らしさのある家

2020.12.13

リビングにワークスペースは当たり前?これからの時代、暮らしやすい間取りとは

​​リビングにワークスペースは当たり前?これからの時代、暮らしやすい間取りとは

多様化するライフスタイル、働き方の変革、生活様式を変えた新型コロナ(COVID-19)により、住まいやおうち時間に対する考え方が以前とは変わり、自分らしさの追求や人生の目的をより明確にしていくライフスタイルへと向かう傾向に。今回は、自分にとってこれから住まいの空間や間取りをどのようにしていくのが最適か、のヒントとなる「DEN」と呼ばれる趣味室を設けたモデルルームの事例をご紹介。

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

リビングにワークスペースは当たり前?これからの時代、暮らしやすい間取りとは

このモデルルームを設計された方

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二級建築士 / インテリアコーディネーター 久保貴美

ハウスメーカーでの設計アシスタント、マンションの専属インテリアコーディネーター、不動産会社を経て、2009年フリーランスとなる。個人邸やモデルルームのコーディネート、店舗の装飾&ディスプレイなど、空間づくりに関わるあらゆる分野で活動中。

これからは家族の存在を感じながら、趣味が楽しめる間取りへ

平日は仕事して、家に帰ったら寝るだけになっているという方をよく耳にし、人生の充実度としてつまらなく、もったいないと感じていました。「充実した時間が過ごせる、好きなことを思う存分楽しむ、家にそんな空間があれば、より人生が充実するのではないか?家でも楽しめるんだよ」ということを提案したかった、と久保さん。

リビングに室内窓で仕切った趣味室「DEN」

「ご主人が趣味のレコード・音楽を楽しむ」がコンセプト
DENとは、一般的には書斎や趣味を楽しむスペースのこと。巣・ほら穴を意味する英語「DEN」
からきた言葉で、広さや形の定義はなく、隠れ家的な用途を持つ部屋のことも意味してます。
グレーのタイル調の壁面(エコカラット)をリビングからDENまでつなげることで、広い空間にいると感じるようにしています。

このDENは、室内窓で軽く仕切リ、リビングに隣接。こもってしまう個室ではなく、リビングやダインング・キッチンが見渡せることができ、お互いの顔が見える空間でありながら、自分たちの趣味の時間を過ごせるように設計。それぞれの時間が大切に過ごせます。
また、カフェのような雰囲気も取り入れ、コーヒーを飲んだり、持ち帰った仕事をしたり、子どもと一緒に宿題をしたり、大人も子ども楽しめる空間として作っています。カジュアルなイメージになり過ぎないように、室内窓は黒のアイアンでシックな雰囲気を出し、高級感や上品さも意識。

ご主人が趣味のレコード・音楽を楽しむことがコンセプトなので背面にはレコードを。

奥さまが趣味を楽しむアトリエも

ガラス引き戸で仕切ったこの部屋は、奥さまのアトリエというコンセプトで、趣味の裁縫などの時間を過ごす趣味部屋。

壁面は名古屋モザイクのコラベルタイル、床はヘリンボーン柄のフロアタイル張りにしています。正面の窓の向こう側は玄関ドアで、玄関を入ると正面にこの窓が見えるので、明るさと抜けを感じることができ、アトリエに座っているかもわかるので、家族の存在も感じることができます。

主寝室・子供部屋

主寝室は、ベッドのレイアウトに頭を悩ませたと久保さん。隣の部屋に行く動線を考慮し、造作のヘッドボードを高くし、ミラーやブラケット照明で演出。このヘッドボードを間仕切りとしても利用し、裏側に鏡をつけて無印良品の棚をつけてドレッサーコーナーに。

子供部屋は、ピンクとグレーで可愛くまとめた子ども部屋です。海外製のアクセントクロスで大人っぽいイメージを出しつつ、ラタンのチェアで温かみをプラス。子供の感性が高まりそうな個性あるおしゃれな空間に。

当時のパース

久保さんが設計した当時のパース
※このモデルルーム売却済です。現在は販売しておりません。

 

最後に

一昔前は和室に家族みんなが集まる間取りが当たり前でしたが、リビングダイニングの一角にワークスペースがある間取りは、子どもがいる家庭のみならず、新型コロナ(COVID-19)の影響で在宅勤務や、ステイホームなど、おうち時間が増えたことにより、これから必ず必要な間取りになることでしょう。完全に区切られた、こもる空間ではなく、広いリビングダイニングの中で繋がっているようで少しだけ区切られた空間。また、カスタマイズできる可変性がある家具で仕切ったり、家具も1つだけの用途だけではなく、その時必要なものに変化できるものを選ぶことで、歳を重ねても使用できるサスティナブルな住まいになっていくのではないでしょうか。自分らしさを出せるお気に入りの空間で、これからは充実したおうちライフを楽しみたいものですね。

アドバイザー

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

個人邸やモデルルームのコーディネート、店舗の装飾&ディスプレイなど空間づくりに関わるあらゆる分野で活動中。

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暮らしやすい間取り

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