公開日2023.09.07
狭くても開放感は出せる!吹き抜けとハイドアを採用した素敵な家
明るい自然光がたっぷり入り、開放的な空間の代表といえば、吹き抜け。吹き抜けのある家は天井が高く伸びやかで空間自体が広く感じられます。さらに、最近のおしゃれな家にはよく取り入れられているハイドアも開放感や伸びやかさという点で注目です。この吹き抜けとハイドアが組み合わされた家はもはや最強と言っても過言ではないほど、開放感にあふれた空間になります!
けれど、吹き抜けには冷暖房効率が悪くなるのでは…?などのネガティブなイメージもあるのは事実。後悔しない家づくりのためにも、吹き抜け+ハイドアを取り入れた開放感のある理想の住まいとそのデメリットをしっかり理解しておきましょう。
家を建てるなら、吹き抜けについて知っておこう
吹き抜けとは?
吹き抜けとは、1階から2階にかけてなど階層を仕切らずつなげた空間のこと。天井が高くなるので実際の面積より視覚的に広く感じます。また、上階の窓から入る光が下階まで入るので、陽当りが良く明るい空間になります。
吹き抜けがある空間での代表例はLDKでしょう。天井が高い吹き抜けのLDKに憧れる方は多いのではないでしょうか。
▲ 天井にも木を貼り、木のぬくもりと開放感に満ちたLDK
吹き抜けは小さくても開放感が得られる
「大きな吹き抜けだと部屋数がとれなくなってしまうが開放感はほしい」という希望をかなえるために、以下のような場所に取り入れている方も多いです。
● 階段スペース
壁で囲まれた階段よりも自然光が入って明るく、気分よく上り下りできます。
また、吹き抜けに面した壁を窓にすることで外とつながっているような開放感のある空間にできます。
▲ リビング階段を吹き抜けにすると、自然光が1階にも広がり明るい空間に
▲ シンボルツリーがある中庭に面した吹き抜け+階段
● 玄関
玄関に吹き抜けがあると開けた時に視界が広がり、優雅な空間になります。インパクトを与えることができます。
▲ 玄関の正面に階段と吹き抜けがあり、吹き抜けに面した大きな窓からは緑豊かな借景も望めます。
ハイドアの採用でよりスタイリッシュな空間に
ハイドアとは?
ハイドアとは、一般的なドアより背が高いドアのことです。一般的なドアは床から天井付近の壁まで、メーカーにもよりますが約2mの高さに対し、ハイドアは床から天井までの高さで約2.45mです。ドアの背が50cmほど高いだけでしょ?という考えは大間違い!
ハイドアを採用すると開放感を得られるのはもちろん、デザイン性が高く、洗練された空間になります。
▲ 床から天井まであるスライドタイプのハイドア。床にレールがないので空間のつながりが感じられる
魅力的!吹き抜けとハイドアの事例
1.玄関ドアをハイドアにして、玄関ホールは吹き抜けに
▲ 閉塞感とは全く無縁の玄関ホール。玄関を開けると視界がパーッと広がる
2.自然光があふれた心地いいLDK
▲ 吹き抜けのダイニングとリビングの真ん中にハイドアで仕切ったテラスがある伸びやかなプラン
▲ 1階は空間のつながりを重視したガラスのハイドアやアクセントカラーのグレーのハイドア、2階は壁と合わせて白で統一するなど、カラーでバリエーションをつけるのもおしゃれ
知っておきたい吹き抜けとハイドアのデメリット
デメリットと解決策について
天井が高いと熱効率が悪くなります。特に、温かい空気は上昇するので、暖房が効きにくいというデメリットがあります。しかし、気密断熱性を高めた上で、上部にファンをつけて空気を循環させるようにすれば、この問題は解決できます。
また、ハイドアについては最近は各メーカーでもたくさん商品を扱っているのでそれほど心配ないですが、オーダーサイズになるとコストがかかることもあります。
▲ 天井にファンをつけて熱効率が悪いというデメリットを解消
専門家に聞く、吹き抜けとハイドアを取り入れる際のポイント
専門家に吹き抜けやハイドアをおすすめしたい方、取り入れる際に注意したいポイントなどをうかがいました。
Grand Living Merchandiser 岩野 純也さん
───吹き抜けやハイドアを取り入れたい、と希望される方は増えていますか?
岩野さん:開放感がある家を建てたい、と希望される方はとても多く、吹き抜けは以前から人気があるプランのひとつです。また、吹き抜けを取り入れる方はハイドアもありきで考えられている方が最近多いですね。メーカーもハイドアの商品を多く出しているイメージがありますから、人気はあると思います。
───どんな方に吹き抜け+ハイドアの家をおすすめしますか?
岩野さん:大阪市内などあまり土地が広くなく、そんな中でも開放感がある家を建てたい、と希望する方ですね。さらに太陽の光が入りづらい住宅密集地に建てる方にはよりメリットを感じてもらえると思います。一角だけでも吹き抜けがあれば陽当たりが悪い1階でも光が入りますし、視覚的効果で住空間が広く感じる事ができます。
▲ リビング全体ではなくても、充分に吹き抜けのメリットは得られる
───吹き抜け+ハイドアを取り入れる際の注意点はありますか?
岩野さん:大きな吹抜けの場合、耐震面で制限がかかるかもしれません。構造上、梁が隠せない場合がありますが、梁もデザインの一部と考えて色や素材を工夫すると逆におしゃれな空間になります。
また、せっかく吹き抜けがある開放的な空間をつくってもドアが低いとバランスが悪い空間になります。吹き抜けとハイドアを組み合わせるとは相乗効果でより開放感を得られますので、ぜひセットで取り入れてください。
▲ 吹き抜け上部の梁を階段と合わせて黒にしてデザイン性をアップ。またキャットウォークとしても活用できる
まとめ
吹き抜けがある家は寒いから…という理由であきらめたという話を聞きますが、最近は断熱性の基準があがっていますし、第一種換気を採用した家は吹き抜けがある方が温められた空気が循環するので熱効率がいい場合もあります。家の性能は上がっているので、吹き抜けのデメリットも解消しやすくなっていると言えます。
また、ハイドアはコストを抑えた商品が増え、デメリットはほとんどない状態。同じ面積でもより広く伸びやかに、そして日当たりがよくなるのなら、吹き抜け+ハイドアを設計にプラスしてみてはいかがですか?
開放感がある家で暮らしたいならぜひ検討してみましょう。
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取材協力
Grand Living(二上木材株式会社)
「ワンクラス上のデザイン住宅をバリュープライスで建てる」をコンセプトに、創業50年以上の老舗住宅資材商社が手掛けるデザイン住宅ブランドが「Grand Living」。素材とディテールまでこだわったデザイン住宅をワンストップで建築。また、オリジナルブランドの家具の製造販売などを手掛ける「GLファニチャー」も展開している。
▲Grand Living 羽曳野オフィス
▲オリジナルブランドのキッチンや
ダイニングテーブルがならぶ
GLファニチャーのショールーム
筆者
住宅ライター/プロインタビュアー 大内 夏実
株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。