公開日2025.02.28
ホテルライクなリビングの作り方|快適でおしゃれな空間の5つのポイント

ホテルライクなリビングとは、まるで高級ホテルのように上質で、落ち着きと快適さを提供する空間を指します。自宅で過ごす時間を豊かにするためには、空間のレイアウトや家具、照明の配置にこだわることが大切です。
この記事では、ホテルライクなリビングを作るためのポイントを解説します。シンプルでありながらラグジュアリーな雰囲気を作るためのアイデアやアクセントカラーの使い方、照明の重要性などをまとめました。少しの工夫で、あなたのリビングがホテルのような特別な空間に生まれ変わります。
ホテルライクなリビングを作る5つのポイント
上質で洗練された空間は、贅沢な雰囲気を味わえます。リビングでホテルライクな空間を楽しむためには、インテリアの工夫が欠かせません。ここでは、ホテルのように美しく快適なリビングを実現する5つのポイントをご紹介します。
1. シンプルで洗練されたデザインを心がける

ホテルライクなリビングを演出するには、シンプルで洗練されたデザインを心がけることが重要です。装飾を詰め込みすぎず、無駄を省いたミニマルな空間にすることで、洗練された印象を与えます。
家具や小物は色や素材を統一し、シンプルなデザインのものを選ぶと上品で落ち着いた雰囲気に仕上がります。また、床や壁が見える部分を多くするなど空間の余白を意識してレイアウトすることで、すっきりとした美しさが生まれるでしょう。
さらに空間に高級感を出すために、家具や小物の素材にこだわることが大切です。無駄を省きつつ細部にこだわることで、ホテルのような洗練されたリビングを実現できます。
2. カラーコーディネートで統一感を

色味に統一感のあるリビングは、視覚的に落ち着いた印象を受けます。ホテルライクなリビングを作るには、落ち着いた色合いを基調にしつつアクセントカラーを効果的に取り入れ、空間に深みを演出しましょう。
理想的な配色のバランスは、以下を意識しましょう。
●ベースカラー(70%)
フローリングや壁紙などの大部分。白やベージュ、グレーなどの落ち着いた色が王道です。
●メインカラー(25%)
ソファやテーブルなど大きめの家具に使う色。ベースカラーを邪魔しない色合いを選ぶと統一感が高まります。
●アクセントカラー(5%)
クッションやアート、観葉植物などの小物で差し色を入れてみてください。ワンポイントで視線を集めるとおしゃれ度が上がります。
これらの配色を意識することで、空間が洗練された印象に仕上がり、ホテルのような上品で統一感のある空間になるでしょう。
3. 照明を効果的に活用

ホテルのようにリラックスできるリビングを作るには、照明を効果的に使うことがポイントです。特に、空間に奥行きや広がりをもたらす間接照明は欠かせません。天井を下から照らすコーブ照明や、壁を照らすコーニス照明を取り入れることで、柔らかで落ち着いた雰囲気を演出できます。
また、癒しのある空間を作るため、光源色は温かみのある電球色を選ぶのがおすすめです。さらに、明るさを調整できる調光機能付きの照明を採用すれば、読書や作業時にも快適に過ごせます。
最適な照明の色と明るさについては以下の記事で詳しく解説しています。
部屋に最適なLEDの明るさ・色は?知っておきたい照明の知識と選び方
4. 素材へのこだわりを持つ

リビングに上質さと高級感を演出するためには、家具や小物など素材へのこだわりが欠かせません。高品質な家具や小物を選ぶことで、上品で洗練された空間が生まれます。すべてのアイテムに予算をかけるのが難しい場合、クッションやラグ、カーテンなどの布製品を上質なものにするだけでもワンランク上の雰囲気を演出できます。
特に、肌に触れる機会の多いアイテムを厳選すると、日常の中で高級感を実感しやすいでしょう。例えば、麻やシルクなど天然素材を取り入れると、ホテルのような洗練された印象を演出できます。
5. アクセントになるアートや小物を活用

