公開日2025.03.05
シンプルな部屋の作り方!おしゃれに見せるコツも解説

シンプルな部屋は、見た目がすっきりするだけでなく、暮らしやすさも向上します。しかし、実際にシンプルな部屋を作るとなると、何から始めればよいのか迷うこともあるでしょう。
この記事では、シンプルな部屋の特徴や作り方のコツを詳しく解説します。おしゃれな雰囲気を演出する工夫も紹介するので、理想の部屋づくりの参考にしてください。
シンプルな部屋の特徴

シンプルな部屋を作るには、まずその特徴を理解することから始めましょう。シンプルな空間には、主に4つの要素が見られます。
- ● 物が少ない
- ● 色数が少ない
- ● 生活感を抑えている
- ● 統一感がある
シンプルな部屋の本質は、余計なものを削ぎ落とし、必要なものだけを厳選することです。物を減らし、色のバランスを整えることで、すっきりとした統一感のある空間が生まれます。
また、生活感を匂わせない収納や調和の取れたインテリアによって、より洗練された印象になります。大切なのは、単に物を減らすだけでなく、残すアイテムの質やデザインにこだわることです。
シンプルな部屋の作り方とコツ
物を厳選するといっても、何から始めればよいのでしょう? ここでは、シンプルな部屋を作るための具体的な方法を4つ紹介します。
1. 部屋の色を3~4色でまとめる

シンプルな部屋づくりのコツは、色の数を厳選することです。ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーの3色に絞り、次の割合でまとめると調和の取れた空間が生まれます。
カラー |
割合 |
使用箇所 |
---|---|---|
ベースカラー(基調色) |
70% |
床・壁・天井 |
アソートカラー(配合色) |
25% |
大型家具・カーテン・ラグ |
アクセントカラー(強調色) |
5% |
小物・クッション・インテリア雑貨 |
上記の比率を黄金比率といいますが、実際には壁・天井と床の色は異なることがほとんどです。そこでベースカラーは「床」と「壁・天井」の2色とし、合計4色で考えるのがおすすめです。
各カラーの選定ポイントを見ていきましょう。
● ベースカラーを選ぶポイント
ベースカラーは、床・壁・天井などの内装に使用され、全体の70%を占める色です。壁や天井に濃い色を使うと圧迫感を覚えやすいため、明るい色を選びましょう。
また、主張しすぎない色を採用することもポイントです。白やアイボリー、ベージュといった色なら、どのような家具とも合わせやすく、シンプルな部屋を作れます。内装の変更には費用がかかるため、ベースカラーにはトレンド色ではなく飽きのこない色を選びましょう。
● アソートカラーを選ぶポイント
アソートカラーは大きな面積を占めるアイテムに使う色で、部屋の印象を左右する色です。全体の25%が目安で、次のような箇所に使用します。
- ・ソファ
- ・ベッド
- ・ダイニングテーブル
- ・カーテン
- ・ラグ
- ・キッチン収納の扉
- ・冷蔵庫
アソートカラーは完全な同一色ではなく、濃淡があっても構いません。淡いグリーンのソファに濃いグリーンのラグを組み合わせるなど、トーンにバリエーションをもたせることで単調さを防げます。
また、大型家具を必ずしもアソートカラーにする必要はなく、床の色と合わせて木目調にすることで、統一感を持たせることもできます。
● 濃い色をアクセントカラーにする
濃い色は大きな面積に使うと圧迫感があるため、アクセントカラーとして取り入れるのが効果的です。アクセントカラーは全体の5%に留め、クッションやアートパネルなどの小物で使用します。1か所だけでなく部屋の中で複数箇所に分散配置すると、視線が自然に移動し空間にリズムが生まれます。
イエローやネイビーブルーなど、理想とするインテリアのテイストに合わせて選びましょう。
2. 家具・インテリアを厳選する

家具やインテリアは、部屋の印象を決定づける重要な要素です。シンプルで洗練された空間を作るには、3つのポイントを押さえておきましょう。
・インテリアのテイストを揃える
家具の色や素材、デザインを統一すると、部屋全体がシンプルで洗練された雰囲気になります。
例えば、木製家具を取り入れる場合、ナチュラルな色合いとダークブラウンのものを混ぜると、まとまりのない印象になるため、どちらかに揃えるのが理想です。
統一感を持たせるには、インテリアのテイストを明確にしておきましょう。北欧やモダンなどのスタイルを決めておけば、それに合う家具や小物を選ぶことで、バランスの取れた空間を作れます。
家具の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
プロが教える、失敗しない家具の選び方とおすすめのインテリアショップ
・背の低い家具を選ぶ
背の低い家具を選ぶと視界が広がり、開放感のあるすっきりとした空間が生まれます。反対に、壁一面を覆うような背の高い家具は圧迫感を与え、部屋を狭く感じさせるものです。 本棚やチェストは目線より低めのものを選ぶと、落ち着いた雰囲気になるでしょう。適度な余白を持たせることで、シンプルで心地よい部屋を作れます。
・大きめのファブリックは無地のものを選ぶ
カーテンやベッドカバーなどの面積が大きいファブリック類は、無地のデザインを選ぶことで、部屋全体がシンプルになります。

一方、派手な模様や装飾が多いアイテムは、視覚から入る情報量が増え、雑然とした印象を受けることがあります。無地のアイテムなら、他の家具やインテリアとの調和も取れるため、統一感のある空間を作れるでしょう。
3. 物を減らす

