公開日2025.03.19
モダンな内装の家を作るには?おしゃれに見える配色と間取りのアイデアも

スタイリッシュな印象のモダンテイストは、シンプルながらも上質な空間を演出できる人気のデザインです。直線的なフォルムや統一感のあるカラーリング、素材のコントラストを活かすことで、無駄のない洗練された住まいを実現できます。
また、開放感を重視した間取りや、生活感を抑える収納計画を取り入れることで、よりすっきりとした空間に仕上がります。モダンテイストの家はデザイン性だけでなく、機能的で暮らしやすいのも大きなメリットです。
今回は、モダンな家を作るためのポイントや、間取りのアイデアやおしゃれに仕上げるコツをご紹介します。理想の住まいづくりの参考にしてください。
モダンな家の内装の特徴とは?
ここでは、モダンテイストの基本的な特徴やメリットを詳しく解説します。
シンプルで無駄をそぎ落とした空間
モダンテイストの住まいは、装飾を最小限に抑えた洗練された雰囲気です。無駄を感じさせない直線的なデザインや凹凸の少ない壁面、落ち着いたカラーリングを基調とすることで、上品で飽きのこない内装が実現できます。
シンプルで無駄のないモダンな空間を作るには、統一感のある色使いと素材選びが重要です。壁や天井はホワイトやグレーなどの無彩色を基調とし、家具やインテリアの色数も絞ることで、すっきりとした印象を与えます。さらに、光沢のある素材やガラス、アイアンなどを部分的に取り入れることで、高級感のある洗練された空間に仕上げることが可能です。
生活感を隠す収納
モダンな住まいでは生活感を隠すための収納計画が重視されます。たとえばキッチンやリビングにおいて、日常の道具が視界に入りにくくなるよう工夫すると、見た目がよりシャープに仕上がります。
キッチン家電はビルトイン収納を活用し、空間と一体化させることですっきりとした印象に。リビングでは、テレビ周りや子どものおもちゃを収納家具で目隠しし、雑然とした印象を防ぎます。さらに、造作収納を取り入れることで、間取りとの調和を図りながら、実用性とデザイン性を兼ね備えた洗練された空間になるでしょう。
さまざまなスタイルとの相性が良い
モダンと一口にいっても、和モダンやナチュラルモダン、シンプルモダンなど種類は豊富です。暮らしやすさや好みに合わせてテイストをアレンジできるため、住まい手の個性に寄り添いやすい点も魅力です。
モダンテイストの主な種類
モダンテイストには、シンプルな美しさを追求した「シンプルモダン」、自然素材を取り入れた「ナチュラルモダン」、和の要素を融合させた「和モダン」、高級感のある「ラグジュアリーモダン」など、さまざまなバリエーションがあります。ここでは、それぞれの特徴をまとめました。
シンプルモダン

シンプルモダンは「最小限の要素で最大限の美しさを引き出す」をコンセプトに、白や黒、グレーなどモノトーンでまとめるケースが多いデザインです。建具や家具、照明器具まで、全体を通して余計な装飾を排し、無駄のない端正な空間を目指します。
素材にはコンクリートやガラス、メタルなど直線的なものを選ぶと、モダンな雰囲気を強調できるでしょう。床や壁の色味を統一することで空間に広がりを持たせ、シンプルながらも開放感のある印象が生まれます。さらに、クッションやラグにアクセントカラーを取り入れることで、個性を演出しつつ、スタイリッシュな雰囲気を引き立てることが可能です。
ナチュラルモダン

木の温もりなど自然素材の要素を取り入れながら、モダンなシンプルさを両立させたスタイルです。家具やフローリングの色合いは落ち着いたベージュやブラウンを中心に、内装全体をまとめると暖かみが生まれます。
ナチュラルモダンには、無垢材や突板など、シンプルながらも温もりのある素材が欠かせません。照明計画では、間接照明や暖色系の光を取り入れ、やわらかく落ち着いた雰囲気を作るのがポイントです。さらに、観葉植物をあしらうことでより明るく爽やかな印象を加え、心地よい住空間を実現できます。
和モダン

