1:日常的に使っているもの。好きなもの
- 2:ストック。今後使おうと思っているもの
- 3:使っていないけど、判断に迷うもの。
- 4:使っていないもの。手放してもいいもの
洗面台の引き出しや横の棚、洗濯機の上などに入っているものを全て出し、それぞれ4つに整理しました。使っていないけど、捨てられない好きなものもあると思います。そういう感情的に思いのあるものも、仕分けの中に含めましょう。
●ものが多い場合は、まず整理をしっかりと!
使っているものと使っていないもの、好きなものと好きでないものという視点で分けましょう。
●使う頻度で分ける
さらに、使う頻度によって分けます。そのものが洗面用品なのか、風呂用品なのか、掃除用品なのか、もの自体のジャンルも客観的に把握することも大切。収納場所は、優先順位の高いもの1→2→3→4の順番に決めていきます。
使いやすい場所に収納
洗面台の横
洗面台横には、サイズが合った取り出しやすい収納用品を
洗面台横には、空いたスペースの横幅に合う収納用品を選びましょう。今回は、手前から取り出しができる、無印良品の引き出し式クリアケースを選びました。下にキャスターもつけられるので、お掃除の際は、楽に移動させることができます。
上から下まで、使う人と使う頻度を加味して、ルールと定位置を決めていきます。
上段:一番使い勝手のいいスペース。Mizueさんが毎日使うパックを手前に置き、奥には化粧品のストックを。
2段目:Mizueさんが使うヘアケア用品を。ドライヤー、ヘアシュシュなどのヘアアクセをここに収納。
3段目:子どもも手が届く場所。子どもが使うドライヤーやブラシなどを。アクションを減らすために、くるくるっとドライヤーのコードを巻くだけで入るサイズの収納ケースを用意。
一番下:取り出しにくい位置。今は使っていないが捨てられないストック用のトイレマットを。たたみ方次第で収納の容量は増やせます。
棚の上には、早く使った方がいい化粧品とティッシュ。棚の高さを洗面台の高さに合わせることで、洗面台の延長上として活用できます。半透明のクリアケースのため、空間がすっきりして見えます。
洗濯機まわり
よく使う洗剤は浅め、ストックは深めの収納用品に入れて区別
洗濯機上の収納棚(上段):日頃使うことの少ないトイレットペーパーや洗剤などの「ストック」類は一番上に。大きく深さのあるケースを使用することで、上段に置いても取り出しやすくなりました。また、室内干し用のピンチハンガーも収納ケースに入れてここに収納。
洗濯機上の収納棚(下段):洗濯用洗剤・柔軟剤など「よく使うもの」は、浅いトレイに入れることでより取り出しやすく。「たまに使うもの」は、洗濯用ネットと一緒に少し深めの収納ケースに入れて、差異化。給水ホースもこの段に。
収納棚の下:その下にも、いろいろな洗濯用品が釣り下がっていましたが、物量を減らし、ジャンル分けして収納することで余白も生まれました。
収納した後、洗濯機に貼っていたラックも必要がなくなったので撤廃。
洗濯用洗剤の種類が多いMizuhoさんの場合、「よく使うもの」「たまに使うもの」「ストック」の3種類に分けて収納することで、より使いやすく改善されました。
洗面台
洗面台の裏側収納には、使用頻度の高いものは目線より下に、頻度の低いものは、目線より上に置くことで使いやすくなります。下段は、子どもの手も届きやすい場所。
洗面台の裏側収納スペース上段は、ご主人が使うものを、中段は、家族が使うボディローションや乳液。下段は、子どもが取れるよう歯ブラシと歯磨き粉を収納。
洗面台の引き出し上段(右):一番使いやすいゾーン。歯ブラシなどのストックを収納ケースに入れて収納。試供品など早く使いたいものは上のトレイに入れて、日々見えるように。
洗面台の引き出し上段(左):二番目に使いやすいゾーン。タオルハンガーに近いので、普段、家族が手を拭くタオルをここに収納。収納に合わせて、たたみ方を変えました。
洗面台の引き出し下段(右):洗面台以外でも使う洗剤などのストック入れにします。ラベルが上から見てわかるようにすることで、同じものを買ってしまうことを防げ、無駄なストックが増えません。
洗面台の引き出し下段(左):背の高いものも収まる掃除用品のゾーン。手前によく使うもの、奥にあまり使わないものを。収納ケースに入れることで、液体もこぼれにくい。
●ジャンルで分ける
洗面用品、清掃用品、洗濯用品、風呂場用品を混在させず、ジャンル別に分けて収納しましょう。
●収納場所をルール化
洗面用品は、洗面台の周りに。洗濯用品は洗濯機の周りに、など、ジャンルに合わせた場所にまとめて収納することを、ルール化しましょう。また、収納場所を決める時は、「よく使うもの」「たまに使うもの」「ストック」と、使用頻度別に分けましょう。収納する場所は、目線の位置を意識。よく使うものは、「目線の少し下」。ストックは、「最上段」「最下段」に。
●よく使うものは簡単な収納方法を
日常的によく使うものは「アクション数を少なく」を心がけて。たたむ、折る、しまう、というアクションをできるだけ減らし、巻く、置くなどで済む収納方法にすることで、日々の片づけが楽になります。
●ストックする量を把握する
ストックする量は、個人や生活によって異なります。極端に減らそうと思わなくてもOK。自分の心が安心する分量を把握して用意しておきましょう。
before・after
洗面台の周りには、洗面用品を、洗濯機のまわりには洗濯用品をまとめました。優先順位を加味して、使わないものは捨てて全体量を減らし、使う頻度の高い物は全て取り出しやすい場所、かつ手前に配置。それぞれをゾーンに分けて、定位置を決めること。片づける場所を決めることで、いろいろなジャンルのものが混在しなくなりました。
sumica YouTube
YouTubeでは、長谷さんの詳しいお話を聞くことができます。
今回使用した収納用品
最後に
ものが増えがちな洗面台まわりが、見た目だけでなく、使いやすい収納スペースに変身することができました。ジャンル分けの整理をすることで、物量を客観的に把握することもできそうです。自分がどんなものをどれだけ持っているのかを理解すること、どこに何を収納するのかルールを決めること、収納方法はなるべく簡単にしておくこと、の3つが大切です。洗面所は家族が毎日使う場所。できるだけ清潔感のある状態を維持するよう心がけましょう。