家具のデザインを統一しても、物が多いとシンプルな印象にはなりません。すっきりとした空間を作るためには、持ち物の見直しが不可欠です。細々とした物だけでなく、家具についても必要性を再考しましょう。
例えば、ライフスタイルによってはソファやダイニングテーブルが不要な場合もあります。使わない物を手放すことで空間に余裕が生まれ、シンプルな部屋が実現します。
以下の記事では、リビングのソファを手放して良かったことについて紹介しています。
ソファをなくして気づいた3つの良いこと。自由に自分スタイルを楽しむ
4. 生活感を減らす
実際に生活をしていると、ホテルのように何もない空間を維持するのは難しいかもしれません。とはいえ、生活感があふれていると、雑然とした印象になってしまうもの。
ここでは、日用品の選び方や収納方法、配線の処理といった少しの工夫で生活感を抑えるコツを紹介します。
・ 日用品をインテリアになじませる
洗剤やティッシュペーパーなどの日用品は、そのまま置くと生活感が出やすくなります。パッケージのおしゃれな商品を選んだり、統一感のあるケースに入れ替えたりすることで、生活感を抑えましょう。
色や素材をインテリアに合わせると、日用品も部屋の一部として調和させることができます。
・ 隠す収納で部屋をすっきりさせる
物を出しっぱなしにしないことは、生活感を抑えるうえでマストです。床やテーブルの上に物があると、雑然とした印象になってしまいます。リモコンやボールペンなどの小物も、定位置を決めて収納しましょう。引き出し付きのテーブルや、収納ラックを活用すると便利です。
また、インテリアショップのような見せる収納は、うまくディスプレイができないと雑多な雰囲気になってしまうことも。シンプルな部屋を目指すなら、隠す収納を取り入れましょう。
新築戸建ての収納計画について、以下の記事で詳しく紹介しています。
家を建てた人に聞いた「収納スペース」の失敗・後悔ベスト5
・ 配線・ケーブル類を隠す
インターネットやテレビ、パソコンの配線が見えると、生活感が強く出てしまいます。配線類はできるだけ目立たないように工夫しましょう。
ケーブルをまとめて束ね、専用のカバーで隠したり、家具の後ろに固定したりするのが方法のひとつです。見た目がスマートになり、シンプルな空間を作ることができます。
なお、壁掛けテレビの配線を目立たないようにするには、背面のコンセントやアンテナの位置、周辺機器との接続などを事前に計画しなければなりません。
詳しくは以下の記事で解説しています。
壁掛けテレビの肝は「配線計画」!新築時におさえておきたいポイント
殺風景に見せずに、シンプルな部屋をおしゃれに演出する方法
シンプルな部屋は、無駄がなく整った印象がある反面、殺風景に見えてしまうことも。ここでは、シンプルな部屋を寂しい印象にせず、おしゃれに演出するコツを紹介します。
観葉植物を取り入れる

観葉植物を取り入れると、シンプルな空間に自然の彩りが加わります。
さらに鉢のデザインや素材をインテリアのテイストに合わせることで、統一感が生まれます。例えば、ナチュラルテイストにはテラコッタの鉢、ヴィンテージスタイルの部屋にはアイアン製の鉢がなじむでしょう。また、プランタースタンドを使って高さを調整すると、空間にリズムと変化をつけることが可能です。
観葉植物の飾り方について、詳しくは以下の記事で紹介しています。
インテリアになる観葉植物の飾り方とセンスよく見せるコツ
好きなテイストを小物で加える
シンプルな部屋はすっきりとした印象があるものの、どこか物足りなさを感じることもあります。そんなときは、好きなインテリアテイストを小物で取り入れると、空間に個性や温かみが生まれます。
クッションや小さなオブジェ、アート作品などは、手軽にアクセントを加えられるアイテムです。ただし、飾りすぎると雑然とした印象になりがちなので、適度な余白を残すことで洗練された雰囲気を保ちましょう。
照明器具のデザインにこだわる

照明は、部屋の雰囲気を大きく左右する要素です。一般的なシーリングライトでなくデザイン性の高い照明を取り入れることでアクセントが加わり、おしゃれな雰囲気になります。
例えば、ペンダントライトやシャンデリアは、インテリアの一部になるほどの存在感をもちます。部屋のテイストに合わせて照明を選び、より洗練された空間を作りましょう。
シーリングライトにするとしても、間接照明効果のあるものを選ぶなど、デザインにこだわったものがおすすめです。
照明の選び方については、以下のページも併せてご覧ください。
プロがおすすめする、リビングダイニングの照明とその選び方
内装の素材や色にこだわる

床材の色や質感、建具のデザインといった内装のディテールは、部屋の印象を左右します。フローリングだけでも、ホワイト系やナチュラル系、ダーク系などの色合いがあり、素材によっても雰囲気が異なります。内装は一度決めると簡単に変えられないため、新築やリノベーション、引っ越しの際には慎重に選ぶことが大切です。
北欧テイストの部屋には明るい色合いのフローリング、和モダンには深みのある無垢材など、インテリアのスタイルに合わせて選ぶと、おしゃれな空間に仕上がります。
床の色選びについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
【新築】悩みがちな床の色。後悔しない選び方とドアとの合わせ方
まとめ
シンプルな部屋を作るには、物を減らし、色数を抑え、統一感のあるインテリアを選ぶことが大切です。さらに生活感を減らす工夫を加えることで、より洗練された空間が生まれます。
また、シンプルな部屋をおしゃれに見せるには、観葉植物を取り入れたり、照明や小物にこだわったりするのが効果的!
シンプルな空間は見た目が美しいだけでなく、快適な暮らしにもつながります。ポイントを参考に、心地よい空間づくりを始めてみましょう。
アドバイザー
宅地建物取引士 / 2級カラーコーディネーター
悠木まちゃ
国立校の建築学科で学び、ハウスメーカー勤務を経て、独立。前職では設計士として、戸建て住宅の間取りプランニングから、照明・設備のコーディネートまで幅広く担当。