インテリア

公開日2024.08.16

ダイニングチェアは揃えなくていい?選ぶ時のチェックポイント

新居用にダイニングチェアを購入したい方やそろそろ買い替えたいという方に、選ぶ時にチェックしておきたいポイントと、チェアを揃えずにおしゃれに見せるパターンについてお伝えします。

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

ダイニングチェアを選ぶ時のチェックポイント

以前、「リビングダイニングで一番お金を掛けたほうがいいものは?」という記事で、ダイニングチェアにこだわろう!とお伝えしたことがありますが、今回は実際にダイニングチェアを購入する際、何をチェックすればよいのか、についてお伝えいたします。

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まず、チェックするのはチェアの高さです。高さで確認するべきポイントは2つあります。

1:座面の高さ

ダイニングチェアの座面の高さは、人間工学的に身長の約1/4が適当であるといわれています。身長が160cmの方だと40cmですね。
座面の高さは、SH(シートハイ)と表示されますが、特に座面がクッション性のあるチェアの場合、商品寸法よりも、座った時に最終的に沈み込む高さが大事です。
可能であれば、実際に座ってみることをおすすめします。その際は、靴やハイヒールの高さも考慮しましょう。(ハイヒールを脱いで座ってみるなど)

2:テーブルとチェアの座面高さの差

もう一つ大事なのが、テーブルとチェアの座面高さの差です。これは「差尺」と呼ばれているのですが、こちらも人間工学的に27cm~30cmが適当です。
テーブルの高さが70cmの場合、40cm~43cmの座面高さです。最も一般的な高さですね。

テーブルとセットになっているチェアではなく、チェアを別で購入する場合は、特にこの寸法を考慮して選ぶことが大切です。

3:ダイニングチェアの形

次に、チェックするポイントは形です。ここでいう形とは、チェアの「肘掛け」や「背もたれ」のことです。

肘掛けのあるチェアの注意点

ダイニングチェアには、肘掛けのあるタイプと無いタイプがあります。肘掛けのあるデザインは肘を置いてリラックスできますが、テーブルとの関係に注意する必要があります。

肘の高さ

肘の部分の高さがテーブルに当たると、チェアがテーブルの中に入り切らず、座りにくくなったり、場所を取ることになります。

特に、ダイニングテーブルの天板と脚をつなぐ「幕板」という部材が入っているテーブルの場合は要注意です。チェアの肘部分がこの幕板に当たらないか、高さを確認するようにしましょう。

チェアの幅
肘掛けのあるタイプは横幅が大きいものが多いので、テーブルの脚と脚の間にチェアが収まるか確認しましょう。仮に収まったとしても、チェアとチェアが引っ付き過ぎていたりすると、座りにくくなります。

その他、肘掛けのあるタイプは、肘掛けの無いタイプに比べて、座る時や出る際に余分に引かないといけないことが多いため、頻繁に座ったり立ったりすることが多い場合は、不向きだといえます。

背もたれの注意点

背もたれのデザインは特に空間の印象に影響を与えますが、お部屋の広さにも影響します。

背もたれの高さ
背もたれが高いデザインは、高級感が出る反面、どうしても空間に圧迫感を与えてしまいます。部屋の狭さが気になる場合は、背もたれが高くないデザインがおすすめです。

背もたれの空き・透け感
少しでも部屋を広く見せたいという場合は、背もたれの空きが大きいデザイン、もしくは透け感のあるチェアがおすすめです。向こうが見渡せる分抜け感ができ、軽快な印象になります。

素材の主な特徴

ダイニングチェアにもいろいろな素材がありますが、特に座面と背もたれの素材は、座り心地に大きく関係します。以下が、主な素材の特徴です。

木製

温かみのある木製のチェアは座面は硬いですが、お尻の形に合わせて加工されているものもあります。冬は冷んやりするので、シートクッションを使うのも一つです。お手入れも比較的しやすいです。

布製

ファブリックの温かみを感じられ、クッション性もあるので柔らかな座り心地が魅力的。ただ、どうしても汚れやシミがつきやすいため、小さな子供がいる場合は、カバーリングタイプがおすすめです。

樹脂・プラスティック製

メリットは、色・デザインが豊富なことと汚れた時にサッとふけるお手入れのしやすいことです。軽量なものが多く動かしやすいため、お掃除の時も便利。木のテーブルに合わせて、モダンな雰囲気にすることもできます。

皮製(本革・合成皮革)

高級感や空間に深みを与えてくれる皮のチェア。本革と合成皮革では、お手入れの方法や耐久性が違います。
本革は経年変化を楽しめて長持ちしやすい反面、お手入れが必要であったり、シミになりやすいという特徴があります。
合成皮革はお手入れはしやすい反面、使えば使うほどボロボロになってくることも。

ダイニングチェアは揃えたほうがいい?

ダイニングチェアはセットで販売されているものも多く、購入する際には「揃えた方がいいの?」とお悩みの方も多いと思います。

結論からいうと、ダイニングチェアは揃えなくてもOKです。むしろ、揃えないほうがおしゃれに見えます。また、個々の体型や座り心地、好みに合わせたセレクトができるので、居心地の良さもアップします。ただし、チェアを揃えずにおしゃれに見せるためにはいくつかポイントがあり、難易度も少し高くなります。
次に、おしゃれに見えてチェアが選びやすいパターンを4つご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

チェアを揃えず、おしゃれに見せるパターン(4人掛けの場合)

パターン① 2種類のデザインを2脚ずつ

色やデザインが全く違っても、2脚ずつだと統一感が出ます。イメージは合わせましょう。この方法は、比較的組み合わせしやすいパターンかと思います。

パターン② 2つが同じデザインで、あとは別

2脚が同じですので、これも比較的組み合わせやすいパターンになります。

パターン③ 同じ色ですべてデザイン違い

チェアのデザインが違っても、色が同じだと統一感が出ます。この場合は、同じ木の色なので統一感があります。イメージは合わせるようにしましょう。

すべて違う色・デザインにしたい場合

色とデザインがすべてバラバラで色を取り入れたい場合は、基本的に木の色(ブラウン)と無彩色(ブラック、ホワイト、グレー)以外の色をアクセントカラーとして2色までにするとまとまります。イメージは合わせましょう。

上の写真のチェアは、木の色と無彩色以外は、アクセントとしてイエローの1色。モダンなイメージで揃えています。

上の写真は木の色と無彩色以外は、ミントグリーンとイエローの2色がアクセントになっています。インダストリアルなイメージで揃えています。
デザインがバラバラでもアクセントカラーを2色までにすると空間がまとまります。

最後に

ダイニングチェアは、インテリアのイメージや住まい手のこだわりの象徴と言っても過言ではありません。家族と一緒にショールームを回ってそれぞれのチェアを探すひとときも、きっと楽しい思い出になると思いますし、家族それぞれのお気に入りのチェアがある景色はとてもいいものです。

個人的には妥協して欲しくないダイニングチェア。お気に入りの一脚に出会えますように!

アドバイザー

二級建築士 / インテリアコーディネーター

久保 貴美

個人邸やモデルルームのコーディネート、店舗の装飾&ディスプレイなど空間づくりに関わるあらゆる分野で活動中。

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