公開日2025.04.23
生活感のない部屋の作り方|特徴と実現できる6つのルール

モデルルームやインテリア雑誌で見かける、すっきりと整った「生活感のない部屋」に憧れる方は多いのではないでしょうか。生活感のない部屋は、洗練された雰囲気を作り出すだけでなく、心の落ち着きや集中力を高める効果も期待できます。しかし、毎日暮らす部屋はどうしても生活感が出てしまうものです。
本記事では、インテリアコーディネーターが生活感のない部屋を実現するためのルールを6つご紹介します。部屋別のポイントもまとめましたので、おしゃれで居心地の良い空間作りにお役立てください。
生活感のない部屋に共通する3つの特徴

生活感のない部屋には以下の特徴が挙げられます。
- 1.ものが少ない
- 2.統一感がある
- 3.視界に入る情報量が少ない
モデルハウスやホテルの部屋を思い浮かべると、イメージがつかみやすいでしょう。これらの空間は、必要最低限の家具や装飾品だけで構成され、無駄なものが徹底的に排除されています。
ただし、ものや家具をただ減らすだけでは殺風景な空間になりがちです。そのため、モデルハウスやホテルでは、色や素材、デザインに統一感を持たせることで洗練された空間を作っています。また、配線や日用品など生活感が出やすいアイテムを隠す工夫によって、さらにすっきりとした印象を与えています。
生活感のない部屋を作るには、この3つの特徴を意識することが鍵となります。
生活感のない部屋を作るための6つのルール
生活感のない部屋を作るためには、3つの特徴を意識した習慣と、殺風景にならないための少しの工夫が大切です。以下の6つのルールを実践することで、すっきりとした美しい空間が作れます。

生活感のない部屋を作る第一歩は、余分なものを減らすことです。不要なものや使っていないものを思い切って手放すことで、部屋がすっきりと整い、洗練された印象になります。ものが多いとどうしても雑然とした雰囲気になりがちなので、定期的に持ち物を見直して必要なものだけを厳選しましょう。
ものが増えすぎるのを防ぐためには、以下のようなルールを設けることが大切です。
- ・1年以上使っていないものは手放す
- ・必要か不要か迷う場合は手放す
- ・新しいものを購入する際には「一つ入れたら、一つ出す」
生活感のない部屋を作ることは本当に必要なものを見極める機会でもあります。こうした習慣を取り入れ、余計なものを省き、心身ともに快適な暮らしを目指しましょう。
以下の記事では、断捨離するコツについて解説しています。
家に物が多い人必見!必要な量だけですっきり暮らすコツ

生活感のない部屋を作るには、目に入る情報量を減らすことです。空間に生活感を与えるものは収納し、見せないように工夫しましょう。部屋がすっきりと整って見えるのは、生活感が出やすいアイテムが視界に入らない状態だからです。
例えば、電化製品のコード類やリモコン類は、専用のケースやボックスに収納することで雑然とした印象を防げます。洗剤や郵便物、書類などの日用品は、引き出しや収納ボックスに収めて必要なときだけ取り出せるようにすると良いでしょう。
しかし、ゴミ箱やティッシュケースなど日常的に使うものを完全に隠してしまうと不便に感じることもあります。そのため「見せるもの」と「隠すもの」をバランスよく選ぶことがポイントです。
すぐに片づく仕組みづくりについて、以下の記事で説明しています。
片づけられない原因は?散らかるモノがすぐ片づく仕組みづくり

生活感のない部屋には、インテリアの色やテイストはとても重要です。色やデザインがバラバラだと雑然とした印象になりやすいため、統一感のあるカラーと素材選びを意識しましょう。
例えば、ベージュ×ホワイト×ブラウンなど、2〜3色に抑えてコーディネートすると、すっきりと洗練された空間になります。壁・家具・小物の色を同系色で揃えると、よりまとまりが出るのでおすすめです。
ナチュラルな雰囲気にしたい場合は、木製家具で揃えたり、モダンな印象にしたいならガラスやメタル素材を選んだりと、テイストを決めて選びましょう。
色と素材を揃えることで、生活感を抑えつつ、心地良いスタイリッシュな空間を作ることができます。
部屋の配色や素材の選び方については、以下の記事でも解説しています。
おしゃれな家の内装のポイント3選|配色・素材の選び方とコツも

生活感のない部屋を作るためには、空間に余白を持たせた家具のレイアウトが必要です。余白を設けることで、開放感が増してすっきりとした印象になります。例えば、壁際に余裕を持たせる、できるだけ家具を置かないようにするなどの工夫で、視覚的に広がりを感じられるでしょう。
ソファやテーブルを配置する際も、歩くスペースをしっかり確保することで機能的かつ美しい空間が生まれます。
収納量の多い家具は便利ですが、大きな家具が部屋を占めると圧迫感が生まれ、余白のない窮屈な空間になりがちです。家具は収納量で選ぶのではなく、見せる収納と隠す収納のバランスを考慮しつつ、空間の余白を意識することがポイントです。

空間の余白を意識しすぎると、無機質で殺風景な印象になってしまうことがあります。殺風景にならず、部屋を飾っても雑多な印象にしないためには、場所を限定してディスプレイすることがおすすめです。
例えば、リビングならソファやテレビボードの上、寝室ならベッドサイドの一角など飾るスペースを決めておくと部屋全体がすっきりまとまります。装飾アイテムはシンプルな絵画、オブジェ、観葉植物などを選ぶと、生活感を抑えつつ洗練された印象になるためおすすめです。
また、統一感のあるカラーや素材を選ぶとよりスタイリッシュになります。飾りすぎず、バランスよく配置することを心がけましょう。
以下の記事では、観葉植物の飾り方について解説しています。部屋を飾るための参考にしてください。
インテリアになる観葉植物の飾り方とセンスよく見せるコツ