和の要素とモダンデザインを融合させたスタイルです。日本の伝統的な要素を、直線的なフォルムや落ち着いた色調と組み合わせることで、凛とした空気感とモダンな洗練さを共存させます。
畳や和紙など日本の素材を取り入れながら、床の間や建具を直線的にアレンジすることで、洗練された印象に仕上がります。照明はシンプルなダウンライトや間接照明を採用し、控えめで落ち着いた雰囲気を演出。さらに、建具や壁にはグレーやダークブラウンを取り入れることで、空間全体を引き締め、上品で現代的な和の空間を実現できます。
以下の記事では、和モダンの部屋の作り方を詳しく紹介しています。
和モダンな部屋の作り方|配色や家具選びのポイント
ラグジュアリーモダン

シンプルでありながら重厚感を醸し出し、高級ホテルのような雰囲気を目指すスタイルです。大理石や鏡面仕上げの素材、メタルパーツなど光沢のある要素をあしらうことで、上質な空間を演出することができます。
照明にはシャンデリアなどデザイン性の高いものを配置し、空間全体に華やかさをプラス。さらに、間接照明を活用して壁や天井に陰影をつけることで、奥行きのあるドラマティックな雰囲気を作り出し、洗練されたラグジュアリーな空間を実現できます。
モダンな印象を高める配色とインテリア
モダンな内装を際立たせるには、色や素材の選び方が重要です。モノトーンを基調にコントラストを意識した配色や、ガラスや金属、木材など異なる素材の組み合わせが、洗練された空間を演出します。ここでは、モダンな印象を高めるためのポイントを解説します。
色のトーンとコントラストを意識する

モダンテイストでは、白・黒・グレーを基調とした配色が好まれます。しかし全てを無機質にまとめるのではなく、薄いベージュや木材の質感などを添えると、単調さを避けつつ落ち着いた雰囲気を保ちやすくなります。
ベースはモノトーンで統一しつつ、青みを帯びたグレーなど同系色の差し色を加えると、より洗練された印象です。また、ダークブラウンの床材と白い壁を組み合わせることで、空間にメリハリを生み出し、モダンな雰囲気が強調されます。さらに、クッションやラグなどのインテリアにアクセントカラーを取り入れることで、単調にならずスタイリッシュな空間を演出できます。
素材の質感で空間を引き立てる

視覚的にシンプルな構成であっても、素材の質感が単調だと物足りなさを感じる場合があります。モダンな内装を際立たせるには、素材の質感を活かして空間を引き立てることが大切です。無機質なコンクリート調やステンレスと、やわらかいウッド材や布張りのインテリアなどを組み合わせることで、深みが増します。
キッチンカウンターや天板には人工大理石やステンレスを採用すると、よりモダンな印象です。さらに、ソファやクッション、ラグなどのファブリックにファーやリネン、レザーを取り入れることで、異なる質感の組み合わせが生まれ、シンプルながらも奥行きのある空間を実現できます。
間接照明で壁や天井に陰影を作る

モダンな内装を際立たせるには、間接照明を活用して壁や天井に陰影を作ることが効果的です。間接照明を設置すると、壁や天井にやわらかい光が当たって落ち着きが生まれます。家具や建具をさりげなく照らす演出も可能で、空間の奥行きを強調できます。天井に凹凸を作り、間接照明を仕込んで光を拡散させることで、空間全体をより上品な雰囲気にすることも可能です。ラグジュアリー感を演出する手法としても人気があり、シンプルながらも洗練された印象を与えます。
また、リビングのテレビ背面やソファの背面などに間接照明を組み込むことで、奥行きのある洗練された空間を演出できます。
モダンな内装を引き立たせる、間取りのアイデア3選
モダンな内装をより引き立たせるには、間取りの工夫が欠かせません。開放感を演出する吹き抜けや、視線が抜けるリビング階段、統一感を高めるオープンキッチンなど、デザイン性と機能性を両立させるアイデアをご紹介します。
吹き抜けで開放感を演出

