公開日2025.02.25
リビングにキッズスペースを作る際に失敗しない3つのポイント

子どもが小さいうちは、できるだけ親の目の届く範囲で安全に遊ばせたいもの。そんな時、リビングにキッズスペースがあれば便利です。家族みんなが過ごすリビングにキッズスペースを作ると、どうしても「散らかりやすいのでは?」「おしゃれな雰囲気が壊れそう…」と不安がつきまといます。しかし、子どもの成長や安全を考えた空間づくりは大切なポイントです。
当記事では、リビングにキッズスペースを作る際に失敗しないためのポイントを「安全性」「機能性」「デザイン性」の3つの観点から解説します。ぜひ参考にしてください。
1.リビングのキッズスペースに大切なもの | 安全性
リビングにキッズスペースを設ける際、最も重視したいのは安全性です。子どもが安心して遊べる環境を整えることで、親もリラックスして見守ることができます。ここでは、キッズスペースの安全性についてまとめました。
キッズスペースは目が届きやすい場所に

リビングにキッズスペースを設ける最大のメリットは、親と同じ空間で子どもが安全に遊べる点です。子どもは親の近くにいることで安心感を得られ、不安を感じにくくなります。また親としても、家事をしながらでも子どもの様子を見守れる位置にキッズスペースを配置すれば、目の届く範囲で安全に遊ばせやすくなり安心です。
一緒に過ごす時間が増えることでコミュニケーションの機会も自然に増えます。おままごとをしている子どもに「何を作っているの?」と声をかけるなど、ちょっとしたやりとりで関係性が深まる点もリビングの利点です。
ケガをしないための工夫を

キッズスペースを作る際には、子どもがケガをしないよう安全対策を徹底することが重要です。まず、ラグやプレイマットを敷くことで、転倒時の衝撃を軽減し、床に傷が付くことも防げます。また、子どもは予測できない動きをするため、テーブルや棚など家具の角にはコーナーガードを取り付け、頭をぶつけるリスクを減らしましょう。
窓のそばにキッズスペースを設置する場合は、窓の施錠を二重にするなど簡単に開閉できない工夫が必要です。特に腰窓の下には、踏み台になるような家具やおもちゃを置かないよう配慮することが大切です。
家族の動線を考えることも大切
キッズスペースは、子どもだけでなく家族全員の動線を考えることが大切です。人の通路をふさがないように注意し、通路幅は最低でも60cmを確保しましょう。
また、テレビを見る人の前を横切る場所や、収納の扉を開けるのに支障が出るような位置にキッズスペースを配置するのはおすすめできません。動線がスムーズに機能しないと、家族が日常生活でストレスを感じる原因になります。
スペースの配置や家具の選び方を工夫し、家族全員が快適に過ごせるリビングを目指しましょう。
2.リビングのキッズスペースを使いやすく | 機能性
リビングのキッズスペースは機能性も重要です。子どもが快適に遊び、片付けがスムーズにできるような収納や配置を工夫することで、家族全員が使いやすい空間を作ることができます。ここでは、キッズスペースの機能性についてまとめました。
成長に合わせてアレンジしやすい家具を選ぶ
キッズスペースを使う子どもの年齢層は、成長が著しく、その時々で必要なおもちゃやアイテムが変化します。そのため、成長に合わせて柔軟にアレンジできる収納を選ぶことが大切です。例えば、棚板や仕切りの位置を簡単に調整できる棚を使えば、収納スペースを効率的に活用できます。
また、移動させやすいキャスター付き家具や、壁に穴を開けずに取り付けられるラブリコを使った棚は、レイアウトの変更がしやすいためおすすめです。こうした工夫により、キッズスペースを成長に応じて快適に使える空間にできます。
ラブリコを使った実例は以下の記事で紹介しています。
【ラブリコDIY】子どもが喜ぶ絵本棚でリビングをおしゃれな空間に
遊びに集中しやすいレイアウト

キッズスペースでは、ブロック遊びや工作など、集中力を要する遊びをすることも多くあります。これらの遊びには、子どもの体に合った小さめの椅子やテーブルを用意するのがおすすめです。
また、集中力を高めるには、周囲の視線をほどよく遮るレイアウトが効果的です。例えば、シェルフを間仕切りにすれば、空間がゆるやかに仕切られて落ち着ける環境になります。テーブルを人と対面しない方向に配置して、視線を意識した配置を工夫すれば、子どもが遊びに集中しやすいキッズスペースを実現できるでしょう。
子どもが片付けを習慣化できる収納の工夫

子どもが片付けを習慣化するには、収納の工夫が欠かせません。よく使うおもちゃは、子どもが手を伸ばしやすい膝から肩の高さに収納するのがおすすめです。ただし、子どもは成長に伴い身長が伸びるため、収納の高さを定期的に見直すことが重要です。

また、おもちゃの種類ごとにカゴを分け、ラベリングで内容をわかりやすくすることで、子どもが迷わず片付けられる環境が作れます。こうした工夫により、片付けが自分でできるようになれば、達成感や自信にもつながるでしょう。子どもの視点に立った収納が、習慣化への第一歩です。
3.リビングのキッズスペースをオシャレにしたい | デザイン性

