公開日2025.03.21
落ち着く部屋の作り方5選|一人暮らし〜子育て世代でのポイントも

忙しい毎日のなかで、リラックスできる場所がほしいと考える方は多いのではないでしょうか。ホッと一息つける空間があれば、心身ともにリフレッシュできるでしょう。そのような落ち着ける部屋は、少しの工夫で今の自宅にも作れます。以下の5つのポイントを取り入れてみましょう。
・ 整理整頓されて清潔感がある
・ ゆとりや開放感がある
・ インテリアに統一感がある
・ 落ち着く色でまとまっている
・ 肌触り・座り心地・香りなどが心地よい
この記事では、5つのポイントを踏まえて、落ち着く部屋の作り方を紹介します。仕事終わりや休日にリラックスできる空間を作りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 落ち着く部屋にするための事前準備『整理整頓と掃除をする』

落ち着く部屋は、整理整頓されていて清潔感があります。必要なものがきちんと収納され、床や棚の上がすっきりしている状態が理想です。反対に、物が散乱していると部屋全体が雑然とした印象になり、リラックスできません。
不要なものを処分する
収納や家具のレイアウトを考える前に、まず不要なものを処分しましょう。持ち物を必要最小限に減らしてから収納を見直すと、スムーズに片付けが進みます。
処分する際は「最近使ったか」という基準を作ると判断しやすくなります。長期間使っていないものや、同じ用途のものが複数ある場合は、思い切って手放すのがおすすめです。
思い出の品を処分しにくい場合は、写真に撮ってデータで保存するのもひとつの方法です。
断捨離のコツについては、以下のページで詳しく解説しています。
家に物が多い人必見!必要な量だけですっきり暮らすコツ
片付けやすい収納家具や収納方法を取り入れる
片付けの際の工数を減らすことで、整理整頓を習慣化しやすくなります。例えば、戸棚に物をしまう場合、扉を開けるだけなら1アクションです。一方、箱に収納する場合は「箱を取り出す」「フタを開ける」など、動作が増えてしまいます。手順が多いと片付けの負担も大きくなるため、できるだけシンプルな仕組みにしましょう。
また、ライフスタイルの変化にも対応できるよう、同じシリーズで買い足しや拡張が可能な収納家具を選ぶと便利です。
リビングが散らかる原因と収納のコツについて、以下のページで紹介しています。
リビングが散らかる原因は?すぐ片付けられる、収納のコツ!
床に物を置かず、掃除しやすい部屋にする
快適な空間を保つには、こまめな掃除が欠かせません。しかし、掃除しにくい環境では、つい後回しにしてしまいがちです。無理なく続けるためには、掃除しやすい部屋にすることが大切です。
まず、床に物を置かないことを心がけましょう。掃除機をかけるたびに物を動かす手間があると、負担に感じてしまいます。棚の上に飾るインテリア雑貨も最小限に留めることで、拭き掃除の際の手間を減らせます。
落ち着く部屋を作るための第一歩は、整理整頓と掃除から始めましょう。不要なものを処分し、掃除しやすい環境を整えることがポイントです。
2. 落ち着く部屋のレイアウト『ゆとりや開放感を演出する』

落ち着く部屋には開放感とゆとりがあり、自然とリラックスできる心地よさがあります。反対に、圧迫感のある空間では動きにくく、ストレスを感じてしまいます。
生活動線・家事動線がスムーズなレイアウトにする
快適に暮らすには、動線がスムーズなレイアウトにすることが大切です。移動しにくいとストレスが増え、部屋で過ごす時間も落ち着かなくなります。
人が無理なく通るには、最低60cmの通路幅が必要です。これ以上のスペースを確保すると動きやすくなり、部屋全体の使い勝手も向上します。
さらに、よく使うものを手の届く場所にまとめると、より効率的に過ごせるようになります。例えば、キッチンでは調理道具を作業スペースの近くに、スマートフォンの充電器はソファやベッドのそばに置くと、動線がスムーズです。
動線と家具レイアウトの基本については、以下のページで詳しく解説しています。
リビングダイニングでの家具の配置に悩んだら。知っておきたいレイアウトの基本
開放感のあるレイアウトにする
部屋に開放感を持たせるには、視界を遮らない工夫が必要です。特に、窓までの抜け感を意識すると、空間がより広々と感じられます。家具の高さにも配慮し、目線と同じ高さか、それより低いものを選ぶと圧迫感を抑えられ、すっきりとした印象に仕上がります。
また、ソファの周りに余裕がないと、落ち着かない空間になりがちです。くつろぐスペースには適度な余白を確保すると、リラックスしやすくなります。
快適な空間を作るには、余白を意識することが大切です。家具のレイアウトを調整し、スムーズな動線を確保することで、居心地のよい部屋を作れます。
3. 落ち着く部屋の家具選び『統一感と心地よさを重視する』

