おしゃれな家づくり

公開日2024.03.29

依頼する会社の選び方|戸建てをリノベーションしたい!【3】

今回はリノベーションを依頼する会社の選び方について解説します。「どこの会社に頼んでもそんなに変わらないでしょ?」と思っていたら大間違い!! 
会社選びを失敗したら理想のリノベーションはできない、といっても過言ではないほど重要なポイントなのです。

リノベーションを依頼する会社ってどう選んだらいい?

依頼できる会社の種類

リノベーションを依頼できる会社は、大きく分けて5パターンあります。依頼する会社によって「やってくれること」も「やってくれないこと」もあるので慎重に選びたいところ。

1:設計事務所

  • プランに凝りたい、提案してもらいたい人におすすめです。個性的なデザインや斬新な空間づくりが得意。デザイン性があるカッコいい家を設計してくれます。ですが、工事は別の会社(工務店)に頼まなければいけません。設計事務所とは設計契約を結び、工務店とは工事請負契約を結ぶことになります。

2:デザイン会社

  • デザイン・見た目重視派におすすめです。建築デザイナーがプランや意匠を考えてくれる会社です。カッコいいデザインに仕上がります。ですが、設計は設計士に頼み、工事は工務店に頼まなければいけません。

3:工務店

  • できるだけコストを抑えたい、プランにこだわらない人におすすめ。
    実際に工事をする会社です。設計事務所やデザイン会社に頼まなくても直接工務店に頼めば、コストがかかりません。ただ、提案力には乏しく、自分たちがリードして計画しないとプランやデザインはオーソドックスなものになってしまう可能性もあります。

4:不動産会社

  • まれにリフォーム工事をする不動産会社もあります。ただ、物件を売ったり買ったりする専門の会社なので、凝ったリノベーションは望めないかもしれません。

5:ワンストップ型リノベーション会社

  • 1~4を組み合わせた会社。不動産購入から設計、プラン決め、建築まで依頼できます。

    他にも、設計・工務店・デザインを組み合わせた「設計工務店」や「設計デザイン」などの会社もあります。工務店でも建築士やデザイナーが在籍して、提案力が高い会社もあります。

依頼する会社を選ぶ際の注意点

避けた方がよい依頼の仕方

中古物件を購入してリノベーションをする場合に避けた方がよいのが、中古物件購入を不動産会社、設計はこの設計事務所、建築はこの工務店で、と別々の会社に依頼する方法です。この依頼の仕方は複数の会社の担当者にそれぞれ個別に依頼をしなければいけません。そして、それぞれの会社をつなぐ連携役は「自分」になります。物件の売買や建築の知識がない方には時間が取られるだけでいいことはないといってよいでしょう。

フルオーダー型かセレクト型か、確認しておこう

リノベーションができる会社には、イチからすべて選んで決める「フルオーダー型」と数パターンの中から選ぶ「セレクト型」があります。

・フルオーダー型

プランはもちろん、壁紙や床材、コンセントカバーまであらゆるものを自分自身で好きなものを選べます。こだわり派にはうれしい半面、決めなければいけないことが多いということもあります。

・セレクト型

こちらは数種類のカタログからプランを選ぶことになります。比較的コストが抑えられて選ぶのもラクになりますすが、自由度は低いです。セレクト型の場合、打ち合わせ回数なども決まっていることが多いです。

中古物件を購入するなら、こんな会社がスムーズ!

「中古戸建てを購入してリノベーションしたい!【2】」でもご紹介しましたが、中古物件を購入してリノベーションをするのに時間と手間がかかってしまうのが物件探しです。個人で物件を探していても、なかなかいい物件が見つからない、どうしようか悩んでいる間に売れてしまった…など、リノベーションの計画がなかなか進まないことも。

中古戸建てを購入してリノベーションしたい!【2】|期間はどのくらいかかる?

ワンストップ型のリノベーション会社なら、不動産購入から設計、プラン決め、建築まで一貫して担当してくれますので物件探しにかかる手間を削減できます。

また、フルオーダー型の場合、担当するプランナーによっては自分の想像以上のリノベーションができる可能性も高くなります。あらゆる素材や建材の中から自分の好みを把握し提案してくれるので「やりたいこと」や「好きなこと」を具現化してくれます。

▲ フルオーダーリノベーション実例

また、このタイプのリノベーション会社は中古物件を購入するだけでなく、持ち家を売ることも可能です。住宅ローンの相談もできますので、住宅ローンにあまり詳しくない方なら「売る・買う・住宅ローン」の計画まで任せられます。

ワンストップ型のリノベーション会社も今ではたくさんあります。たくさんある中で自分に合った会社を見極めるポイントはあるのでしょうか?