リビングのアクセントとなるアートや小物を効果的に活用することでホテルのような空間を演出できます。空間全体をシンプルにまとめつつ、厳選したアート作品や小物を飾りましょう。ただし、アクセントとしての役割を持たせるために数を抑え、バランスを意識することがポイントです。
例えば、大ぶりのアートフレームを1点飾ったり、ゴールドや大理石など高級感のある小物を添えたりすると、ホテルのように上品な仕上がりになります。
また、内装材のエコカラットは、空間のアクセントとしても活躍する建材です。タイルのような厚みで高級感を演出しながら、調湿や脱臭効果も発揮します。デザイン性と機能性を兼ね備えた優れもののアクセントといえるでしょう。
インテリアで作る、おすすめのホテルライクスタイル【5選】
ホテルライクなリビングは、洗練されたデザインと快適さが融合した空間です。ここでは、おすすめのホテルのテイストを5つ紹介します。理想のリビング作りにお役立てください。
1. リゾート風|リビングを非日常な空間に

ホテルライクなリビングを作るためにリゾート風のテイストを取り入れると、非日常を感じさせる贅沢な空間が生まれます。
リゾートホテルは、海や山などの自然環境を活かしたロケーションが多く、リラックスできる空間設計が特徴です。自宅のリビングでも、木材やラタン、石材といった自然素材を取り入れることでリゾートホテルのような空間を再現できます。
例えば、無垢材の家具やラタンチェア、石材調のタイルを使うと、空間が落ち着いた雰囲気になるでしょう。また、南国のような温かみのある空間を演出するには、葉の大きな観葉植物がおすすめです。自然の要素をプラスすることで、旅先のホテルで過ごしているかのような癒しの時間を楽しめます。
観葉植物については以下の記事でも解説しています。
インテリアになる観葉植物の飾り方とセンスよく見せるコツ
2. モダンシック風|都会的で洗練された印象

都会的で洗練された雰囲気を演出するには、モダンシック風を取り入れるのも効果的です。モダンシックとは、モダン(近代的)とエレガンス(優雅さ)が合わさったもので、シンプルながらも上質な印象になります。
モダンシックなインテリアは、モノトーンやアースカラーを基調とした落ち着いた配色が基本です。無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインを意識することで、スタイリッシュな空間に生まれ変わります。
素材選びも重要で、スチールやガラスなどのクールな質感の家具を取り入れると、都会的な印象が強まります。統一感のあるカラーコーディネートと高級感のある素材選びで、洗練された空間を実現しましょう。
3. ナチュラル風|自然との調和を重視したデザイン

リビングをナチュラルテイストに仕上げる場合、自然との調和を重視した温かみのあるデザインを心がけることが大切です。木目を活かした家具や観葉植物を取り入れると、暖かみがあり、リラックスできる空間が生まれます。オーク、ウォールナットといった自然素材の家具を選ぶと、より落ち着いた雰囲気になるでしょう。
また、ナチュラルテイストを取り入れる際に大切なポイントは、窓からの自然光を最大限に活用することです。オープンスペースを意識したレイアウトで、開放感のあるリビングが完成します。さらに、リネンやコットン素材のファブリックを取り入れると、より優しい印象になるでしょう。
4. インダストリアル風|クールで個性的な空間

インダストリアル風とは、工業的なデザインを取り入れたクールで個性的なインテリアです。コンクリートや鉄、レンガといった無機質な素材を活用することで、無骨ながらもスタイリッシュな雰囲気が広がります。例えば、配管や梁をあえてむき出しにするデザインや、ヴィンテージ調の家具や照明を取り入れると、無骨でアート感覚あふれる空間が生まれるでしょう。
インダストリアル風は、若い世代やクリエイティブな雰囲気を演出したい方におすすめのスタイルです。個性的で自由な空間は、リビングに新しい魅力を加えます。
5. クラシック風|伝統的で優雅な雰囲気