日常生活を送るうちに、いつの間にかものが増えたり散らかったりします。生活感のない部屋にするためには、日々の片付けの習慣を身につけることが欠かせません。いつも整えられた状態をキープするために、以下の小さな習慣を取り入れることがおすすめです。
- ・使ったものは元の場所に戻す
- ・1日5分だけ片付ける時間を作る
さらに、片付けを習慣にするために収納スペースに余裕を持たせることもポイントです。ギリギリまで詰め込むと出し入れが面倒になり散らかりやすくなります。出し入れがしやすい収納と片付ける習慣をセットで実践し、整った空間を無理なくキープしましょう。
【お部屋別】生活感のない空間にするためのポイント
ここでは、リビングやキッチン、寝室などのお部屋ごとに生活感をなくすポイントや注意したい点をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
生活感のない「リビング」にするポイント

- ・空間に余白をつくるよう家具を配置する
- ・できるだけ背の低い家具を選ぶ
リビングは、ソファや収納家具の配置と高さがポイントです。収納家具が多いと、何でも楽に収納できて安心ですが、不要なものを増やす要因にもなります。
生活感のないリビングにするためには、壁や床など空間の余白を楽しみましょう。また、ものを減らして動線を確保することで、空間に開放感も生まれます。さらに、ソファや収納家具は高さの低いものだと圧迫感を感じず、実際の面積よりも広く感じさせることが可能です。
ホテルのようなリビングの作り方については、以下の記事で説明しています。
ホテルライクなリビングの作り方|快適でおしゃれな空間の5つのポイント
生活感のない「キッチン」にするポイント

- ・家電、調理器具はできるだけ見えないようにする
- ・見せる収納を取り入れると洗練された雰囲気に
キッチンは、家電や調理器具の収納方法がポイントです。 近年は、デザイン性の高い家電も登場していますが、多くの家電はどうしても空間に生活感を与えます。
家電はキッチンボードや扉付きの棚に収納し、使用時以外は見えないようにすると、すっきりとした印象になるでしょう。
また、キッチンツールや食器は、デザインを統一して見せる収納にするとキッチン全体を洗練された雰囲気に演出できます。見せる収納は、不要なものを減らして厳選したアイテムだけを配置することがポイントです。
キッチンの収納については、以下の記事でも解説しています。
プロが教える、キッチン下収納特集
生活感のない「ダイニング」にするポイント

- ・ダイニングテーブル上を片付ける習慣をつける
- ・食事のたびに必要なものは収納を工夫する
ダイニングは、テーブル周りの整理が重要です。 食事のあとはテーブルの上にものを置いたままにせず、常にすっきりとした状態を保ちましょう。テーブルの上が整理されているだけで空間が広く見え、清潔感が保てます。
ダイニングテーブル付近で使うものは近くに収納スペースをつくったり、食事のたびにキッチンからダイニングへ移動するカトラリーや調味料は、ワゴンを使うと移動がスムーズです。
生活感のない「洗面所」「脱衣所」にするポイント

- ・洗剤や衣類は、カゴや収納ケースに入れる
- ・置くアイテムを必要最低限に絞る
洗面所・脱衣所は、洗剤や衣類など生活に関わるアイテムが多い場所です。洗剤のカラフルなラベルや文字も、使用しないときには不要な情報となります。これらのアイテムはカゴや収納ケースを活用して、生活感をなくす工夫をしましょう。 カゴや収納ケースに入れて、見た目をシンプルにすることが、生活感をなくすポイントです。
また、洗面所・脱衣所に置くアイテムは必要最低限に絞りましょう。洗剤や石けんなどの日用品は、ある程度ストックが必要ですが、ストックが多すぎると置き場所も必要です。使用量を把握し、適量を収納しましょう。無駄なものを置かないことで清潔感が保たれ、すっきりとした印象を作り出すことができます。
洗面所の収納については、以下の記事でも解説しています。
ものがあふれる洗面台まわりは、「ジャンル分け」と「場所のルール決め」で片づく!
生活感のない「寝室」にするポイント

- ・ベッドまわりに片づけやすい仕組みをつくる
- ・間接照明を取り入れる
寝室をすっきりと見せるためには、パジャマや本など空間に生活感を与えるものを隠す工夫が大切です。ベッドサイドに収納ボックスや引き出しを設置し、使ったものはその都度片付ける習慣をつけましょう。常に整理された状態を保つことが、寝室に生活感を出さないポイントとなります。
また寝室を整理しつつリラックスできる空間にするためには、間接照明を導入すると効果的です。 間接照明はソフトで暖かい光を作り出し、リラックスできる雰囲気を演出します。天井照明よりも刺激が少なく、リラックス効果があるため、お休み前にふさわしい照明といえるでしょう。
まとめ
生活感のない部屋を作るということは、自分らしく心地よく過ごせる空間を作ることです。収納の見直しや少しの家具の移動でも、理想の「生活感のない部屋」に近づきます。大切なのは、日々暮らしやすさを試行錯誤することです。
美しさと機能性のバランスを考えながら、自分らしい空間作りを楽しみましょう。無理に完璧を目指すのではなく、日々の暮らしのなかで無理なく続けられるレベルを見つけ、長く続けることが大切です。
アドバイザー
インテリアコーディネーター / 整理収納アドバイザー1級
平井 千恵美
さまざまな市町村のまちづくりに携わりながら、人と住空間のつながりを見出す活動を行う。前職では注文住宅の構造設計を担当。自宅のリフォームやDIYの経験も多数。