天井の高さを活かすことで、広々とした印象を与えることができます。さらに採光面でも有利になるため、昼は自然光で明るく、夜は間接照明でホテルライクな空間としやすくなります。
モダンな内装を活かす間取りのアイデアとして、吹き抜けを取り入れて開放感を演出することが効果的です。2階ホールからリビングが見下ろせるように間取りを計画すると、空間に一体感が生まれ、広がりが感じられます。大きな窓は、外部の風景とのつながりが強調され、自然光も取り込みます。
ただし、吹き抜けの空間では空調がききにくいため、シーリングファンや全館空調などを導入し、空気の循環を確保することで快適さを保つことが大切です。
リビング階段で視線をつなぐ

リビング階段は、家族の気配を感じやすい設計として人気です。たとえば透明感のあるガラス手すりや直線的なアイアン階段は、モダンなスタイルと違和感なくマッチします。
階段下を収納スペースとして活用することで、生活動線をすっきりと保ち、無駄のない空間づくりが可能です。さらに、階段の素材に木とアイアンの組み合わせを選ぶことで、デザイン性が高まり、モダンでスタイリッシュな印象を与えます。また、階段周辺の手すりや壁を最小限に抑え、空間の連続性を保つことで、リビングと階段につながりが生まれることも魅力です。
以下の記事では、リビング階段のメリットとデメリットを解説しています。
【新築住宅】階段の位置は重要!リビング階段のメリットとデメリット
オープンキッチンでLDKを一体化

キッチンをオープンにすることで、リビング・ダイニングとのつながりが明確になります。デザインが統一されたキッチンを取り入れると、LDK全体がモダンテイストの空気感で満たされるでしょう。
モダンな内装を活かす間取りのアイデアのひとつとして、オープンキッチンを取り入れることで空間を一体化させることが可能です。食器棚やパントリーは壁面収納を活用し、見せたくないものをカバーすることで、すっきりとした印象を保ちます。
アイランドキッチンを採用すればキッチンとリビングの境界がなくなり、解放感を追求できます。空間のアクセントには、カウンタースツールやペンダントライトも効果的です。
モダンな内装にする際の注意点
モダンな内装を美しく保つためにはメンテナンスが欠かせません。また、モダンな内装はシンプル過ぎて冷たい印象にならないための工夫も必要です。ここでは、そのメンテナンス方法と注意点を説明します。
メンテナンスのしやすさを意識する
モダンなインテリアは直線的なデザインが多いため、溝や曲線が多い家具に比べて掃除がしやすいことがメリットです。しかし、鏡面仕上げの床やガラスパネルなどは指紋や水垢が残りやすいため手間がかかる場合もあります。このような仕上げの家具は、クロスでこまめに拭き取るなどのルーティンを定めておくと安心です。
シンプルすぎて殺風景にならないようにする
モダンな内装を実現するためには、シンプル過ぎて殺風景にならないように注意が必要です。シンプルさを追求するあまり、冷たい印象にならないように、素材の質感や色使いで温かみを加えましょう。
温かみをプラスするには、木材やファブリック素材を適度に取り入れることが効果的です。また、観葉植物や間接照明を活用することで、空間にやわらかな雰囲気を演出し、居心地の良いモダンな空間を作り出すことができます。
家族構成やライフスタイルの変化を考えておく
子どもが小さい家庭であれば、床材を多少傷に強いものにしたり、リビングにしっかりと収納を設けておいたりする工夫が大切です。将来的に暮らしが変化しても柔軟に対応できるよう、初期段階で動線や部屋数を検討すると住まいが長持ちしやすくなります。
まとめ
モダンな内装の家を作るには、シンプルで洗練されたデザインをベースに、色や素材、間取りの工夫を取り入れることが大切です。テイストの違いや間取りの形状を理解し、空間全体のバランスを考えることで、理想的な住まいを実現することができます。
また、生活感を抑える収納や照明の配置など、細部にこだわることで、より快適でおしゃれな空間に仕上がります。モダンテイストの家は、デザイン性と機能性を兼ね備えた魅力的な住まいのスタイルです。自分に合ったアイデアを取り入れ、理想のモダン空間を叶えましょう。
アドバイザー
インテリアコーディネーター / 整理収納アドバイザー1級
平井 千恵美
さまざまな市町村のまちづくりに携わりながら、人と住空間のつながりを見出す活動を行う。前職では注文住宅の構造設計を担当。自宅のリフォームやDIYの経験も多数。