リビングにキッズスペースを設ける際にデザイン性を意識すれば、子どもが楽しく過ごせるだけでなく、部屋全体の雰囲気を損なうこともありません。ここでは、キッズスペースのデザイン性についてまとめました。
リビングをスッキリ見せるキッズスペースの位置
リビングの扉を開けた時に目に入る光景が、部屋の第一印象を決定づけます。リビングをスッキリ見せるためには、この場所に生活が出ないよう心掛けることが大切です。
キッズスペースも、リビングの扉を開けた時に直接目に入らない場所に設置するのが理想です。こうした部屋の「見え方」を考慮すると、リビング全体が整然とした印象になります。細々したものは収納を活用して視覚的なごちゃつきを避け、スッキリとした空間作りを意識しましょう。
カラフルなおもちゃには収納ボックスを
子どものおもちゃはカラフルで種類も多いため、リビングにたくさん並んでいると雑多な印象を与えます。カラフルなおもちゃをリビングに上手に収納するためには、収納グッズや家具の色味をインテリアのトーンに合わせる方法がおすすめです。
おもちゃを統一感のある色味の収納ボックスに入れることで、視覚的に隠すことが効果的です。収納ボックスに入らない大きなおもちゃなら、棚の間口にカーテンを付けるなどして対策しましょう。カーテンの布地はリビングのインテリアを損ねない色を選びます。取り付けは、突っ張り棒やシールタイプの面ファスナーがあれば、比較的簡単です。
目に入る色の数を抑えることでリビングはスッキリとした印象になり、落ち着いた空間を保つことができます。
見せる収納と隠す収納を使い分ける

リビングをスッキリ見せるためには、見せる収納と隠す収納をうまく使い分けることが重要です。
例えばリビングが吹き抜けやスキップフロアになっている場合、吹き抜けの階段下(1F部分)やスキップフロアの段差部分にキッズスペースを置くのも一つの方法です。段差を活かして収納を引き出し式にすれば、子どもがおもちゃを取り出しやすいだけでなく、スペースを無駄なく活用できます。スキップフロアの下を“秘密基地”的にして楽しむ事例もあり、子どもにとってワクワクする空間になるでしょう。
とはいえすべてを隠すのが正解、というわけではありません。 例えば絵本や図鑑などを見える場所に表紙が見えるような棚に置いておくことで、常に子どもの目に留まり、本と触れ合うきっかけを作ってくれるかもしれません。
このように見せる収納と隠す収納のバランスを上手に取れば、遊びの幅が広がりつつも生活空間が散らかりにくい、快適なリビングを実現できるでしょう。
【年齢別】リビングのキッズスペースに必要な広さとポイント

リビングのキッズスペースは、子どもの成長段階に合わせて広さや工夫が変わります。年齢ごとの特徴に合った空間づくりを意識することで、子どもがより安心して遊べるスペースになるでしょう。ここでは、キッズスペースの広さについてまとめました。
0~2歳のキッズスペースは、1畳程度の広さでも十分です。特に目が離せないこの時期には、スペースの広さよりも親の目が届きやすい場所を選んで設置しましょう。また、安全対策が必要な時期でもあり、ラグやマットを敷いて転倒時の衝撃を和らげ、家具のコーナー部にはガードを付けるなど、物理的な配慮が重要です。
おもちゃや絵本は子どもの目線に合わせて、手に取りやすい場所に置くことで、子どもが自分で遊びやすくなります。安全性と使いやすさを重視したスペース作りを目指しましょう。
3~4歳のキッズスペースの広さは、2~3畳程度が理想です。この時期の子どもは自分でできることが増え、片付けや整理整頓の習慣を身につけやすい時期でもあります。出したおもちゃを自分で片付けやすくするためには、カゴ収納やオープン本棚など、使いやすい収納を取り入れることがポイントです。
ついおもちゃが増えがちな時期ですが、あまり使っていないおもちゃをキッズスペースに収納しないよう、おもちゃを厳選することも大切です。おもちゃを置きすぎないことで、子どもは物の管理がしやすくなり、片付けもスムーズにできるようになります。
5~6歳のキッズスペースは、2~3畳以上の広さが理想です。この時期、子どもは一人でできることが増え、自分の時間・空間が欲しくなる時期です。
また小学校入学を控え、学習スペースを考慮したレイアウトにステップアップしていく時期でもあります。子ども用デスクをリビングの一角に用意して、文字の練習や工作がしやすい環境を整えましょう。
また、収納スペースには文具類を整理できる引き出しや本棚を追加し、子どもが取り出しやすい位置に配置します。この頃から「自分だけのスペース」として愛着を持つようになり、勉強を習慣づける準備にもなります。
まとめ
リビングにキッズスペースを作る際に失敗しないためには、「安全性」「機能性」「デザイン性」の3つをバランスよく取り入れることが重要です。安全性を確保し、片付けやすい機能的な収納を取り入れることで、子どもが安心して遊べる環境を提供できます。また、リビングのデザインに調和する美しい空間作りを意識すれば、家族全員が快適に過ごせる場所が実現します。
子どもの成長を見守りながら、理想的なキッズスペースを作るため、今回紹介したポイントを参考にぜひ挑戦してみましょう。
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アドバイザー
インテリアコーディネーター / 整理収納アドバイザー1級
平井 千恵美
さまざまな市町村のまちづくりに携わりながら、人と住空間のつながりを見出す活動を行う。前職では注文住宅の構造設計を担当。自宅のリフォームやDIYの経験も多数。