クラシック風のインテリアは、伝統的で優雅な雰囲気が特徴です。重厚感のある家具や豪華な装飾を取り入れることで、高級感と歴史を感じさせる空間を演出できます。例えば、繊細な装飾が施されたアンティーク調のテーブルやキャビネットは、ヨーロッパ風エレガンスの代表的な仕様といえるでしょう。華やかで洗練された空間になります。
ファブリックはベルベット素材やダマスク柄などを選ぶと、一層クラシックな雰囲気が引き立ちます。クラシック風はラグジュアリーなホテルにも選ばれるテイストです。大人っぽい贅沢な空間を求める方には特におすすめします。
ホテルライクなリビングを作る際の注意点3つ

ホテルライクなリビングを作る際には、見た目だけでなく、使い勝手や居心地にも配慮することが重要です。ここでは、理想的な空間を実現するために注意すべき3つのポイントを紹介します。
1. 見た目だけでなく暮らしやすさも考慮する
ホテルライクなリビングを作るには、見た目の美しさだけでなく暮らしやすさも考慮する必要があります。空間に生活感を出さないためには、物を出しっぱなしにせず、収納を工夫することがポイントです。
この際、引き出しやクローゼットに物を収納すれば見た目はすっきりしますが、こだわりすぎて物をしまいこみすぎると、かえって使いづらくなることもあります。特に、使用頻度の高いものは取りやすい場所に置くことが大切です。例えば、リビングでよく使うリモコンや小物などは、収納する場所を工夫すれば利便性が向上します。使う人や使う場所を考慮して、空間の使い勝手と美しさをバランスよく保つことが、快適な暮らしの鍵となるでしょう。
2. 住む人の動線を考慮することが大切
ホテルライクなリビングで快適に暮らすためには、住む人の動線を考慮することが大切です。特に家具の配置は重要なポイントで、人の前を通らないと移動できないようなレイアウトにすると落ち着けない空間になりかねません。例えば、ソファやテーブルを配置する際は、ドアからドア、ドアからバルコニーなど、人が必ず通る動線は避けて配置しましょう。
動線を考慮することで空間が広く感じられ、ホテルのようにリラックスしやすい空間が生まれます。また、使い勝手も良くなるでしょう。家具のレイアウトは使い心地だけでなく視覚的にも大きな影響を与えるため、空間を作るうえで欠かせない要素となります。
3. 全体的に見える物の量を少なくする
ホテルのようにすっきりと美しいリビングを作るには、目に入る物の量を少なくすることが大切です。ホテルライクな空間は、生活感がなく非日常を感じさせる空間が求められます。持ち帰った郵便物や、電化製品から伸びるコード類は、目に入ると生活感を感じます。これらを見えないように工夫するだけでも、空間がすっきりするでしょう。
コード類をファブリックパネルやフォトフレームなどでおしゃれに隠すアイデアも有効です。使わない物や見せたくない物を収納や隠す工夫をすることで、ホテルライクなリビングを実現し、より快適でリラックスできる空間になります。
まとめ
ホテルライクなリビングが実現すれば、日常の中に特別感や快適さを取り入れることができます。洗練されたインテリアや落ち着いた照明、統一感のあるデザインは、心地よい空間を作るだけでなく、家族やゲストにも上質な時間を提供するでしょう。
また、自分らしいアレンジを加えることで、さらに個性豊かで魅力的な空間が生まれます。小さな工夫やアイデアを積み重ねながら、理想のリビングを作り上げましょう。ホテルライクなリビングで、日々の疲れを癒し、心地よいひとときを楽しんでください。
アドバイザー
インテリアコーディネーター / 整理収納アドバイザー1級
平井 千恵美
さまざまな市町村のまちづくりに携わりながら、人と住空間のつながりを見出す活動を行う。前職では注文住宅の構造設計を担当。自宅のリフォームやDIYの経験も多数。