部屋全体に統一感があり、まとまっていると、落ち着きやすい空間になります。一方で、テイストが揃っていない雑然とした部屋は、無意識のうちにストレスを感じることもあります。心地よい部屋を作るには、まずインテリアのテイストを明確にし、統一感を意識しましょう。好きなスタイルに合わせて家具を選んでいくと、まとまりのある落ち着いた空間が生まれます。
部屋全体のテイストを決める
家具の購入や模様替えをする前に、部屋のテイストを明確にしておきます。北欧風や和モダン、インダストリアルなど、インテリアのスタイルは様々です。自分の好みに合ったテイストを選ぶことで、心地よい空間を作れます。
テイストが決まると、家具や小物の選択に迷うことが減り、全体のバランスを整えやすくなります。理想のスタイルをイメージし、それに合うアイテムを揃えていきましょう。
インテリアの主なテイストについて、以下のページで詳しく紹介しています。
おしゃれな家の内装のポイント3選|配色・素材の選び方とコツも
自然素材や肌に合う素材を選ぶ
落ち着く部屋を作るには、自然素材や肌に優しい素材を取り入れることが効果的です。
林野庁によると、無垢材や天然素材には、視覚的にも触覚的にもリラックス効果があるとされています。例えば、以下のような効果が期待できます。
- ・リラックス効果
- ・癒やしの効果
- ・疲労感の軽減
- ・質のよい睡眠の促進
- ・集中力の向上
特に、椅子やラグマットなど肌に直接触れるアイテムは、心地よい素材を選ぶことが大切です。肌触りがよくないと居心地の悪さにつながります。
夏はリネンやコットン、冬はウールやカシミヤなど、季節や好みに合わせて素材を選ぶことで、快適でリラックスできる空間になります。
リラックスできるソファやベッドを選ぶ
ソファやベッドは長時間くつろぐ場所だからこそ、座り心地や寝心地にこだわりましょう。心地よい家具を選ぶことで、落ち着く部屋を作れます。
ソファは、ストレートタイプやカウチタイプなど、形状によって使い勝手が様々です。広めの部屋ならカウチタイプでゆったりと、コンパクトな空間ならストレートタイプを配置するとバランスが取れます。ベッドはローヘッドデザインを選ぶと圧迫感が抑えられ、すっきりとまとまります。
4. 落ち着く部屋の配色:色数を絞り落ち着くカラーを使う

落ち着く部屋は色の統一感があり、穏やかな色調でまとまっているのが特徴です。それにより視覚的な刺激が少なく、リラックスできる空間になります。反対に、色数が多いと目に入る情報量が増え、落ち着かない印象を受けます。
心地よい空間を作るには、まず部屋全体のカラーを整えることが欠かせません。色の数を絞り、落ち着いたトーンを取り入れるだけで、くつろげる雰囲気に仕上がります。
3色にまとめる
部屋の配色をベースカラー・アソートカラー・アクセントカラーの3色でまとめると、すっきりとした落ち着きのある印象になります。
カラー |
割合 |
使用箇所 |
---|---|---|
ベースカラー |
70% |
床・壁・天井 |
アソートカラー |
25% |
大型家具・カーテン・ラグ |
アクセントカラー |
5% |
小物・クッション・インテリア雑貨 |
色数を抑えることでノイズが減り、穏やかな雰囲気になります。インテリアのテイストを考慮し、調和しやすい色の組み合わせを選びましょう。
落ち着く色を取り入れる
色には心理的な効果があり、適切に選ぶことで心が安らぐ空間を作れます。例えば、リラックス効果があるのは青や水色、グリーンのほか、ベージュ、パステルカラーなどです。これらの色を取り入れると、落ち着きやすい部屋になります。
例として、以下のような配色が考えられます。
比率 |
色 |
使用箇所 |
---|---|---|
ベースカラー |
ベージュ |
壁・天井 |
アソートカラー |
淡いブルー・グリーンなど |
カーテン・ソファ・ラグ |
アクセントカラー |
パステルカラー |
クッション |
壁にベージュを選び、カーテンには淡いブルーやグリーンを、クッションにパステルカラーを取り入れるとアクセントになります。
ただし、色の感じ方には個人差があるため、自分が落ち着く色を選ぶことが大切です。好きな色を基調にすると、より自分らしい空間を作れます。
色が与える効果や影響については、以下のページで詳しく解説しています。
リラックスしたい?元気になりたい?色の心理効果と上手な取り入れ方
5. 落ち着く部屋の雰囲気づくり『居心地がよくなるアイテムを活用する』