専門家に聞く、自分に合うリノベーション会社の見極め方

ワンストップ型リノベーション会社「美想空間」を経営する鯛島さんに、リノベーション会社を見極めるポイントについてお聞きしました。

株式会社 美想空間
代表取締役社長 建築士・宅地建物取引士 鯛島康雄さん

中古物件購入からサポートしてくれるワンストップ型のリノベーション会社。一戸建てのリノベーションが得意で、住む人の安心・安全・快適をベースとした上で、あそび=日常生活の余白を楽しめる家づくりを提案。

──会社を調べる際にチェックした方がいいことはありますか?

鯛島さん:施工例をチェックしてください。同じようなデザインの施工例が並んでいたら、おそらくそのデザインが得意な会社です。アメリカンヴィンテージのデザインにしたい場合、和モダンのデザインが得意な会社に頼むと、ニュアンスを伝えるのに苦労し、おそらく上手くはいかないでしょう。
逆に、いろんなデザインでプランもちがう施工例がある会社はおそらく、デザインよりもライフスタイルを実現することを重視している会社です。「こんなデザインの家にしたい」より「こんな風に暮らしたい」を実現したいなら、いろんな施工例がある会社の方が合っているのではないでしょうか。

──セレクト会社とフルオーダー会社の違いがよくわかりませんが、見極めるポイントはありますか?

鯛島さん: よーくホームページを見てみると、注釈で打ち合わせ〇回以上は別途費用が必要ですなど記載している場合があります。隅々までホームページをチェックしてみてください。また、施工例を見ればある程度わかります。どの家も似たような家だなと感じたら、セレクト型です。
注意してほしいのは、「自由に選べます」と書いてあってもカタログの中から自由に選べるだけであって、あらゆるものから自由に選べるのではないこともあります。カタログ以外のものを使用するとオプション費を加算される場合もありますので、しっかりチェックしましょう。

──この会社にお願いしたいと思っても、担当者さんと合わない場合、チェンジしてもらえるのでしょうか?

鯛島さん:正直にいうと、担当者と合わない場合、その会社にお願いしない方がいいと思います。合わない理由は様々だと思いますが、返事が遅いとか提案がハマらないとかは、きっと担当者を変えたとしても上手くはいきません。 おそらく、その会社はそういう会社です。
自分に合うかどうかを確認するには、会社に初めて問い合わせメールを送った時の返信のタイミングや内容、初めて訪問した際のあいさつや飲み物の提供の仕方など、よく注意して見てください。そういった細部にその会社の方針や担当者の仕事の仕方が表れます。信頼できる担当者でなければ、リノベーションは成功しません。

──リノベーション会社とうまく付き合うコツは?

鯛島さん:この会社にお願いすると決めたら、トコトン信頼してください。例えば、リノベーション会社の担当者とYouTubeで見た設計士さんの見解が違うこともあるかもしれません。おそらくどちらも正しいです。ですが、目の前の担当者を信頼してください。リノベーションは建てる側と住む側が一緒に造り上げていくものです。お互いに信頼しあうことがとても大切です。

まとめ

会社選びはリノベーションの最大のポイント! 会社選びを間違えたら、中古物件の水回りを新しくして壁や床を張り替えた、いわゆるリフォームだけして暮らす…という結果になるかもしれません。リノベーションでこれからしたい理想の暮らしを叶えるためには、その会社の施工例と依頼できる範囲を細かくチェックすること。また、担当の方の印象や対応などから自分と合うか会社なのかを見極めることも必要です。建築後も信頼関係が築けられるようなリノベーション会社を慎重に選びましょう。

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取材協力

株式会社 美想空間

中古物件購入からサポートしてくれるワンストップ型のリノベーション会社。一戸建てのリノベーションが得意で、住む人の安心・安全・快適をベースとした上で、あそび=日常生活の余白を楽しめる家づくりを提案。大阪港駅から徒歩2分にあるKLASI COLLEGEでは、リノベーションセミナーやワークショップなどのイベントを随時開催。おしゃれなキッチンなどのショールーム、カフェ、キッズルームもあり、リノベーションのワクワク感を体感することができます。

▲ 築70年の建物をリノベーションした
KLASI COLLEGE

▲ 受付では日替わりでスタッフが
お出迎えしてくれる

筆者

著者

住宅ライター/プロインタビュアー 大内 夏実

株式会社リクルートで情報誌のイロハを学び、独立。不動産・住宅系ライターとして経験を積む。大手ハウスメーカーから小さな街の工務店までさまざまな建築会社の注文住宅施工例やモデルハウスなどを取材し、また実際に購入した方、家を建てた方のインタビューも多数実施。年間100軒ほどの取材に基づいた知識と経験から多くの建築会社の広告戦略なども手掛けている。

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