日々の疲れを癒やして心身ともにリラックスするには、視覚や聴覚、嗅覚などの五感を通じて心地よさを感じることが欠かせません。
間接照明を取り入れる
間接照明の光は気持ちを穏やかにし、ストレスを和らげる効果があります。天井照明を消し、間接照明の光だけで過ごすと、よりリラックスしやすい空間に。寝る前のひとときに取り入れると、快適な眠りにつながるでしょう。
間接照明を手軽に取り入れるなら、フロアランプやテーブルランプがおすすめです。設置が簡単でレイアウトも変更しやすいため、お部屋に合わせて光の演出を楽しめます。
間接照明がもたらす効果や、おすすめのテーブルライトについて、以下のページで紹介しています。
癒し効果バツグン!個性あるおしゃれなテーブルライト6選
観葉植物や花を飾る
観葉植物や花を飾ることで、視覚的な癒やしが生まれ、落ち着く部屋を作れます。植物の緑色にはストレスを和らげる効果があるほか、植物が発するフィトンチッドと呼ばれる成分にはリラックスを促す作用があります。
ただ、日中家を空けることが多い一人暮らしの方や、小さな子どもがいる家庭では、こまめな手入れが難しいこともあるでしょう。その場合は、フェイクグリーンを取り入れるのもひとつの方法です。水やりの手間もかからず、手軽に緑を楽しむことができます。
観葉植物をおしゃれに飾るコツについては、以下のページをぜひご覧ください。
インテリアになる観葉植物の飾り方とセンスよく見せるコツ
アロマオイルやキャンドルを使う
アロマオイルやキャンドルを使い、安らぐ香りで空間を満たすのも、落ち着く部屋を作る上で効果的です。香りには、心身に様々な影響を与える力があります。
特に、ラベンダーやカモミール、イランイランなどは、リラックス効果が高い香りとして知られています。アロマディフューザーやアロマポットを使うと、香りを効率よく広げられ、心地よい空間が生まれます。アロマキャンドルを灯して、やさしい光とともに香りを楽しむのもおすすめです。
落ち着く部屋を作るには、間接照明や観葉植物、心地よい香りをプラスすることがポイントです。居心地がよくなるアイテムを活用することで、自宅がより快適な空間へと生まれ変わります。
【一人暮らし~子育て世帯別】落ち着く部屋の作り方
落ち着く部屋を作るコツは、世帯人数やライフスタイルによって異なります。それぞれの暮らし方に合った工夫を取り入れながら、心地よい住まいを作りましょう。
一人暮らしの落ち着く部屋

家具選びと配置で限られたスペースを活用
一人暮らしの部屋はスペースが限られているため、圧迫感を抑えつつ、すっきりとした空間を作る工夫が大切です。
家具を選ぶ際は、部屋の広さと動線を考慮することがポイントです。背の高い家具を手前に、低い家具は奥に配置すると、遠近感が増し奥行きが生まれ、開放感のある空間が作れます。また、ソファとダイニングテーブルの両方を置きたい場合は、ソファダイニングセットや折りたたみ式のテーブルなども選択肢のひとつです。機能的な家具を選ぶことで、限られたスペースでも快適に過ごせます。
コンパクトな部屋を広く見せるコツについては、以下のページで詳しく紹介しています。
【ワンルーム・1K向け】一人暮らしのお部屋をスッキリ見せる収納ヒント
二人暮らしの落ち着く部屋

プライバシーを尊重しながらも、快適な空間作り
二人暮らしでは、共有スペースと個人のリラックススペースのバランスが大事です。一緒に過ごすスペースだけでなく一人でくつろげる場所を設けることで、お互いのプライバシーを尊重し、よい環境を作れます。
例えば、リビングの一角に一人掛けのソファや読書用の椅子を配置することで、個人の時間をゆったりと過ごせます。また、バルコニーに屋外用の家具を置き、気分転換できるスペースを作るのもおすすめです。お互いの生活リズムを尊重しつつバランスを取ることが、二人暮らしで落ち着く部屋を作るコツです。
以下のページでは、ベランダに椅子とテーブル、パラソルを設置した様子を写真とともに紹介しています。
家事だけに追われない!家で心地よく過ごすために必要な3つのこと
子育て世帯の落ち着く部屋

子どもの成長に合わせて、レイアウトを変えられる柔軟さが必要
子育て世帯では、子どもの遊び場と大人のくつろぎスペースをバランスよく両立させることがポイントです。例えば、ソファから目の届く場所にラグを敷いてキッズスペースを設ければ、大人はくつろぎながら子どもの様子を見守れます。
また、子どもの成長に合わせてレイアウトを変えられるよう、拡張性のある家具を選ぶのもおすすめです。可変式の収納や組み替え可能なデスクを活用すれば、ライフスタイルの変化にも対応しやすくなります。
以下のページでは、フレキシブルに組み合わせられる、ローソファ専門店HAREMのローソファを紹介しています。
子供・ペットも安心。フレキシブルでおしゃれなローソファ
まとめ
落ち着く部屋を作るには、整理整頓を心がけ、ゆとりのあるレイアウトにすることが欠かせません。
統一感のあるインテリアと落ち着いたカラーでまとめると、穏やかでリラックスできる空間を作れます。さらに、間接照明や観葉植物、アロマを取り入れることで、ゆったりとくつろげる雰囲気に包まれます。とはいえ、一度に完璧を目指す必要はありません。まずは不要なものをひとつ手放す、お気に入りの香りで部屋を満たすといった小さな工夫から始めてみましょう。
アドバイザー
宅地建物取引士 / 2級カラーコーディネーター
悠木まちゃ
国立校の建築学科で学び、ハウスメーカー勤務を経て、独立。前職では設計士として、戸建て住宅の間取りプランニングから、照明・設備のコーディネートまで幅広く担当。